有馬もとの補助犬訓練士ダイアリー

聴導犬・介助犬国際認定インストラクター(日本聴導犬協会)有馬もとのプライベートブログです。

132 日本初! 国際聴導犬インストラクターの認定書が来ました。

2006-04-19 23:26:29 | 補助犬&聴導犬&介助犬
↑みなさまのご支援の賜物で、日本初の、ADI(国際アシスタンスドッグ協会:世界101育成団体加盟)の「国際聴導犬インストラクターの認定」をいただくことができました。すでに、英国聴導犬協会からは、インストラクターの資格はいただいていましたが、今回はADIからなので、それは、それで嬉しいです。

 ちょっとだけシステムをご説明いたしますと、この訓練士としての国際認定を受けるためには、育成団体自体がADIの認定団体でなくてはなりません。この認定団体の試験がなかなか受けられません。
 ADIに2-3年間、参加(会費を支払い)すると、会員になりたい旨を申請でき、正規メンバーの前の段階、プロビジョナル・メンバーになれます。
 これは、正規メンバーではなく、審査段階とでもいうのでしょうか。
 それから2年しないと正規メンバーになれないのです。
 つまり、ADIに参加して4-5年ちかい年数と、他のメンバーから正規メンバーになってもいいと認められ、ADIの理事会で認証されて、正規メンバーになれます。
 今、ADIの正規メンバーは、日本盲導犬協会さんと日本聴導犬協会だけになります。プロビジョナル・メンバーが、アジアワーキングドッグサポート協会さんと、全国介助犬協会さん。この2つの団体は、あと1年かな、正規メンバーになるのに、必要です。結構、大変でしょ? 
 そして、育成団体の国際認定試験では、ADIのテスターを日本に招いて、実地と書類試験を受けます。以前、ブログでご説明したように、運営のための書類やユーザー教育、訓練内容。スタッフやボランティアさんの倫理観や仕事分担など、運営全般の審査です。
 その国際審査を受けて認定団体となれますが、その時に、テスターがすでに訓練修了犬の質をチェックしているので、インストラクターの認定試験を受けられるわけです。というわけで、2006年1月付けで、認定証をいただけました。
 聴導犬のほか、介助犬のインストラクター認定も申請しています。
 この国際聴導犬インストラクター認定がすぐに、どう役立つわけではありませんが、今後は研修生も受入れることになるので、知識とか技術とかをお伝えするときに、多少とも生かせることを期待しています。

131 聴力または、介助のお手伝いペット犬

2006-04-19 23:24:35 | 身体障害者福祉
 今日、長野NHKさんの取材で「ペットで聴導犬普及」という番組を放送していただきました。え、ペット? と思われる方もいらっしゃるでしょう? 
 聴導犬は、ペット犬を飼っている方には貸与できませんし、協会での2週間の滞在訓練を受けられない方にも貸与できません。
 それから、会社勤めの方などには、やはり通勤も一緒でないと。日中は家でお留守番では、聴導犬としての役にたたないでしょ? 
 経済的にも、時間的にも、補助犬のユーザーさんになるというのは、大変なことだと、育成側である私でさえ、つねづね思っているのです。これでは、ユーザーになれるのは、限られた人ということになってしまいます。

 (福)日本聴導犬協会の聴覚障害者のアドバイザーの方から、
「こんなに条件があったら、聴導犬のユーザーになれる人は限られるわねぇ。本当の聴覚障害者福祉なら、もっと広く利用してもらえる方法を考えなきゃ」と言われ、ペット犬をすでに飼っている方向けに、音を3つまで教えられるお手伝いペット犬の訓練(お手伝い犬の訓練だけは、お宅でのアフターケアの旅費のために、有料にしています)を始めました。
 すでに、4頭が全国で働いています。
 2-4日間の協会で訓練の仕方を覚えていただき、帰宅後、家族で協力して数ヶ月かかって、音を教えられるように飼い主が訓練します。
 途中は、ペット犬が、音を教えてくれなかったり、教えたり。教えても、飼い主が気づかなかったり、いろいろと、みなさん苦労していらっしゃるようですが、なんとか、役立っています。
 聴導犬が8つくらいまでの音を教えるとしたら、お手伝い犬は、わずか3つしか教えません。それに、電車にもスーパーにも入れません。でも、助かるんですね。自分のペットが音を教えて生活面での手助けをしてくれるとしたら、楽しいし、安心でしょ? 
 先のアドバイザーからも「これなら、広く聴覚障害者の方を助けられるね。条件の合わない人でも、助かるわ」と、喜ばれました。
 なので、今回のNHKさんの取材というわけです。
 テレビで取材されたお手伝いペット犬のユーザーさんは、
「聴導犬はほしい。でも、仕事場につれていけなかったり、私のようなに聴導犬ユーザーとしての条件を満たせない聴覚障害者もいます。それらの方たちもお手伝いペット犬がいることで、安心できます」と、おっしゃっていました。
 私自身は、お手伝いペット犬の経験が、聴導犬への導入につながれば、将来は聴導犬のユーザーさんになっていただけると、信じて、普及をしております。