ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

574話 ポートガス・D・エース死す (マリンフォード-26)

2017年02月04日 | 頂上戦争編




エースが赤犬のマグマにその体を貫かれ、マリンフォードの全ての人間に衝撃が走った。
「エースがやられたァ-------------!!!!赤犬を止めろォ---------!!!」










だが、ロギア系の赤犬を覇気以外で止めることなどできず、赤犬はエースにとどめをさすべき、再度そのマグマの拳を振り上げた。
ルフィが「やめろォ!!!」と叫ぶも、もう覇気は出ておらず、その声は虚しく響くだけだった。かろうじて赤犬を止めたのは、海峡のジンベエだった。赤犬の拳を受けたその右手の肉は燃えて焦げた。



「つまらん時間稼ぎはよせ、元七武海だ、わしの力は存分に知っとうが・・・」と言う赤犬にジンベエは正面きって答えた。
「この身を削って・・・時間稼ぎになるなら結構!!もとより命などくれてやるハラじゃい!!」そこにあるのは覚悟と怒りだった。




赤犬の後ろでは、元の姿に戻ったセンゴクが、ガープを押さえ込んでいた。
ガープは「そうやって・・わしを押さえておけセンゴク!!!・・・でなければわしゃア、サカズキを殺してしまう!!」海軍の立場と、自分の正義と、かわいい息子達との狭間に立ち、この中で一番辛い状況だったのはガープであったろう。
死に直面する息子を助けてやることも出来ず、さりとてその死を受け入れることも出来ず、その精神はギリギリの処で踏ん張って
いたのか、ガープは突然の出来事に取り乱した。理性を越えて出たその感情こそが、ガープの本心だったのだろう・・・。



赤犬は、ジンベエを前に、ガープを後ろに「”裏切り者”への制裁も必要なようじゃのう!!!」とその腕のマグマを沸き立たせた時、赤犬を制したのはビスタ隊長と、マルコ隊長の二人の覇気使いの能力者だった。
「あーーうっとおしいのォ、覇気使いか。”火拳”はもう手遅れじゃとわからんのか」



隊長だけでなく誰の目にも明らかだった。いくら赤犬を制しても、マグマに体を貫かれたエースの命がもたないことを。エースが開放された事で、エース自身を護ってやることに気を抜いたのは確かだった。 「悔やみきれん一瞬の抜かり・・・!!何てことに・・・!!」


エースはドサリと膝から崩れるようにルフィの方へと倒れこみ、ルフィは兄エースの血だらけの体を受け止めた。
「・・・・ごめんなァ・・・ルフィ・・・、ちゃんと助けて貰えなくてよ、すまなかった・・・!!!」




応急手当てを急ごうとする仲間達を、エースが止めた。
「無駄だ、自分の命の終わりぐらいわかる・・・、もうもたねぇ、だから聞けよルフィ・・・!!!」
いつになく弱気なエースにルフィは駄々をこねた。
「・・・約束したじゃねェかよ!!!お前絶対死なねェって!!!言ったじゃねェかよォ、エースゥ!!!」
その言葉はエースも覚えていた。
「・・・そうだな、サボの件と、お前みてェな世話の焼ける弟がいなきゃ、おれは・・生きようとも思わなかった・・・。誰も”それ”を望まねェんだ、仕方ねェ・・・!!」



エースの脳裏には、物心ついた時から自分の血が世界から忌み嫌われ、憎まれ、恨まれ、絶滅を望まれることしか知らなかった幼き日々が蘇った。人々から浴びせられる、これでもかの憎悪の言葉の数々に、自分の存在意義や生きていていいのかすらわからなかった日々・・・・。

そんな自分に向き合ってくれていたのは、ガープと・・・ダダン。そしてサボとルフィだった。
エースは「そうだお前・・・、いつかダダンに会ったら、よろしく言っといてくれよ・・、なんだか死ぬとわかったら、あんな奴でも懐かしい・・・。
心残りは一つある、お前の”夢の果て”を見れねェ事だ・・・。だけどお前なら必ずやれる!!!おれの弟だ・・・!!!。
昔、誓い合った通り・・・おれの人生には・・・悔いはない!!
おれが本当に欲しかったものは・・・どうやら”名声”なんかじゃなかったんだ・・・、おれは”生まれてきてもよかったのか”、欲しかったのはその答えだった。


・・・・ハァ・・・ルフィ、おれがこれから言う言葉を・・・お前、後からみんなに伝えてくれ・・・。
オヤジ・・・!!!みんな・・・!!!そしてルフィ・・・、今日までこんなどうしようもねェおれを、鬼の血を引くこのおれを・・・!!!愛してくれて・・・ありがとう!!!」









そう言うとエースは歪めた口元を微笑みに変え、ルフィの腕からすべり落ちるように地面に倒れ、同時にエースのビブルカードが燃え尽きて消えた。



ルフィは呆然と「エース・・・?」と呼びかけるが、返事はない。ただ、嬉しそうに、幸せそうに笑みをたたえ、眠るようなエースがいた。



ジジィ・・・おれは生まれてきてもよかったのかな。



約束だ!おれは絶対に死なねェ!!お前みたいな弱虫の弟を残して死ねるか!


知ってるか?盃を交わすと兄弟になれるんだ!おれ達は今日から兄弟だ!!




男の子なら「エース」、この子の名は「ゴール・D・エース」


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