月光院璋子の映画日記

気ままな映画備忘録日記です。

「姿三四郎」(1965年制作)

2008年06月06日 | ◆サ行&ザ行

1965年 日本映画
監督:内川清一郎

富田常雄の原作「姿三四朗」の映画化は、私の記憶するものだけでも数本あるかなあと思います。

黒澤作品だけでも、
★監督黒澤、藤田進が三四朗を演じた白黒映画と
★同じ黒澤脚本で内川清一郎が監督した加山雄三が三四朗を演じたやつ。http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD21660/comment.html

★三浦友和が三四郎を演じ、仲代達也が矢野正五郎、桧恒源之助を中村敦夫が演じたやつです。つまらなかったということしか覚えていないのですが・・・・

毎回キャスティングに違和感を覚える映画やドラマが、この「姿三四郎」です。原作を読んでいないのに、どうしても違和感を抱いてしまう・・・・昔見た白黒のテレビドラマの三四郎でもそうでしたね。
黒澤映画の「姿三四郎」では、三四郎を演じた藤田進に違和感を覚え、三浦友和が演じた三四郎にも違和感が大きかったですね。キャラクターイメージが全然違うなあと。



今日観た「姿三四郎」では、三四郎を演じた若い頃の加山雄三はなかなか三四郎になりきっていて、一番三四郎のキャラクターに近いかもしれないと感じましたね。特に短気で純朴なところなどぴったりで・・・・、三船の矢野正五郎というのも違和感なく観ていられましたが、他のキャスティングはというと、やはり違和感が・・・
まず、桧垣源之助を演じていた岡田英次。


(桧垣がこんなに洗練されているというのは、ヘンだ)


(桧垣の弟の鉄心との二役・九州の山奥から出てきた熊男のような鉄心を岡田英次が演じるのは、やはり無理があるのでは・・・)


決闘の後、心を入れ替えて三四郎を訪問する桧垣)

そしてこれは見方は分かれるところかもしれませんが、村井半助に扮した加東大介・・・


(三四郎との試合の場面では、村井の焦りを熱演でしたが・・・)

いいといえばいいし、似合わないといえば似合わないキャラ。他の黒澤映画での役のイメージがあまりに村井半助のイメージとは違うせいかもしれません。
そして、三四郎に思いを寄せる古風な娘小夜を演じた九重由美子・・・・


(このシーンは眉毛が目立たなくて良かったのですが・・)

アップで映されたときの顔の表情が、特に見事に太い眉毛が小夜のイメージとはかなり違うなあと。
この映画が制作された1965年当時の九重由美子は、いくつくらいなのでしょう。後のイメージなのかどうか、ポップスを歌う歌手というイメージが大きいせいか、当時としては斬新なキャスティングだったのでしょうけれど、文明開化の頃の古風な女性が横にまっすぐ一文字の太い眉毛というのがどうにも似合わないなあと思われてなりませんでした。まあ、そういうのが気にならない方にとっては、清新な小夜に感じられたかもしれませんね。

ということで、ストーリーに関しては多くの方がご存知でしょうかた省略。映画を観て興味深かったのは、


(試合の後に見舞いに出かけた村井宅で、「何もないが・・」と三四郎に食事を出す小夜や村井の姿、その慎ましい夕餉のシーンに感動)


(漱石の坊ちゃんを思い出しちゃいました・・・)



こういう一連の映像ではとても楽しめました。
映像的にいいなあ・・・と。

このラストの見せ場、桧垣鉄心との決闘、当時としては迫力のある映像だったのでしょうか。
個人的には、この決闘の前に桧垣が弟たちよりも三四郎の身を案じて尋ねるシーン、その桧垣を三四郎が人力車で送る帰りのシーン、



ここが好きでしたね。

 


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