むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

台湾派の歌手・バンドによる番組公開録音(コメント可)

2005-06-29 03:37:10 | 台湾音楽
 台湾語の歌にこだわる台湾独立派シンガーソングライター豬頭皮こと朱約信が謝長廷・行政院長に近いラジオ局「緑色和平」(FM97.3MHz)で平日午前1時(正確には25時)からDJをしている「萬國★仔標」(ban7-kok ang-a2-phiau、直訳すると世界のメンコ<*>、あるいは世界よりどりトレードマーク)の公開録音が、6月28日午後9時から翌日午前零時半まで、台北市公館のライブハウス「The WALL」で開かれた。(★=[杭の編を骨に]、*=これも日本の地方ごとに呼び名が異なる。私が育った石川県では「ペッタ」だった)
 わたしは今月初めに、約信本人からチケットをもらっていたので見に行った。
 テーマは盲人への労わりということで、登場歌手・バンドは、盲人バンドの魔鏡樂團を筆頭に、盲人歌手の蕭煌奇、それから緑色和平のステーションジングル作曲者の林家、約信と同じ長老教徒の歌手・蕭福、台湾大学出身のバンド・濁水溪公社といった、この手の音楽ファンには垂涎もののラインナップだった。
 蕭煌奇は聞きしに勝る圧倒的な声量と重量感のある声で、ライブで聴くと惚れ惚れする。あとは、濁水溪公社は前々から会いたかったのだが、この日は有名な「左派」は来ず、「小柯」だけが来ていた(ほかには脱拉庫などのメンバーが応援)。
 さて、「盲人をいたわる」のがテーマだが、台湾らしいあっけらかんとしたところがあって、「この人は目が見えない人。こっちはちょっとは見える」「この人は歌うときは目を大きく開く」などと、むしろ洒落にしているところが、すごかった。日本の障害者プロレスを連想するノリだ(障害者プロレスでは無理な体位になったときにアナウンスが「さあ、これで障害がまた増えるかあ」などという)。いやむしろそのくらいのほうが、普通に接しているという点でいいと思う。逆に日本の主流で障害者に接するときに下手に意識してそういった「差別用語を避ける」という感覚のほうが実は差別になっていると思う。こういう点では、台湾のあっけらかんさがプラスだと思う。
 終わってから小柯に挨拶したところ、わたしの名前を知っていた。台湾独立というと、「それは基本」と即座に回答。濁水溪公社といえば、このテのアングラ、ヘビメタバンドの走りともいえるバンド。そういえば台湾のアングラもしくはヘビメタ系バンドの多くは、みんな台湾独立派でしかも左派志向だ。閃靈、四幸丸、拷秋勤、929、薄荷葉、芭娜娜、滅火器、天譴九歌、DIGIHAI、Doodle、歌與他的沒有朋友們、壞女兒、光景消逝、牛皮紙樂團、1976、HOTPINK、仙樂隊、Claire、Emily、murmur、慢燒機、男子漢樂團、那夜、水龍頭樂隊、夾子電動大樂隊、董事長、脱拉庫、無政府、Tizzy Bac、 手那卡西、交工樂隊(美濃の客家人)...。これは同時に現在の若者の政治志向でもある。
 ちなみに、歌手以外の知人は、台湾語運動の女性、台湾大学台語社の元会長、教会公報の記者、台湾大学学生会で活動する学生が来ていた。
 (ところで、この話題、カテゴリー分類が困った。台湾政治でも、台湾言語でも、台湾社会運動でもいいのだが・・)