世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

星の言葉・5

2012-10-08 07:44:05 | 詩集・貝の琴
今日のわたしは 少々憂鬱だ
昨日悲しいことがあったし
悲哀の蜂が ぶんぶんと
体の周りを 飛びまわるものだから

でもこんなときに限って
星がわたしのところに
また どうか人々に伝えてくれと
下りてくるものだから

わたしは憂鬱だから いやだといっても
そう悪いことではないかと思えたのだが
でも 性分というのは
どうしようもないので
ああ いいですよと 言ってしまうわけで

星はわたしの気持ちがわかって
つらそうにしていたけれど
やはり義務というか使命とかいうものが
あるらしくて 言うのだ

どうか 伝えてください
人々に 伝えてください
もっと 生きるものを 大事にしてくださいと

たとえば
スーパーで買った魚を
まな板の上で うろこをそる時
それがとても むごいことだと
一度でも 気づくことができる
そういう感性を 学んでください
魚は苦しいのです 痛いのです
ああ だから人間は 魚のために
無量の愛をそそいでください

たとえば 
犬を もっと大事にしてください
犬は たとえ人間が 
どのような闇や愚に落ちようとも
真実の愛で愛してくれます
ですから お願いです
鎖を もう少し 長くしてください
散歩をもう少し 長くしてください
簡単に 殺さないでください
暴力を ふるわないでください
愛していると 言ってください
苦しみを わかってやってください

ここは 生きるものを
殺さねば 生きていけない世界
だからこそ 愛がナイフの刃のように
心臓に触れてゆく
その痛みは 電流のように
魂を刺してゆく
愛のナイフは 決して心臓を刺すことはない
けれども 何百度も突き刺してゆく

人々よ
人間は 万物の霊長ではありません
青いたまごの中で
すべての愛に育てられている
小さな 命なのです
あらゆる命が 人間を育てている
その愛に こたえるということを
もっと深く学んでください
愛の段階を もう一段上がってください
そのために一番初めにやらねばならないことを
ああ ひとつだけ いいます

それは 耐えねばならないことです
恥ずかしいということに
耐えねばならないことです
人々よ どうかわかってください

わたしは こうして
星の言葉を伝えた
以上が 星の言った言葉である
なお 星の言った言葉は
実際はもっと簡単で
いくつかの単語を並べた短いものだった
それを わたしが
わかりやすく 噛み砕いておいた
だから ここに書いた星の言葉には
わたしの表現力が影響している

そういうことも考えて
よく 読み下してほしいと思う




 


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