ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

トライアンフ Triumph - Somebody's Out There(1986年の洋楽 Part45)

2022-11-17 20:44:25 | '86年洋楽
1986年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart45は、Triumphの”Somebody's Out There”。最高位は11月8日付の1週のみの27位。年間チャートは残念ながら圏外でした。

Triumphですが、1975年に結成されたカナダの3人組ロックグループ。カナダ出身のロックバンドといえば、ラッシュにラヴァーボーイ、個人ではブライアン・アダムズがいます。いずれも、ハードな中にも、メロディアスで、爽やかなところもある音楽は、やっぱりその国の傾向、好みがあるのでしょうね。

そのTriumphですが、デビューアルバムのリリースは1976年の『Triumph』、このアルバムはヒットしませんでしたが、セカンドアルバムの『Rock & Roll Machine』が、まずは母国カナダでヒットアルバムとなります。

アメリカでは、3枚目のアルバム『Just a Game』が、初めてアルバムチャートで最高位48位を記録するヒットとなり、シングルも、"Hold On"が、1979年に、ギリギリでしたが最高位38位のTop40ヒットとなります。この曲はカッコいい曲でした、私のお気に入りの曲です。こちらをご覧ください→→→

このアルバムの後も、ほぼ毎年アルバムのリリースを続け、シングルヒットこそ出ませんでしたが、アルバムチャートでは、コンスタントに50位以内に入るヒットとなります。
そして、1986年にリリースした通算8枚目のアルバムが『The Sport of Kings』。そこからのファーストシングルカット曲がこの曲”Somebody's Out There”です。シングルでは実に7年ぶりのTop40ヒットとなりました。

”Somebody's Out There”の作者は、メンバーの3人Rik Emmett、Mike Levine、Gil Mooreの共作。プロデュースはMike ClinkとThom Trumboが務めています。
プロデュースを務めたMike Clinkですが、この後ですが、ハードロック・ヘビメタ系のグループのプロデューサーとして有名になります。Guns N' RosesやWhitesnake、Sammy Hagarなどの、数々のアルバムを手掛けることになります。

”Somebody's Out There”ですが、バンドではギターのRik Emmettか、ドラムスのGil Mooreのどちらかリードボーカルを取っていますが、この曲はRik Emmettの方。ハイトーンボーカルで、ハードな中にも爽やかな曲です。小ヒットではありましたが、ボストンに続き、久々にTop40に登場したロックグループのメロディアスハードロック、カッコイイ曲でしたね。


トライアンフですが、やっぱり彼らはライブバンドでしょう。ライブステージは迫力あります。ボーカル&ギターのRik Emmetがとってもカッコいいですね。こちらはライブの動画です。
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アニタ・ベイカー Anita Baker - Sweet Love(1986年の洋楽 Part44)

2022-11-10 21:29:14 | '86年洋楽
1986年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart44は、Anita Bakerの”Sweet Love”。最高位は11月1日付の第8位。年間チャートは90位。年度の途中ということで、年間チャートは90位と下位でしたが、Hot100には22週間のロングヒット、初の大ヒットでした。

Anita Bakerですが、80年代初めころ、ソウルグループ「Chapter 8」のリードボーカルとして音楽活動を開始しますが、このChapter 8では、ヒット曲が出ず、ソロ歌手として独立します。

ソロとしてのファーストアルバムは、1983年の『The Songstress』、レギュラーチャートでは大ヒットにまでは至りませんでしたが、R&B界ではヒットアルバムとなり、シングルも何曲か、R&Bチャートに送り込みます。

そして、1986年にリリースしたのがセカンドソロアルバム『Rapture』、このアルバムで彼女の人気に火が付き、レギュラーチャートでも大ヒットを記録しました。

アルバム『Rapture』のプロデューサーは、「Chapter 8」にAnita Bakerとともに所属していたMichael J. Powellと、Marti Sharron、Gary Skardinaの3人によるもの。ソウルにプラスして、ジャズのセンスが入ったアルバムで、極上のAORアルバムといっていいでしょう。

アルバムは、R&BチャートでNo.1を記録、レギュラーチャートでも、最高位こそ11位でしたが、1986年から、なんと3年間、アルバム年間チャートに入る超ロングヒットアルバムとなりました。アルバム年間チャートでは86年59位→87年9位→88年51位、いやはや、あんまり知られてないですが、記録的なすごいアルバムでした。

そのアルバムから、ファーストシングルの"Watch Your Step"は、R&Bチャートのみでのヒットでしたが、セカンドシングルのこの曲”Sweet Love”が、レギュラーチャートでの大ヒットシングルとなりました。

この曲の作者は、Anita Baker本人と、Louis A. Johnson、Gary Biasの3人の共作。このLouis A. Johnsonですが、なんと懐かしい、ファンクグループ「The Brothers Johnson」の中心メンバーの Johnson兄弟の弟の方です。

”Sweet Love”ですが、ソウルバラードであり、ジャズの雰囲気も持った曲、R&Bチャートで2位、Adult Contemporaryで3位を記録している、ソウル系のAORバラードソングです。
その曲を歌っているのがAnita Baker、良い声しています。この曲では、抑え気味に歌っているのですが、そこもまたボーカルの素晴らしさを引き立たせています。
アルバムを「極上のAORアルバム」と書きましたが、この曲はそのアルバムを象徴する極上のAORソングでした。


この”Sweet Love”を作曲したLouis A. Johnsonの「The Brothers Johnson」が、1977年に出したヒット曲"Strawberry Letter 23"。最高位は5位でしたが、この曲はファンク・ソウルのヒット曲の中で私の最も好きな曲でした。
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ジャーニー Journey - Girl Can't Help It(1986年の洋楽 Part43)

2022-11-03 21:57:30 | '86年洋楽
1986年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart43は、Journeyの"Girl Can't Help It"。最高位は11月1日付の1週のみの第17位。年間チャートは圏外でした。
ここのところ、私のブログへの登場は、女性ボーカルや、ロックでもバラード系が多かったので、良い曲は沢山ありましたが、いささか物足りないところもありました。そこで、今回は、気持ちの良いロック、ニール・ショーンのギターソロもカッコイイこの曲"Girl Can't Help It"です。

Journeyですが、ロックファンの方ならもちろんご存知、アメリカンロックバンドの中では、最も人気のあるバンドです。
結成は1970年代初めころ、レコードデビューは1975年、初めはアメリカン・プログレ・ハードロックハンドとして結構マニアックなインストゥルメンタルのプログレッシブロックを演奏していました。その後のジャーニーのヒット曲を聞いてから、ファーストアルバムを聞くと驚いてしまうアルバムでした。

1977年、ボーカルのスティーヴ・ペリーがバンドに参加、これを機に、ジャーニーの音楽性は劇的に変わります。1978年の4枚目のアルバム『Infinity』は、アルバムチャートで最高21位を記録するヒットとなり、シングルも、Top40は逃しますが、Hot100に入るヒットとなります。
続く5枚目のアルバム『Evolution』、このアルバムから、初のTop40ヒット"Lovin', Touchin', Squeezin'"がでます。

ジャーニーが、さらにビックグループになったのが、1981年にリリースした彼ら7枚目のアルバム『Escape』。ロックバンド「ベイビーズ」から、キーボードのジョナサン・ケインの参加がきっかけでした。
アルバムはNo.1を記録、シングルも、"Who's Crying Now"と"Open Arms"の2曲のTop5ヒットを記録する、大ヒットとなりました。こちらをご覧ください→→→

その後も、8枚目のアルバム『Frontiers』もアルバムチャート2位を記録する大ヒットを経て、1986年にリリースしたのが9枚目のアルバム『Raised on Radio』です。このアルバムからは、ファーストシングルカット曲"Be Good to Yourself"が最高位10位を記録し、今回紹介する"Girl Can't Help It"を含め、4曲がTop10に入り、アルバムも、最高位4位を記録する、これもまた大ヒットアルバムとなりました。こちらをご覧ください→→→

さて、その"Girl Can't Help It"ですが、曲の作者はメンバーのJonathan Cain、Steve Perry、Neal Schonの3人の共作。プロデュースはSteve Perryが務めています。
この曲、スティーブ・ペリーのボーカルばかりが目立つわけではなく、イントロから、ジョナサン・ケインのキーボード、ニール・ショーンのギターがすごくカッコイイ曲です。ニール・ショーンのギターソロもまた良いですねー!

このアルバム『Raised on Radio』、ホント良い曲が沢山入った名盤でした。だた、このアルバム作成途中に、ドラムスのスティーヴ・スミスもバンドを脱退、メンバーはスティーブ・ペリー、ジョナサン・ケイン、ニール・ショーンの3人だけとなってしまいました。このアルバムリリース後、残念ながらジャーニーは活動を停止、次のアルバム発表は10年後の1996年になります。
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リサ・リサ&カルト・ジャム Lisa Lisa & Cult Jam with Full Force - All Cried Out(1986年の洋楽 Part42)

2022-10-28 07:35:44 | '86年洋楽
1986年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart42は、Lisa Lisa & Cult Jam with Full Forceの"All Cried Out"。最高位は10月25日付の1週のみの第8位。年間チャートは61位。最高位が8位で、年度の途中にもかかわらず、Hot100に26週間チャートインするロングヒットで、年間チャートも意外な上位にランクインしました。

Lisa Lisa & Cult Jamですが、アメリカヒスパニック系の3人組ポップグループ。ボーカルのLisa LisaことLisa Velezと、ギター・ベースのAlex "Spanador" Moseley、ドラムス・キーボードのMike Hughesの3人編成です。その3人が、Full Forceのプロデュースで、1985年にリリースしたのが彼らのファーストアルバム『Lisa Lisa & Cult Jam with Full Force』です。

「with Full Force」となっていますが、Full Forceは、1970年代中頃から活動するアメリカのR&Bグループ。レギュラーチャートではヒットはありませんが、R&Bではヒット曲を持っているグループです。そしてこのグループ、プロデューサーとして、ソングライターとして活躍しています。1998年に最高位5位を記録したBackstreet Boysの"All I Have to Give"も、彼ら作詞作曲、そしてプロデュースです。

アルバム『Lisa Lisa & Cult Jam with Full Force』からは、まずは"I Wonder If I Take You Home"がファーストシングルとしてリリースされ、最高位34位を記録するそこそこのヒットとなります。
そして次のセカンドシングル"Can You Feel the Beat"が、最高位69位。この2曲は、ラテン系の曲ではありましたが、いわゆるポップダンスミュージック。この頃、特に女性ボーカルのダンスミュージックが流行っていましたので、ジャネット・ジャクソンなどの大ヒットしたダンスミュージックの中では、あまり目立った存在ではありませんでした。そんなところが大ヒットには結びつかなかったのでしょうか。

そして3枚目のシングルカット曲がこの曲"All Cried Out"。曲を作ったのはFull Forceのメンバー。そしてプロデュースもFull Forceです。
曲はバラード、この曲は心に響く曲でした。Lisa Lisaの澄んだ歌声が実に良い、バラードと合っています。曲の途中からLisa Lisaと一緒に歌っているのはFull Forceのメンバーですね。「Lisa Lisa and Cult Jam with Full Force featuring Paul Anthony & Bow Legged Lou」となっているレコードもあるようですので、一緒に歌っているのは、Full ForceメンバーのPaul Anthony と Bow Legged Louではないでしょうか。

Lisa Lisa & Cult Jamですが、この曲で一気にブレイクして、次のアルバム『Spanish Fly』からは、2曲連続のNo.1ヒットが出ることになります。
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ラヴァーボーイ Loverboy - Heaven In Your Eyes(1986年の洋楽 Part41)

2022-10-20 20:30:08 | '86年洋楽
1986年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart41は、Loverboyの"Heaven In Your Eyes"。最高位は10月11日付けと18日付けの第12位。年間チャートは圏外でした。

Loverboyですが、カナダ出身のロックグループ。私のブログにも、何度か登場しています、これぞカナダのロック、という爽やか系のロックが身上のグループです。
デビューシングルは、1980年に最高位35位を記録した"Turn Me Loose"。最高位こそ30位台でしたが、かなりインパクトのある曲でした。
その後も、1985年に"Lovin' Every Minute of It"が最高位9位を記録するなど、コンスタントにヒット、"Heaven In Your Eyes"が通算8曲目のTop40ヒットとなりました。

このグループの中心は、やはりボーカルのMike Renoでしょう。ハードなロックから、パワーバラードまで、時には迫力ある、時には繊細なボーカルを聞かせてくれます。映画『フットルース』のサントラ収録曲ですが、 Mike Reno と、ハートの Ann Wilsonとのデュエット"Almost Paradise"が最高位7位のヒットとなっています。こちらをご覧ください→→→

"Heaven In Your Eyes"ですが、この曲も映画で使われた曲、大ヒット映画『Top Gun』です。『Top Gun』からは、すでに大ヒットが2曲、最高位2位のKenny Logginsの"Danger Zone"と、No.1を記録したBerlinの"Take My Breathe Away Love Theme From ”Top Gun””です。この2曲に続き、"Heaven In Your Eyes"が3曲目のTop40ヒットになりました。

"Heaven In Your Eyes"の作者は、カナダのシンガーソングライターコンビMae MooreとJohn Dexterに、LoverboyのPaul DeanとMike Renoが手を加えた曲です。いわゆるパワーバラード、綺麗なメロディにマイク・レノのボーカル、映画にはぴったりの曲だったでしょう。


さて、映画『Top Gun』、最新作の『トップガン・マーベリック』も音楽でも楽しませてくれましたが、1986年の1作目の『トップ・ガン』では、特にロック系の良い曲が、映画ではたくさん使われていました。シングルのヒットはもちろん、アルバムもNo.1を記録、86年(21位)と87年(30位)の2年連続のアルバム年間チャート入りする、ロングヒットアルバムとなりました。
このアルバムからのシングルカットと、そのチャートの状況ですが、
"Danger Zone" - Kenny Loggins 最高位2位  こちらをご覧ください→→→
"Take My Breath Away" - Berlin 最高位1位  こちらをご覧ください→→→
"Mighty Wings" - Cheap Trick ヒットせず
"Heaven in Your Eyes" - Loverboy 最高位12位
"Playing with the Boys" - Kenny Loggins 最高位60位
"Top Gun Anthem" - Harold Faltermeyer、Steve Stevens (ロックチャート11位)

改めて、『Top Gun』サントラには、いい曲がたくさん入っていたのですよね。今回は、そこから特にお気に入りを2曲紹介しましょう。
まずは、Cheap Trickの"Mighty Wings"、うーん、いい曲だったのですが、何でヒットしなかったんだろう?Cheap Trickは、この当時、アルバムもシングルも出してはいましたが、大ヒットには至らず、低迷が続いていました。復活するのは1988年になってからです。


そして、こちらがHarold FaltermeyerとSteve Stevensの"Top Gun Anthem"。曲を作ったのはHarold Faltermeyer。ギターソロのインスト曲、という珍しいシングルで、ギターはもちろんSteve Stevens。感動のギターソロです。
Steve Stevensといえば、Billy Idolのレコーディングに参加して有名になりました。セカンドの出世作『Billy Idol』から、4枚目の『Whiplash Smile』まで参加し、今もBilly Idolと行動を伴にしているようです。
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