ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

58話 クソジジィ  (サンジ登場-17)

2015年08月28日 | 東の海編
(1)東の海編--→⑤サンジ登場--→[サンジ少年と海賊ゼフ.2]



一人になったサンジは、憎い海賊ゼフに頼らず、一人で生き延びることを自分に誓った。
幸い食料は5日分、湧き水もある。5日分の食料を20日分に分けて空腹との戦い続けた。食べたい、食べてはいけない、その葛藤を水で紛らわそうとするも、空腹は容赦なく常時襲い続ける。

遭難から5日目、とうとう目の前を1隻の船が通るが、気づいてもらえずに通り過ぎて行ってしまった。その悔しさと絶望感に、サンジ少年は身悶えて苦悩した。

遭難から25日目、あれ以来船を見かけることはない。サンジはすっかりやせ細り、最後に残しておいたパンにはカビが生えていたが、口に入る食べ物があるだけマシだった。文句は言ってられない。最後のパンを口にしつつ、これまでいかに自分が食べ物を粗末にしてきたかを思い出し、先輩コック達の言葉の意味を理解しなかった自分に腹が立って泣けてきた。泣けてきたら、パンを持つ手が震えて、最後のパンを海に落としてしまう。

遭難から30日目、食糧が尽きたが、もうちょっとで船は来る、もう少しで来るとひたすら水平線を見続けた。

遭難から70日が経った時、飢えて痩せこけ、サンジの人相は変わってしまっていた。もう海への希望も途絶えていた。


「・・・・あのクソジジイは、もう死んだかな・・・」ゼフがたくさんの食料を持っていったことを思い出したサンジは、最後の力を振り絞り、這いずるようにしてゼフの背後に回った。

ゼフはまだ生きていた。
そして、傍らには食糧の入った大きな袋がある。サンジは持っていた包丁を取り出すと、最悪の場合はゼフを殺してでも食糧を奪うつもりで近づいた。 「おれは、生きたいんだ。どうせおれは、これ以上食えなきゃ死んじまうんだからっ・・。」

サンジが、ゼフの食料の大きな袋を包丁で破った時、袋からこぼれ落ちて出てきたのは食糧ではなく、金品財宝だった。どうりで一切手をつけていないはずだ・・・。
驚くサンジにゼフは背中越しに「船が見えるまで、接触はナシだと言ったハズだぜ。・・・金はあるのに、食えねぇってのは可笑しな話だな。」と声をかけた。

サンジは茫然とした。食糧じゃない・・・?全部宝・・・?じゃあクソジジイは・・・!?
サンジは「おい?食糧は!?お前今日までどうやって生きてたんだよ!!!!おれより胃袋デカいんじゃなかったのかよ!!」と言ってゼフに近付いて、そして腰を抜かした。


ゼフの片足がなかったのだ。
「どうしたんだよ、その足、・・・お前、自分の足・・・!!!食ったのか!!?」
ゼフは「そうだ」とだけ答えた。


サンジの目から、枯れ果てていたはずの涙があふれてボロボロと流れ落ちた。
「食糧は、おれにくれたのが全部だったのか!!!」
「そうだ」

「その足なかったら、もう、お前、海賊やれねぇじゃねえか!!!」
「そうだな・・」

「余計なことすんなよ、おれはお前を殺す気だったのに!!!おれはお前に優しくされる覚えはねぇぞ!!!何でだよ!!!何でだ!!!」


事実を知り、自分を責め、でも取り返しのつかない現実にどうしようもなく怒って泣くサンジに、ゼフは「お前がおれと、同じ夢を持ってたからだ。オールブルーはあるさ、時期がきたら"グライドライン"を目指せ。おれはあの場所にオールブルーの可能性を見た。・・・もっともおれは・・共に旅をする仲間を失ったから・・・いいヤツらだった・・・」と言った。その目に後悔の色はなく、むしろ希望の強い光があった。


そう言い終わるや否やゼフは倒れた。気力と筋肉の固定化だけでかろうじて保たれていた姿勢は、脆く崩れた。
起き上がることも出来ない程にやせ細ったゼフは、混沌とする意識の中で、ゆっくりと言葉を吐きだした。
「・・・海は広くて残酷だなぁ、この海の広さを呪って死んでいった奴がどれくらいいるんだろうな・・・。海賊人生でものが食えねェ危機には何度も遭ってきたが、その度に思う。海のど真ん中にレストランでもあったらなぁってよ。」

「レストラン・・・・・!」サンジもつぶやいた。
「そうだ・・・生きて帰れたら、おれの最後の生きがいにそいつをブッ建てようと思ってた。海賊時代にそんな店やれるのは、おれくらいのもんだ」

「・・・よし!!おれもそれ手伝うよ!!だから、まだ死ぬなよ!!!おれも強くだってなるさ!!」

遭難から85日目、2人はようやく通りがかった船に助けられた。二人は極限までやせ細り、意識なく重なるように倒れており、餓死寸前であったが、かろうじて命は繋がれていた。



今、突如としてあられたドン・クリーク海賊団に、そのゼフのレストランが奪われようとしている。
サンジは立ち上がって言った。
「・・・てめぇの足をてめぇで食って、おれに食糧を残してくれたんだ・・・。おれを生かしてくれた。レストランは渡さねぇ!!クソジジィも殺させねぇ!!!たかがガキ1匹生かすために、でけぇ代償払いやがったクソ野郎だ!!おれだって死ぬくらいのことしねェと、クソジジィに恩返しできねェんだよ!!!!」



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1 コメント

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2021-04-02 16:45:02
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