ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

57話 夢在るがゆえ (サンジ登場-16)

2015年08月27日 | 東の海編
(1)東の海編--→⑤サンジ登場--→[サンジ少年と海賊ゼフ.1]



子どもの頃、サンジはコック見習いとして客船「オービット号」で修行をしながら働いていた。サンジの夢は、コックなら一度は夢見る伝説の海”オールブルー”を見つけること。


”オールブルー”とは、東の海、西の海、北の海、南の海、この四つの海にいる全種類の魚達が住んでいる海域のことである。世界中の食材が集まる海とあっては、料理人の腕がなる、まさに夢の海域である。
だが他のコック達は、オールブルーはどこかの誰かが夢見てついたホラで、伝説は伝説、現実には存在しないと笑い飛ばして、サンジの夢を相手にしなかった。

オービット号の先輩コック達は、客の食べ残した料理を食べることが多かった。先輩コック達は「おれ達は海のコックだ。海は何が起こるかわからなねェ、節約しておくにこした事がないんだよ」と言ったが、サンジは残飯に手をつけることを嫌がった。食材はたくさんあるうえ、あと2日で港に着くので、そんな必要があるとは思えなかった。

だがその日、オービット号は、”赫足のゼフ”率いる”クック海賊団”の襲撃を受けた。




グランドラインより戻ったばかりの”赫足のゼフ”は、容赦なく金品を略奪したが、他船の食糧にだけは手を出すな、と強く部下にいいつけていた。それが、彼のポリシーだった。

ゼフは、オービット号のコックらしき服を着た年端もいかない金髪のガキが、包丁を振り回してクック海賊団にたてついているのを見た。
「そんな死にたがりのガキは、とっとと殺しちまえ!!!」というゼフに、幼いサンジは「死にたいもんか!!どうせお前ら、おれ達をみんな殺すつもりなんだろ!だったら先におれが、お前らを殺してやる!!!」と海賊に臆すことなく言い返した。


ゼフは、その少年に容赦なく蹴りを入れ、少年は激しく吹っ飛んで、血まみれになりながらもゼフの足に噛みついて離さなかった。「おれは死なない、おれはいつか・・!!オールブルーを見つけるんだ・・・!!」


これを聞いたクック海賊団の海賊達は、一斉に激しく嘲笑した。
「ブッはっはっはっ!オールブルーへ行くんだとよ!大いなる志だな!!グラインドラインにもそんなもんなかったよ!!」

ゼフは無言で再びサンジ少年を蹴り飛ばした。
サンジは、起き上がることも出来ずに倒れたまま「くそ海賊なんかに、こんなことで殺されてたまるかよ!!」と悔しそうに叫んだ。

その時、折からの嵐が強さを増し、大波が甲板に倒れていたサンジを呑み込んで海に引きずり込んだ。その瞬間、ゼフは船の帆を蹴り折り、それを持ってサンジを助けようと荒れ狂う海に飛び込んだ。


クック海賊団の部下達がゼフの行動に驚いたのも束の間、次の大波が客船と海賊船もろとも人々を海の中に呑み込み、船にいた者で助かった者は誰もいなかった。



サンジが目を覚ました時、空は穏やかに晴れていた。
傍らにいたゼフが「気が付いたかチビナス・・・・運の強い野郎だ」とつぶやいたのが聞こえた。

2日間眠リ続けていたサンジに、何が起こったのかをゼフは説明した。
「嵐があったのは2日前、要するにおれと貴様は、この何の色気もねェ岩山に打ち上げられたわけだ。食い物は一切手に入らねェ、泣けてくるだろ。助けを待つしか道はねぇ。運が良けりゃ明日にでも助かる、悪けりゃいつかひからびた白骨になるだけだ。」

それだけ言うと、ゼフは立ち上がって持っていた2つの袋の小さい方をサンジに与え、その3倍はある大きな袋を持って言った。 「一緒に打ち上げられた食糧だ。普通に食って5日分、頭使って食うんだな。」

「待てよ!!お前の方が全然多いじゃないかっ!!」サンジが反抗しても、「当たり前だ、おれは大人なんだ、胃袋のでかさが違う」ととりつくしまもなかった。

ゼフは、サンジの頭を足で押さえつけると「こんな状況なんだ、仲良く助け合っていこうじゃねェか。」と言い、サンジとゼフは島の両側に分かれて、二人で船が通るのを見張ること、船が見つかるまでの接触は一切しないことをほぼ強制的に言い渡して「幸運を祈る」と言い残して立ち去った。


サンジは何もない小さな島で、ひとり、ただただ続く水平線を眺め続けた。船が通る気配はないが、それしか救いの道はない。
何もすることがないだけに、空腹感は絶大だったが、空腹に任せて食糧に手を出すわけにはいかない。サンジはひたすら空腹感と戦いながら、船を待った。


その頃、島の反対側でゼフも船の通過を見張っていた。3日間見張っていても船の往来など一度たりともなかった。
ゼフは「おれの赫足もここまでか・・・」と自分の足を岩で切断した。






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