What’s ノーマリゼーション?

福祉について考えるUMEMOTOのブログ

広まれ!認知症の取り組み

2006-05-22 22:02:03 | 認知症
「たとえ認知症になっても、住み慣れた地域で安心して暮らしたい」

全国各地で取り組まれている認知症への取り組みは、この一言につきるのではないだろうか。
一昨年から始まった認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議では、各地の取り組みを公募し、表彰を行っている。

あるグループホームを中心とした小さな地域での取り組みから、市・町単位の広域にわたる取り組みまでさまざまな取り組みが表彰されている。
どの取り組みも一本の揺るぎのない芯が通っている。決して賞を受けることが目的になってはならないが、このように世間に広く伝えることができる手段としては、表彰というのはよい考えである。

スウェーデンでは認知症ケアの先駆者・推進者を表彰するクロッカルゴーデン賞クロッカルゴーデン賞があり、日本でも同様に表彰式が毎年行われている。
また、各新聞社においても福祉に貢献した人の表彰が行われているのは、紙面上で目にしたことがあるかもしれない。

一見、福祉は表彰とは縁がないように思われるが(実際に表彰されたくて福祉の仕事をしている人はほとんどいないかもしれない)、時には大きくアピールすることも必要である。マスコミは表彰式などの絵になるものが好きだし、それを利用しない手はないだろう。
黙っていればなかなか広まらないことでも、大きな声を上げると、水面に波紋が広がるように、その取り組みが普及することがある。
最近で急速に広まった、ユニットケアやグループホームなどの小規模ケアや、宅老所などの小規模多機能と呼ばれる施設が代表的だ。

大きな声を上げた人に対して、時に世間は冷たい視線を投げかけることもあるが、先駆者が道を切り開いたことの意味は大きなものがある。
私たちは、その切り開いた道を踏み固めて歩きやすくすることもできるし、道を広げ後から多くの人たちが通ることが出来るようにすることもできる。道端に花を植えることもできる。違う道を見つけることもできるかもしれない。

ただ、何もせずに道に唾を吐くのはやめよう。その道は私たちの通る道でもある。