ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する私と、皆さまにお届けするブログです

リタ・フォード Lita Ford - Kiss Me Deadly(1988年の洋楽 Part26)

2024-07-04 20:00:00 | '88年洋楽
1988年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart26は、Lita Fordの"Kiss Me Deadly"。最高位は6月18日と25日付の第12位。年間チャートは残念ながら圏外でした。

Lita Fordの初のシングルヒット、驚きました。70年代からロックを聴いている人でないと知らないかもしれませんが、かつて日本では大人気、女性ロックグループの草分け的存在の「ザ・ランナウェイズ」のリードギタリストが彼女リタ・フォードです。

まずはその「ザ・ランナウェイズ」、デビューは1975年、ドラムスのサンディ・ウェスト、ギターのジョーン・ジェットが中心となり結成、そこに、ギタリストのリタ・フォードが加入、ボーカルのシェリー・カーリー、ベースのジャッキー・フォックスが加わり、1976年にファーストアルバム『The Runaways』をリリースします。日本では『悩殺爆弾〜禁断のロックン・ロール・クイーン』ですから、またびっくりの邦題ですね。

このファーストアルバムからのシングル"Cherry Bomb" は、アメリカでは100位内にも入らなかったのですが、日本では大ヒット、下着姿で歌うシェリー・カーリーに、ツインリードギター、当時のロック雑誌は、彼女たちの記事が満載、一大ブームとなります。

その大人気ですが、冷めやすいのも日本の特徴でしょうか、すぐに人気は下火となり、その後ヒットが続くことはなく、79年にバンドは解散します。

解散後、メンバーはソロ活動に入り、まずは大人気になったのがJoan Jett、1982年には、"I Love Rock 'n' Roll"が7週間の1位、年間チャートは第3位と、年度を代表する特大のヒットとなります。こちらの記事をご覧ください→→→

それからさらに6年経ち、Lita Fordがヒットチャートに戻ってきました。それがこの曲、"Kiss Me Deadly"。最高位12位を記録する、ソロでは初めてのヒットシングルとなりました。

The Runawaysの時には、母国アメリカでは全く人気がなかった訳ですが、実は実力も伴った女性ロックグループ、日本での人気は、その実力を先取りしたものだったのでしょう。そういえば、この週のチャート、Top3に入ったCheap Trickも、まずは日本で火が付き世界的な人気バンドになりました。

"Kiss Me Deadly"ですが、曲の作者はソングライターのMick Smiley。プロデュースはというと、Mike Chapman。Lita Fordの突然の人気は、Mike Chapmanの力もあったのかもしれませんね。

ポップでハードでカッコいい、終盤のLita Fordのギターソロにはしびれました。

こちらが1976年のThe Runaways"Cherry Bomb"。アメリカでは100位圏外ですが、日本ではオリコン通常チャートで最高位10位、洋楽チャートでは1位の大ヒットでした。画面一番右側のギターがLita Fordですね。1958年生まれですので、この時まだ18歳です。
コメント (26)
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