むじな@金沢よろず批評ブログ

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カナダ北方の自然と先住民を描いた映画「最後の狩人」

2006-01-18 23:46:55 | 世界の民族・言語問題
先日、カナダ北方ユーコン州を舞台に、狩猟によって生計を立てている夫婦と大自然のかかわりを描いたドキュメンタリー映画「最後の狩人」を見てきた。

題名 Le Dernier Trappeur / 仮題:最後の狩人 
監督: Nicolas Vanier
キャスト Norman Winther, May Loo, Alex Van Bibber, Ken Bolton, Denny Denison
ジャンル 長編 ドキュメンタリー アバンチュール
言語 英語
制作国 フランス・カナダ
製作 Jean-Pierre Bailly
製作会社 MC4 Productions
フランス国内劇場公開  12/15/2004
時間 105 mn
日本 2006年春公開予定
監督 Nicolas Vanier
俳優 Norman Winther
   May Loo
·  Alex Van Bibber
·  Ken Bolton
·  Denny Denison
作曲家 Krishna Levy

フランス公式HP http://www.lederniertrappeur.com/
フランス語写真集
http://www.amazon.fr/exec/obidos/ASIN/2842775651/171-6619898-0861838c

日本語参考HP
http://japan.unifrance.org/films/detail_film.asp?CommonUser=&cfilm=25173&langue=21010

台湾公式HP (最後的獵人)
http://movie.grouppower.com.tw/trapper/

映画の紹介を書いておくと、主人公のノーマン・ウインターNorman Wintherはカナダの白人で、先住民ナハンニNahanni族出身の妻・ネバスカNebaskaやイヌ橇用の忠犬たちとともに、カナダ・ユーコン州の 森林に住んでいる。森で切った丸太を自分で組み立てて作った家に住み、狩猟によって得た毛皮を近くの小さな町で売って生計を立てている。
映画では、雄大なユーコン州の美しい大自然が大きく映し出される。雄大な自然に比べれば、主人公はあまりにも小さい。短い夏にはカヌーを使って川下りをし たり、真冬はマイナス40度にもなる極寒の中でも犬橇を使って遠出をし、危うく氷の割れ目に転落して凍死しそうになったり、ハイイログマやオオカミと遭遇 したりしながら、懸命に生きている。
しかしそうした狩猟生活も、大企業による森林伐採の波が押し寄せてきて、今年で終わりになるかもしれない。

大自然の風景、さまざまな動物たち、オーロラなどが画面に映し出されてきれいな映画だ。
ただ、ちょっと批判的なことを書いておくと、先住民が登場する欧米の映画ではお決まりのパターンとして、主人公は先住民自身ではなく、あくまでも白人男性で、先住民がその妻・脇役として出てくるところが、白人が作った映画の限界という感じではある。
また、夫は毛皮売りに町に出かけてバーに入り浸ったりしている点では、大自然の賛歌といっても、やはり近代や都市とは切り離せないところが現れている。もっとも、これは自然生活を台無しにしていると見るか、リアリティと見るかは、見るひとによって違うだろう。
ただ、画面の美しさだけでも、この映画は見る価値はあるとは思う。

ところで、先住民も登場するということで、台湾では、アミス族が住む花蓮玉里武國小でも上映会が開かれたらしい。
http://movie.grouppower.com.tw/trapper/p1_2.htm
台加兩地【最後的獵人】在花蓮相遇

ロケ地近くにあるホワイトホースの地方紙の報道:
Whitehorse Star
Film giving territory exposure in France
http://www.whitehorsestar.com/auth.php?r=36161

ところで、カナダ北方や先住民との関連といえば、カナダ公共放送のカナダ放送協会CBCの第1ラジオは北方諸州向けに先住民諸語の番組を設けるなど特別編成にしている。

http://www.cbc.ca/north/
http://www.cbc.ca/north/programs/index.html



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