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月光院璋子の映画日記

気ままな映画備忘録日記です。

「1300万ドルの女」

2008年05月09日 | ◆サ行&ザ行

2003年製作 アメリカ映画 原題「Stealing Candy」)
監督:マーク・L・レスター

観始めてから、これって、アダルト映画!?
と思ってしまったほど、エロティックなレベルを超えている場面もあり、
エロティックサスペンス映画というジャンル分けは不適切かもしれません。
R指定がないのは不思議です。
18歳未満の中高校生はお断りのR指定映画ですね。
まずは、そのことをお断りしておきます。

映画の中にパソコンのインターネット画面!
そう、これは、インターネット時代の
新手の商売を彷彿とさせる題材を扱った映画であり、
かつ、サスペンス仕立ての犯罪映画です。

この犯罪を計画するのは、前科者の3人組。
ハリウッドで最もセクシー(という設定の)女優キャンディを誘拐し、
映画さながらに彼女にあらぬことをさせ、
それをインターネットの彼女のHPで有料で生中継するという計画。

かくして、彼らはその女優を誘拐。

無論、誘拐するので誘拐罪。

そして、彼女を脅してトンでもないことをさせるわけですから、
恐喝罪とワイセツ強制罪。

クーリオ演じる犯人の一人は、泣き叫ぶ女優を前にして、
スクリーンでやっていることと同じことをすればいいと脅すのですが、
「映画は演技であって、本当にやっているわけじゃないのっ」
と女優が訴えても通じない。
彼女は、実はリアルでは清純派なのですが、犯人は信じない。

怖いですね、すでにこの犯人の感覚が・・・・。

そんなことは出来ないと女優が顔を引きつらせて断ると、
施設にいるお前の父親の命はないと脅され、
どうしても駄目なら死んでもらうまでだと言われてしまう。

その誘拐される人気女優という役どころを、
ジェンヤ・レイノーという女優が演じていますが、
キャリアを見ると「ブレイド」「S.W.A.T 」に出演しているものの、
どこに出ていたかまるで分からない。

B級映画専属の女優さんなのでしょうが・・・・、
アダルト女優じゃなく、ホラー映画に向いているのではないかと
ご紹介の画像をご覧になったら、
皆さんもそう思われるのではないでしょうか。

銀幕の上ではセクシースター、なれど
実生活では、真面目な父親思いの娘のキャンディ・・・
そのような事など出来ないと訴える。

けれど、
女優だろう!演じればいいんだよっ!
と攻め立てられる。
成程、演じればいいのか・・・というわけにはいかないはずが、
演じてみせるのだと自分に言い聞かせていくプロセスが、
ジェンヤ・レイノーという女優の≪見せ場≫でもあり、
このB級映画の一つの≪見せ場≫でしょうか。

アレックス・マッカーサーが、実にいやらしい。(苦笑)

B級映画専属の俳優というか、
雰囲気が実にB級で、それが似合っているから面白い。
この犯罪計画の主犯ですが、
ほかの二人を全然コントロールできないところが、
ちょっとサスペンスフルでしたね。

特に、かぶっていた目空き帽を取り払って切れるクーリオが、
実にスリリングで、ヤバイぞ~~と。

短気で凶暴なクーリオと違って、
こちらは、家族のためにお金が要るために仕方なく犯行に加わった男。
そういう役どころながら、途中で、良心の呵責に耐えかねて
女優に謝罪し逃がそうとするのが、このダニエル・ボールドウィン。

眼鏡を取ると、ちょっとは似てるかなと思うこのダニエル・ボールドウィンは、
アレック・ボールドウィンの実弟です。

アレック・ボールドウィン

同じ兄弟ながら、こうも違うかと思ってしまいますが・・・・
イケ面でならしたお兄様も近年はだいぶ贅肉がついてきて、
体型的には兄弟だなあと思えてしまいます。(笑)

ダニエルの方はB級映画専門ながら、なかなか面白い映画に出演しています。
近作では、メル・ギブソンがプロデュースした映画『パパラッチ』(ポール・アバスカル監督)でパパラッチ役、映画『チェックメイト』では、確か公演で暮らすホームレスながらチェスが強く刑事の相談役になっている男の役で出ていましたね。

さて、『1300万ドルの女』の映画に話を戻すと、

以下のように、自らのHPで予告した(させられた)通りの行為を
インターネットでライブ放映する(させられる)状況に追い込まれていきます。
行為の相手は、仮面をつけたアレックス・マッカーサーなのですが、
この場面、じつにワイセツです。

こんなアダルト映像の女性が人気女優本人だとしたなら、
さぞかしネット上で騒ぎとなるのではないでしょうか。

各地でネットを見ていたファンたちが顔を赤らめつつ、
口コミも手伝って、あっという間に視聴者数が倍増に次ぐ倍増となり、
彼らの犯罪計画はまんまと成功し、
ネットバンクの指定口座には、
時間が経つにつれてどんどん入金額が増え、
行為が終わる頃には1,300万ドルもの大金が振り込まれます。

犯人たちは狂喜乱舞・・・・

やったぞ!

 

そうした犯人たちの様子を尻目に、
キャンディは、不安に震えます。この後殺されるのではないかと。

ところが・・・・
お定まりの仲間割れ。
顔を見られたから殺すしかないというクーリオ、
金は手に入ったのだから、生きて帰そうと言う二人。
殺し合いが始まるのは時間の問題・・・・


けれど、何とこの犯罪計画そのものが、
実は借金に困っていた女優当人とこのアレックス・マッカーサーとの共謀と分かり、
どんでん返しの連続で・・・・

映画のラスト、
大金を一人せしめた犯人がテレビでインタビューに答え、
観ているこちらは、
演じることが習い性となっている人間のしたたかさに舌を巻く結末・・・・

事件が解決した時点で、実は、
事件前に抱えていた全ての問題が解決していたという落ちに、
やはりこれはB級サスペンス映画と納得した次第。


と同時に、こうしたビジネスが出てきてもおかしくない時代になったのだと、
考えさせられました。
女優さんに限らず、人気女子アナウンサーやTVタレントの女性、あるいは、
若手女性お笑い芸人さんや若手女性政治家だのという方たちには、
ちょっと怖い話かもしれないなあ・・・・・
と思ったのも事実ですね。

 

 

 

【注】画像を整理している最中に、この映画の画像を見つけました。
ネット上でもほとんど紹介されていない映画なので、これを契機にブログにアップしました。3月に観た映画ということもあり、ブログでの分類は「3月」に入れさせていただきました。



 

 

 

 

 


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