月光院璋子の映画日記

気ままな映画備忘録日記です。

アメリカ史上初の黒人大統領

2008年11月05日 | ★ご挨拶&その他

オバマ候補の勝利宣言のスピーチを聞いて過ごした今日の午後、
その演説の見事さに改めて感心し、世界の政治リーダーたるものを目指す政治家の要件というものに思いを馳せました。

今般の選挙ほど注目されたアメリカ大統領選挙は、近年なかったのではないかと思うほど、オバマの登場は世界の関心を集めました。そのため、政策や政治手腕をテーマにした討論以外に、アメリカの負の歴史である「人種の壁」が取り上げられ、メディアでは「初の黒人大統領の誕生か」といったことも頻繁に取り上げられていたので、その「初の黒人大統領」という歴史的な重みを前に、今後の世界を展望することになった今日、「黒人大統領」というものを映画の視点で取り上げてみたいと思います。

アメリカはご承知のように映画の国。つまりは、映画産業と国家が他では考えられないくらい結びついている国なので、時代が求めるものを映画の中で先取りする側面も大きい。
はたして、「黒人大統領」は、そういう意味で「初」なのか。
オバマ候補の登場に合わせたかのように、先年日本でも大ヒットを飛ばしたジェットコースタードラマ『24』では、
こちらのデイビッド・パーマー 大統領が登場。
アフリカ系アメリカ人として、彼こそが初のアメリカ大統領です。



アメリカ人好みの、高潔で公平な精神を体現し、かつ自身と国家の危機に直面した折には勇気を示し、実に威厳のある堂々たる大統領でした。



演じたのは、デニス・ヘイスバート。

何だか、ホントに大統領の風格十分で、ぼんぼんでどこか自信の無さそうなブッシュ・ジュニアよりずっと大統領らしく思われたほど。
このドラマに多くのアメリカ国民が夢中になった時点で、大統領選出に当ってすでに黒人か白人かという人種の壁はなくなっていたのだろうと思います。
デニス・へイスバートがハーバード大学の法学部を卒業していたならば、恐らく相当リアルな大統領候補イメージが蔓延しただろうとなァと。

その彼を上回る奥深さと老獪さを演じてみせた黒人大統領のイメージで、観客の先入観を打破していたのが、こちら。
モーガン・フリーマン大統領と言ってもいいかも。



『ディープ インパクト』でのトム・ベック大統領よりも、『トータルフィアーズ』という映画での彼の方が、ずっと貫禄がありました。



聞けば、大統領にしたい映画俳優という人気アンケートで、モーガン・フリーマンは、第二位だとか。もし、彼がプリンストン大学で学位を取った後にハーバード大学法学部卒業のネットワークの中にいる姿をイメージすると、それが現実でもさぞかし似合っているだろうなァ・・・、そんなイメージですもんね。

そして、こうした黒人大統領たちが現れるまでには、やはりその先鞭となった大統領が存在しました。

超人気シリーズとなった『スター・ウォーズ』でダース・ベイダーの声優となり、その声ですっかり観客を魅了した彼もまた、『今そこにある危機』や『パトリオット ゲーム』などで政治の舞台に登場すると非情に場を重厚にする存在として活躍。

このジェームズ・アール・ジョーンズこそ、『星の王子NYへ行く』の国王になったものの、以前は『リア王』であり、『ザ・マン/大統領の椅子』ではアメリカの大統領でもあったわけですよね。
大統領から国王への転身という変わったコースではありますが、アメリカの黒人大統領としては、彼こそが「初」かもしれません。

けれど、ジェームズ・アール・ジョーンズが映画の中で黒人大統領になった1970年代という時代のアメリカは、実際にホワイトハウスに黒人を送ることなど夢想だにしなかっただろうと思います。

その夢想が現実に近づくには、
モーガン・フリーマンの登場を待たねばならなかったのであり、そして忘れてならないのは、こちら。



彼のある種の暗さが鷹揚さをなくしてしまっているので、陽気なアメリカ人気質からすると、ちょっと原理主義的な硬派のイメージが強いのが大統領としては難アリ。
それでも、間違いなく黒人大統領候補の一人、そんなイメージは否定できないデンゼル・ワシントンです。

こんなふうにスーツ姿でびしっと決めて笑顔を見せると、彼こそが、アメリカ史上初の黒人大統領かと思えてくるから不思議です。

上質のダークスーツと上質の白シャツ。
締めているネクタイも似ているせいか、



どっちが本物か分からなくなるくらいです。

オバマ選対は、さぞかし、こうしたデンゼル・ワシントンを始めとした人気黒人スター俳優のばっちり決めたときのファッションを研究したことでしょう。何といっても、信頼と人気を呼び込む象徴のような正統派ファッションです。

もっとも、白人の大統領にもお笑い系が存在したように、
こうした黒人大統領も映画ではしっかり登場していました。

クリス・ロックは、ある意味、黒人大統領の登場が現実味を増したときに必要な、ガス抜きの役割を果たしたといえるかもしれませんね。

ということで、

アメリカ史上初の黒人大統領となったオバマは、来春、第44代アメリカ大統領として就任します。



ちょっとだけ、個人的な意見を述べさせていただくなら、アメリカが民主党政権になったときには、ろくなことがない・・・・と日本人の一人としては愛国&憂国の情から、世界とそれ以上に日本の今後が案じられてなりません。

  


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