![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/91/5d853062c5194cca624d4fa8c2d26c6b.png)
エースが赤犬のマグマにその体を貫かれ、マリンフォードの全ての人間に衝撃が走った。
「エースがやられたァ-------------!!!!赤犬を止めろォ---------!!!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/7c/5673bb855271344a21fe0f9ced9b00dc.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/ab/d94d29e8b8780e46ec3b811737110d35.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/ff/94b38fe04694a3f167599b260a9e76f8.png)
だが、ロギア系の赤犬を覇気以外で止めることなどできず、赤犬はエースにとどめをさすべき、再度そのマグマの拳を振り上げた。
ルフィが「やめろォ!!!」と叫ぶも、もう覇気は出ておらず、その声は虚しく響くだけだった。かろうじて赤犬を止めたのは、海峡のジンベエだった。赤犬の拳を受けたその右手の肉は燃えて焦げた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/95/2e97b0b0d2742011672305e8a5cd5a6a.png)
「つまらん時間稼ぎはよせ、元七武海だ、わしの力は存分に知っとうが・・・」と言う赤犬にジンベエは正面きって答えた。
「この身を削って・・・時間稼ぎになるなら結構!!もとより命などくれてやるハラじゃい!!」そこにあるのは覚悟と怒りだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/0a/fc0235efc5ae6941b68e45aab39bfbfd.png)
赤犬の後ろでは、元の姿に戻ったセンゴクが、ガープを押さえ込んでいた。
ガープは「そうやって・・わしを押さえておけセンゴク!!!・・・でなければわしゃア、サカズキを殺してしまう!!」海軍の立場と、自分の正義と、かわいい息子達との狭間に立ち、この中で一番辛い状況だったのはガープであったろう。
死に直面する息子を助けてやることも出来ず、さりとてその死を受け入れることも出来ず、その精神はギリギリの処で踏ん張って
いたのか、ガープは突然の出来事に取り乱した。理性を越えて出たその感情こそが、ガープの本心だったのだろう・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/04/977c8682200fddc20662edb01ceadf24.png)
赤犬は、ジンベエを前に、ガープを後ろに「”裏切り者”への制裁も必要なようじゃのう!!!」とその腕のマグマを沸き立たせた時、赤犬を制したのはビスタ隊長と、マルコ隊長の二人の覇気使いの能力者だった。
「あーーうっとおしいのォ、覇気使いか。”火拳”はもう手遅れじゃとわからんのか」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/4d/714e571f7813a50af9a54c0fde229740.png)
隊長だけでなく誰の目にも明らかだった。いくら赤犬を制しても、マグマに体を貫かれたエースの命がもたないことを。エースが開放された事で、エース自身を護ってやることに気を抜いたのは確かだった。 「悔やみきれん一瞬の抜かり・・・!!何てことに・・・!!」
エースはドサリと膝から崩れるようにルフィの方へと倒れこみ、ルフィは兄エースの血だらけの体を受け止めた。
「・・・・ごめんなァ・・・ルフィ・・・、ちゃんと助けて貰えなくてよ、すまなかった・・・!!!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/46/4dbb671a87e7b630c662e1e92bb5b8e6.png)
応急手当てを急ごうとする仲間達を、エースが止めた。
「無駄だ、自分の命の終わりぐらいわかる・・・、もうもたねぇ、だから聞けよルフィ・・・!!!」
いつになく弱気なエースにルフィは駄々をこねた。
「・・・約束したじゃねェかよ!!!お前絶対死なねェって!!!言ったじゃねェかよォ、エースゥ!!!」
その言葉はエースも覚えていた。
「・・・そうだな、サボの件と、お前みてェな世話の焼ける弟がいなきゃ、おれは・・生きようとも思わなかった・・・。誰も”それ”を望まねェんだ、仕方ねェ・・・!!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/f3/04a0f49b251ddadcb9922c291be23c46.png)
エースの脳裏には、物心ついた時から自分の血が世界から忌み嫌われ、憎まれ、恨まれ、絶滅を望まれることしか知らなかった幼き日々が蘇った。人々から浴びせられる、これでもかの憎悪の言葉の数々に、自分の存在意義や生きていていいのかすらわからなかった日々・・・・。
そんな自分に向き合ってくれていたのは、ガープと・・・ダダン。そしてサボとルフィだった。
エースは「そうだお前・・・、いつかダダンに会ったら、よろしく言っといてくれよ・・、なんだか死ぬとわかったら、あんな奴でも懐かしい・・・。
心残りは一つある、お前の”夢の果て”を見れねェ事だ・・・。だけどお前なら必ずやれる!!!おれの弟だ・・・!!!。
昔、誓い合った通り・・・おれの人生には・・・悔いはない!!
おれが本当に欲しかったものは・・・どうやら”名声”なんかじゃなかったんだ・・・、おれは”生まれてきてもよかったのか”、欲しかったのはその答えだった。
・・・・ハァ・・・ルフィ、おれがこれから言う言葉を・・・お前、後からみんなに伝えてくれ・・・。
オヤジ・・・!!!みんな・・・!!!そしてルフィ・・・、今日までこんなどうしようもねェおれを、鬼の血を引くこのおれを・・・!!!愛してくれて・・・ありがとう!!!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/7a/621012310fcfd7d6bcf5de0acd30ae38.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/c4/11a84e9ba66375719d88a1165f29d8d3.png)
そう言うとエースは歪めた口元を微笑みに変え、ルフィの腕からすべり落ちるように地面に倒れ、同時にエースのビブルカードが燃え尽きて消えた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/21/f659194a565b420ad250e8f4516b6839.png)
ルフィは呆然と「エース・・・?」と呼びかけるが、返事はない。ただ、嬉しそうに、幸せそうに笑みをたたえ、眠るようなエースがいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/53/a2276a227a552097a854a27877eefce3.png)
ジジィ・・・おれは生まれてきてもよかったのかな。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/72/d6af30808388db2e4ae7797eb8419717.png)
約束だ!おれは絶対に死なねェ!!お前みたいな弱虫の弟を残して死ねるか!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/76/cf12f38bbb356ffa106fb857d41d73c9.png)
知ってるか?盃を交わすと兄弟になれるんだ!おれ達は今日から兄弟だ!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/a8/eea44125d811111a5969640565f9c571.png)
男の子なら「エース」、この子の名は「ゴール・D・エース」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/7e/32dca64fda339aa6b71575680179313e.png)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます