ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する私と、皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1986年7月26日付 ピーター・ガブリエル Peter Gabriel - Sledgehammer

2022-07-24 21:40:20 | 1986年ビルボードTop40
1986年7月26日付ビルボード All American Top40、またまたこの週も1位の交代がありました、2位から上がって1位はPeter Gabrielの"Sledgehammer"。Peter Gabrielですが、Genesisの初代ボーカリスト。Genesisには結成から1975年まで在籍していました。そのGenesisを蹴落として1位に上がってきました。Genesis時代にはシングルのTop40ヒットはありませんでしたが、ソロになってからは、82年に"Shock the Monkey"が最高位29位、この曲が2曲目のTop40ヒットで、もちろん初めてのNo.1ヒットです。

2位は4位からアップ、Kenny Logginsの"Danger Zone"。大ヒット映画『Top Gun』からのヒットです。Kenny Logginsですが、1984年のNo.1ヒットで、これも映画音楽の"Footloose"を含め、この曲で12曲目のTop40ヒットで、3曲目のTop5ヒット、2曲目のTop3ヒットです。
3位は1週のみの1位からダウン、Genesisの"Invisible Touch"。Genesisですが、グループとしては最高位23位の初のTop40ヒット"Follow You Follow Me"から、この曲で8曲目のTop40ヒットで、初のTop5ヒット、もちろん初のNo.1です。もちろん、メンバーのソロでは、Phil CollinsにMike + the Mechanics、Peter Gabriel と、特にこの80年代半ばから、大ヒットを連発しています。
4位は1週のみの3位からダウン、Janet Jacksonの"Nasty"。Janet Jacksonですが、もちろんJacksonファミリーの末っ子。最高位4位を記録した"What Have You Done for Me Lately"に続き、2曲目のTop40ヒットで、2曲目のTop5ヒット、初めて3位まで上がりました。
5位は7位からアップ、Peter Ceteraの"Glory of Love"。映画『The Karate Kid Part II』のテーマです。Peter Ceteraですが、もちろんChicagoのオリジナルメンバーで、メインボーカリスト。この前年の85年にバンドを抜けてソロ活動を開始、この曲がソロ初めてのヒットでもちろん初めてのTop5ヒットです。Chicagoでは、この時点で、2曲のNo.1ヒットを含め9曲のTop5ヒットを持っています。

この週1位はPeter Gabrielの"Sledgehammer"。1位はこの1週のみ。年間チャートは23位。Peter Gabrielの2曲目のTop40ヒットで、大ヒットになりました。

Peter Gabrielですが、Genesisの初代ボーカリスト。Genesisには結成から1975年まで在籍していました。この80年代半ば、アメリカのヒットチャートでは、Phil Collinsを筆頭に、Genesis、Genesisのメンバー・元メンバーによる、Genesis旋風という状況でした。私のブログでは、予定どおり、Genesis→GTR→Peter Gabrielと、Genesis・元Genesisの3連発となったところです。

Peter Gabrielですが、ソロとしては、77年に『Peter Gabriel 1』をリリース、そこから、82年までに4枚のソロアルバムを出しています。シングルとしては、4枚目のアルバム『Peter Gabriel 4』からのシングル"Shock the Monkey"が最高位29位を記録しています。"Shock the Monkey"について、そしてPeter Gabrielについては、こちらをご覧ください→→→

4年のブランクの後、ライブアルバムを挟んで、86年に5枚目のアルバム『So』をリリースします。それまでの4枚のアルバム名は、『Peter Gabriel+ナンバー』でしたが、この5枚目で初めてアルバム名が付きました、が、この「So」は、数字をやめて、ド、レ、ミ、ファ、ソの「ソ」にしただけ、らしいです。アルバムもヒットし、アルバムチャートで2位を記録しました。1位を阻んだのは『Top Gun』サントラでした。

"Sledgehammer"ですが、曲の作者はPeter Gabriel自身、プロデュースはPeter GabrielとDaniel Lanois。Daniel Lanoisは、AcadieやU2、Bob Dylanなどを手掛けることになる、有能プロデューサーです。
この"Sledgehammer"は、ロックに、ソウル、ダンスミュージックが融合した、名曲じゃあないでしょうか。もちろん、Genesisの勢いに乗っただけのヒット曲ではないです。尺八やフルートの音も聞こえる、と思ったら、シンセサイザーの「Emulator」を使って音を出しているようです。


今週 先週 song / artist
1 2 SLEDGEHAMMER / PETER GABRIEL
2 4 DANGER ZONE / KENNY LOGGINS
3 1 INVISIBLE TOUCH / GENESIS
4 3 NASTY / JANET JACKSON
5 7 GLORY OF LOVE(THEME FROM "THE KARATE KID PART Ⅱ) / PETER CETERA
6 12 PAPA DON'T PREACH / MADONNA
7 10 LOVE TOUCH(THEME FROM "LEGAL EAGLES") / ROD STEWART
8 11 MAD ABOUT YOU / BELINDA CARLISLE
9 5 HOLDING BACK THE YEARS / SIMPLY RED
10 15 MODERN WOMAN(FROM "RUTHLESS PEOPLE") / BILLY JOEL
11 13 OPPORTUNITIES(LET'S MAKE LOTS OF MONEY) / PET SHOP BOYS
12 17 WE DON'T HAVE TO / JERMAINE STEWART
13 9 YOUR WILDEST DREAMS / MOODY BLUES
14 6 WHO'S JOHNNY("SHORT CIRCUIT" THEME) / EL DEBARGE
15 18 DIGGING YOUR SCENE / THE BLOW MONKEYS
16 8 THERE'LL BE SAD SONGS(TO MAKE YOU CRY) / BILLY OCEAN
17 14 WHEN THE HEART RULES THE MIND / GTR
18 27 HIGHER LOVE / STEVE WINWOOD
19 21 SECRET SEPARATION / FIXX
20 28 RUMORS / TIMEX SOCIAL CLUB
21 25 YOU SHOULD BE MINE / JEFFREY OSBORNE
22 31 THE EDGE OF HEAVEN / WHAM!
23 34 VENUS / BANANARAMA
24 32 SWEET FREEDOM / MICHAEL MCDONALD
25 19 NO ONE IS TO BLAME / HOWARD JONES
26 29 TAKE IT EASY / ANDY TAYLOR
27 30 SUZANNE / JOURNEY
28 16 LIKE A ROCK / BOB SEGER & THE SILVER BULLET BAND
29 20 TUFF ENUFF / THE FABULOUS THUNDERBIRDS
30 35 ALL THE LOVE IN THE WORLD / OUTFIELD
31 36 ONE STEP CLOSER TO YOU / GAVIN CHISTOPHER
32 38 TAKE MY BREATH AWAY / BERLIN
33 40 DANCING ON THE CEILING / LIONEL RICHIE
34 39 BABY LOVE / REGINA
35 33 HYPERACTIVE / ROBERT PALMER
36 24 CRUSH ON YOU / JETS
37 42 WORDS GET IN THE WAY / MIAMI SOUND MACHINE
38 22 DREAMS / VAN HALEN
39 23 ON MY OWN / PATTI LABELLE & MICHAEL MCDONALD
40 47 YANKEE ROSE / DAVID LEE ROTH

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26 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ピーター・ゲイブリエル(小林克也さん風発音) (音時)
2022-07-24 21:50:34
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/25577329.html
なかなか楽しい曲でしたね(クレイアニメのビデオも)。"スレッジハンマー"とは、大型ハンマーのこと。長い柄に、大きく平らな重い主に金属塊(ハンマーヘッド)が取り付けられた道具で基本的に両手を使って使うものを指すらしい。"Sledge"は"ソリ"のこと。面白いですね。それで、この曲のなかで"Sledgehammer"は…エッチな意味なんでしょうな(^▽^;)。
 ブラス・セクションの使い方や、バックの女性コーラスなど、処々の場面でそのことは感じますね。"新しくて古い"感じのサウンドがするのはそういうことなんですね。
 アルバム“So”はケイト・ブッシュさんとのデュエット“Don't Give Up”もよかったですね。
So (hannah)
2022-07-24 22:25:14
星船さん、こんばんは。
Genesis→S.Hackettときて、P.Gabrielですね。小林克也さん風の「ゲイブリエル」いいですね。
アルバムタイトルの♪So♪にどんな意味があるのか、と思っていましたが、やっと解決しました。
楽曲的には♪Invisible Touch♪に比べていろんな要素が盛り込まれていますね。
まさか尺八?と思っていたのはEmulatorでしたか。
Unknown (blackmore1207)
2022-07-25 12:29:15
こんばんは。
「SO」はアルバムとしては『ピーター・ガブリエル IV』以来4年ぶりの作品で、全世界で大ヒットを記録し、ピーター・ガブリエルの名を世に知らしめた代表作ですね。
レコーディングにはキングクリムゾンのトニーレヴィンなど何と総勢30名近くが参加してます。
(何故がナイルロジャースも)
とにかく完璧を求める人ですね。
94年に来日公演行きましたがほぼアルバム通りに再現していたのが印象的でした。
Unknown (太ったボンジョビ (´- ω-`))
2022-07-25 15:39:58
これ、単なるキチ●イソングですよね?最初の叫び声なんて自身を何者だと思って「あ~いやい」とやっているんでしょーか?
ビデオは覚えていませんので、そのまま見ずにおこうと思います。ご本人もビデオがあったからヒットしたと認めておられるんでしたかね?つまりはそういう曲であったと。
ただし⭐⛴️さん誘導のショックモンキー🐵はなんかクセになるんであります。久々に聴いたら今さらながら録音しようかなと。顔がスゴく男前ですしね?
ましてオジーオズボーンがフィーチャされたメタルもなかなかカッコいいですが全く知らなかったなー。
では夜にまた…
新しくて古い (星船)
2022-07-25 20:37:43
音時さんこんばんは。
ピーター・「ゲイブリエル」ですね。表題だけでも直しておこうかな^^;
「スレッジ・ハンマー」って意味は、そうか、そういうことでしたか。なるほど、それを知ってからもう一度聞くと、ちょっと感じが違うかも。
「新しくて古い」感じのサウンド、って、本文には「ロックに、ソウル、ダンスミュージックが融合した、と書きましたが、なるほどそうですよね。この曲には新しさを感じます。
不思議な魅力 (星船)
2022-07-25 20:38:47
Hannahさんこんばんは。
じつは、この、ピーター・ゲイブリエルさん、このアルバムの前は、あんまり知らないんですよね。けっこう奇抜なことをやるようで、アルバムの名前の付け方もそうでした。かなり変わった人だそうです。
この曲は、ポップ系でもありますが、ダンスミュージックや、ファンクの色も残してくれて、クロスオーバーは、古いような、新しいような、不思議な魅力を持った音楽でした。
Nile Rodgersの名前も (星船)
2022-07-25 20:39:57
blackmore1207さんこんばんは。
そうですよね、ピーター・ガブリエルのソロの4作目までは、あんまりヒットしていなかったですから、コアなロックファン以外には知られていなかったかもしれません。私にとっては、70年代に、分かりにくい方のプログレの代表みたいに思っていました。ジェネシスの『怪奇骨董音楽箱』は、私の周りのプログレファンにも受けは良くなかったのではないでしょうか。難しい音楽でした。
アルバムへの参加者、ホント多いですね。 Nile Rodgersの名前も見つけました。1曲だけドラムスを担当している様ですね。
Coal Chamberの (星船)
2022-07-25 20:59:40
太ったボンジョビさんこんばんは。
Coal Chamberの"Shock The Monkey"は。全然違う曲でしょうけど、それはそれで、なかなかのカッコイイ曲でした。
多様性 (hannah)
2022-07-25 21:37:34
星船さん、こんばんは。
♪Sledge Hammer♪だけでもポップ、ジャズ、ファンク系と様々なテイストの楽曲ですが、アルバム全体ではもっと幅広いジャンルの曲がありました。
多様性のあるアーティストですね。
遅かれ早かれGenesisを脱退してたでしょうね。
Unknown (かんた)
2022-07-25 21:39:32
ゲイブリエル(ガブリエル)とは、もともとはヘブライ語で「神の人」という意味になるそうで、聖書においては「神の言葉を伝える天使」とされています。

簡単な概要をWikipediaよりコピペさせていただくと以下の通り。

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旧約聖書『ダニエル書』にその名があらわれる天使。ユダヤ教からキリスト教、イスラム教へと引き継がれ、キリスト教ではミカエル、ラファエルと共に三大天使の一人であると考えられている(ユダヤ教ではウリエルを入れて四大天使)。西方キリスト教美術の主題の一つ「受胎告知」などの西洋美術において、彼は優美な青年で描かれる。時には威厳のある表情で描かれることもある
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ちなみに、3大天使のうちの1人、ミカエルは英語表記ではMichaelとなり、ご存じマイケル・ジャクソンのマイケルは、ミカエルの英語読みになります。
さらに言えば、このミカエル(Michael)は、フランス語だと、ビートルズのタイトルでおなじみのミッシェルになるそうです。

肝心のピーター・ガブリエルのピーターの由来は、例のニュー・ハーフタレント…、じゃなかった、新約聖書に登場するイエス・キリストの使途の1人であるペトロから来ているそうで、初代ローマ教皇とされています。


っていうか、すいません、こういった歴史の話も結構好きなので、つい調子に乗って投稿してしまいました。

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