ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1986年5月10日付 ロバート・パーマー Robert Palmer - Addicted To Love

2022-05-08 20:44:17 | 1986年ビルボードTop40
1986年5月10日付ビルボード All American Top40、2位から上がって1位はPet Shop Boysの"West End Girls"。Pet Shop Boysですが、イギリス出身のポップ・デュオ。この曲が初めてのヒットで、ついにNo.1獲得です。

2位は1週のみの1位からダウン、Robert Palmerの"Addicted To Love"。Robert Palmerですが、初めてのTop40ヒット"Every Kinda People"からこの曲で3曲目のTop40ヒット、さらにThe Power Stationの3曲を入れると通算6曲目のTop40ヒット、その中で最もヒットしたのがThe Power Stationの"Some Like It Hot"の第6位、この曲で初めてのNo.1ヒットになりました。
3位は7位からジャンプアップ、Whitney Houstonの"Greatest Love Of All"。Whitney Houstonですが、初のTop40ヒット"You Give Good Love"が3位、続いて"Saving All My Love for You"と"How Will I Know"が連続No.1を記録、この曲で4曲目のTop3ヒットとなりました。
4位は前週と変わらずVan Halenの"Why Can't This Be Love"。アメリカのハードロックバンドVan Halen、初のTop40ヒット"You Really Got Me"以来、この曲で7曲目のTop40ヒットで、No.1の"Jump"以来2曲目のTop5ヒットになりました。
5位は6位からアップ、Janet Jacksonの"What Have You Done For Me Lately"。Janet Jacksonですが、もちろんあのジャクソン一家の一員、一家の末子です。ジャクソン兄弟から離れ、3枚目のアルバムが初の大ヒット、シングルもこの曲が初のTop40ヒットで5位まで上がってきました。

この週1位からダウンしての2位はRobert Palmerの”Addicted To Love”。1位はこの1週のみ、年間チャートは10位、1位に1週ながら、Hot100に22週間滞在するロングヒットで、年間チャートも上位に入りました。

Robert Palmerですが、イギリス出身のロック歌手。イギリスのロック・R&B系バンドの一員として活動を開始し、ヒットには恵まれませんでしたが、そのソウルフルな歌声が認められたのでしょう、70年代の半ばにソロ歌手としてデビューします

初めてのヒットは、78年にリリースしたソロで4枚目となるアルバム『Double Fun』。そのアルバムからのシングル"Every Kinda People"が最高位16位を記録するヒットとなります。この曲"Every Kinda People"は、元フリーのAndy Fraserの作によるものでしたが、レゲエタッチの曲でもあり、R&B、更にはロックと、様々なジャンルの音楽が混ざり、またそこにロバート・パーマーの特異なボーカルにより、中ヒットながら大変目立つ曲でした。他の音楽家からの評価も高かったようです。
さらに、次のアルバムからのシングル"Bad Case of Loving You (Doctor, Doctor)"も最高位14位を記録するヒット。この曲はまたロック色が強く、それにR&Bを加えた曲でありました。

その後5年ほど、アルバムとシングルの発表を続けますが、大ヒットまでにはなかなか至りませんでした。
そして、1985年になって、Duran DuranのAndy Taylor、John Taylor、元シックのTony Thompsonとともにバンドを結成、それがThe Power Stationで、さらに元シックのBernard Edwardsのプロデュースにより、大ヒットします。こちらをご覧ください→→→

いわゆる「スーパー・グループ」のThe Power Stationのプロジェクトは、1枚のアルバムのみの活動で終わり、ソロアルバムの制作に戻り、発表したのが8枚目のソロアルバムとなる『Riptide』です。このアルバムのプロデュースはThe Power Stationと同じくBernard Edwards。バックにはAndy TaylorとTony Thompsonが参加するなど、The Power Stationで得たつながりを最大限生かしたアルバムとなっていました。

”Addicted To Love”ですが、その『Riptide』からの2枚目のシングル、曲の作者はRobert Palmer自身。プロデューサーはもちろんBernard Edwardsで、ギターはAndyTaylor、ドラムスはTony Thompsonと、John Taylorがいないだけで、ほぼThe PowerStationじゃん、とも言えました。1枚目のシングルは全くヒットしなかったので、単なるThe Power Station人気にあやかってセカンドシングルのこの曲が1位になった、という訳ではないのでしょう。さすがRobert Palmer、ソウルフルなボーカルが、ロック+R&Bのこの曲にぴったり。Andy Taylorのギターソロがやたらとカッコいいです。
この曲、PVが凄かったです。無表情の女性バックバンド、インパクトありました!


今週 先週 song / artist
1 2 WEST END GIRLS / PET SHOP BOYS
2 1 ADDICTED TO LOVE / ROBERT PALMER
3 7 GREATEST LOVE OF ALL / WHITNEY HOUSTON
4 4 WHY CAN'T THIS BE LOVE / VAN HALEN
5 6 WHAT HAVE YOU DONE FOR ME LATELY / JANET JACKSON
6 8 YOUR LOVE / OUTFIELD
7 9 TAKE ME HOME / PHIL COLLINS
8 11 BAD BOY / MIAMI SOUND MACHINE
9 5 HARLEM SHUFFLE / ROLLING STONES
10 12 IF YOU LEAVE / ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK
11 14 LIVE TO TELL / MADONNA
12 3 KISS / PRINCE & THE REVOLUTION
13 16 ON MY OWN / PATTI LABELLE & MICHAEL MCDONALD
14 17 I CAN'T WAIT / NU SHOOZ
15 18 SOMETHING ABOUT YOU / LEVEL 42
16 13 AMERICAN STORM / BOB SEGER & THE SILVER BULLET BAND
17 21 ALL I NEED IS A MIRACLE / MIKE + THE MECHANICS
18 10 MANIC MONDAY / BANGLES
19 23 IS IT LOVE / MR. MISTER
20 25 BE GOOD TO YOURSELF / JOURNEY
21 27 MOVE AWAY / CULTURE CLUB
22 29 NEVER AS GOOD AS THE FIRST TIME / SADE
23 28 ROUGH BOY / ZZ TOP
24 15 ROCK ME AMADEUS / FALCO
25 32 CRUSH ON YOU / JETS
26 20 WHAT YOU NEED / INXS
27 19 LET'S GO ALL THE WAY / SLY FOX
28 37 THERE'LL BE SAD SONGS / BILLY OCEAN
29 22 I THINK IT'S LOVE / JERMAINE JACKSON
30 34 TOMORROW DOESN'T MATTER TONIGHT / STARSHIP
31 36 NO ONE IS TO BLAME / HOWARD JONES
32 33 STICK AROUND / JULIAN LENNON
33 40 NOTHIN' AT ALL / HEART
34 35 FEEL IT AGAIN / HONEYMOON SUITE
35 38 MOTHERS TALK / TEARS FOR FEARS
36 39 ALL THE THINGS SHE SAID / SIMPLE MINDS
37 44 A DIFFERENT CORNER / GEORGE MICHAEL
38 24 TENDER LOVE / FORCE M.D.'S
39 26 I DO WHAT I DO (THEME FOR 9 1/2 WEEKS) / JOHN TAYLOR
40 50 HOLDING BACK THE YEARS / SIMPLY RED

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36 コメント

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カッコいい… (240)
2022-05-08 21:17:09
こんばんは。
これもまた久しぶりに聴きました。こんなカッコいい曲だったんですね。そっか、やっぱりパワーステーションのメンツが演奏にも関わっていたんですね。めちゃめちゃファンクしていて、今、聴いても新鮮。
それにしてもアンディ・タイラーはハードロック志向だったんですね。
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Unknown (太ったボンジョビ ( ´ー`))
2022-05-08 21:50:30
「ヴっ!」
「フン!」
(`◯´) フン!
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なんで1stシングルでなかったのか (音時)
2022-05-08 22:03:14
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/9394134.html
この曲も1986年を代表する1曲ですね。取り上げるのも順当でしょう!でも星船さんも書いているようになぜ1stシングルでなかったか??は謎ですね。
1stシングルが"Discipline of Love"というのは解せない…。また2ndシングルがタイトル曲の“Riptide”という説もあり、その関係では“Addicted To Love”は3rdシングル…!
 なんでかなあと思って“Riptide”のPVを確認してみると…無表情女性が一列には並んでいませんが、街を歩くロバート・パーマーの姿と、無表情女性のカットが交互に出てくるなど、“Addicted…”のPVのヒントになったのでは?等思えるようなビデオだなあと思いました。お時間あるようでしたらぜひ検索してご確認ください。
 “Addicted to...”でaddicted=〔麻薬などを〕常習して,〔…の〕中毒になって,〔…に〕病みつきになってという意味です。「恋におぼれて」とは見事な邦題だなと思いました。
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Unknown (太ったボンジョビ ( -ω-))
2022-05-08 22:31:36
そーか、これはセカンドシングル?そーいえば愛の猛特訓が最初でしたね!
てっきりファルコ、プリ夫、パーマー、ペッツとファーストシングルが並んでイイ感じだったです、と言いたいトコでしたが違ってましたかぁ。
でもホワイトスネークのサーペンス、バンヘーレンのOU812、それにヒステリアもファーストシングルはショボショボでしたよね?切り方ヘタクソなんですかね?
まあとにかく私もロバートパーマーがミスター1986でありましたな。
83マイケル、84プリ夫、85ブライアン、みたいな…
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久しぶり (hannah)
2022-05-08 22:47:42
星船さん、こんばんは。
78年の♪Every Kainda People♪を聴いた時は、ソウルフルな歌声ながらメロウ(当時はまだAORという呼び方はなかったですね)な曲だなと思っていましたが、次の♪Bad Case Of Loving You♪は一転してロック系に。
しばらくヒットがありませんでしたが、The Power Stationで久しぶりにヒットし、予想通りというかソロアルバムもThe Power Stationの延長のような感じでした。
♪Every Kainda People♪は好きな曲でしたけど。
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Unknown (ダークディスコ)
2022-05-08 22:50:49
ギターはエディ・マルティネスでは?
当時「ポッパーズMTV」のMCをやっていたピーター・バラカンさんがロバート・パーマー推しだったのでそんな話の記憶があります
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Unknown (blackmore1207)
2022-05-09 09:51:00
こんばんは。
邦題は「恋におぼれて」。The Power Stationでヒットさせた後、同じ年の11月にリリースした彼の8枚目のアルバム「Riptide」からの2ndシングルでしたね。
プロデュースはBernard Edwardsと、ほぼパワステメンバーがガッツリ協力していて、当然その流れを汲んだロックをやってくれております
この曲、当初はChaka Khanとデュエット予定だったとか? 彼女が歌うとどとんな風になるか、これはこれで聴いてみたかったです。
ビデオはとってもシンプルですがモデルのお姉様方がなんとなくロキシーミュージックのジャケぽいですね。因みにTina Turnerがライブでカバーしているようです。
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Unknown (ハリジョージスン)
2022-05-09 16:17:13
こんにちは。ロバート・パーマー!大好きなミュージシャンです。彼の基本はソウルミュージックですが、時代の流れに合わせ音楽スタイルを変えて演じることができる素晴らしいボーカリストであります。掲題の曲のことではなくて申し訳ないですが、記事にあるアンディ・フレイザー作「Every Kinda People」。フレイザーとパーマーは旧知の仲でレーベルも一緒であったので提供されたようです。人種を越えて偏見をなくそう、と歌われた名曲なのです。そして作者のフレイザーは長年のゲイでしたが1980年代にカミングアウトするまでは公に告白することが出来ず、悩み苦しんでいたそうです。そんな苦悩な思いがこの曲に反映されていると言われています。
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元シックメンバーのバックアップ (星船)
2022-05-09 20:00:26
240さんこんばんは。
ホントこの曲、かっこよかったです。
アンディ・テイラーがかかわっていたかはちょっと怪しくはなりましたが、少なくとも、ドラムスはTony Thompson、プロデューサーは Bernard Edwardsと、バックにはシックのメンバーの影響は大きいでしょう。ファンクだけどモダンなシックの本領発揮です。ギターソロも、もろパワーステーションのかっこよさでした。
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この曲のPVは (星船)
2022-05-09 20:01:35
音時さんこんばんは。
私はアルバムをしっかり聞いたわけではないので、よく分からないところもありますが、少なくともファーストシングルの"Discipline of Love"よりも、この曲の方が圧倒的にカッコいい曲でありました。ヒット性もあることはすぐにわかりました。
それにしてもこの曲のPVはインパクトありました。無表情な女性の演奏は不気味でもあり、おかしくもあり、「常習して、中毒、病みつき」がピッタリではありました。
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