月光院璋子の映画日記

気ままな映画備忘録日記です。

「ボーン コレクター」(「The Bone Collector」)の音楽

2009年03月29日 | ◆ハ行&バ・パ・ヴ行

久しぶりに見ました。こういう上質のミステリーは、その内容を半分くらい、というか、結末は覚えていても大事なところを忘れてしまっているころに見ると、新鮮な感じが失われることなく観ることができて面白いですね。

ここのブログでは、映画の内容ではなくて、この映画の音楽を担当しているクレイグ・アームストロング(Craig Armstrong)のことをご紹介したいなあと思いました。
緊張した展開が続いたラストに流れる音楽は、まさにラヴソングであることでも分かるように、本作は惨い連続殺人事件で残される次の事件への予告、その手がかりを追う鑑識の天才との息詰まる攻防戦のミステリーではあるのですが、ある意味、主演のデンゼル・ワシントン演じる刑事、障害を負って寝たきりになっている天才捜査官と彼の配下となって働くことになる青少年課の女性刑事、アンジェリーナ・ジョリー演じるアメリア刑事との間に生まれる信頼と理解と尊敬をベースとした愛の物語でもあります。こういった感想を書いておられる方は、たぶん本作に関してはどなたもいらっしゃらないのではないかと思いますけれど、そのように観ることもできる映画だというのは、音楽で分かります。

そのような絆で育まれる愛情を、グレイグ・アームストロングは音楽で表現して見事でした。この音楽家は、ニコラス・ケイジ主演の「ワールド トレード センター」(2006年 オリバー・ストーン監督)の映画音楽も担当していましたが、本作でアメリア役を演じたアンジェリーナ・ジョリーをスターダムに押し上げたアクション映画『トゥームレイダー2』も彼が音楽を担当しているんですよね。『ハルク』でもそうだったかなと。
まあ、いろいろな音楽を作ろうと思えば作れるのが音楽家だとはいえ、彼の音楽は、作品をただのアクション映画やサスペンス映画では終わらせない構成力があって、主人公ばかりではなく出演者のハートや人生を誇り高いものにしていく壮大さと、私たち観客の心に染み入るリリックなフレーズが印象的だなあと思います。
彼が音楽を担当している映画をいつか、またご覧になられるような機会がありましたら、そういったことも思い起こしてご覧になっていただきたと思いました。

視聴版・・・・こちらで視聴できます。
  ↓
http://listen.jp/store/album_0724381190753.htm


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