世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

森のささやき

2014-03-29 03:55:46 | 虹のコレクション・本館
No,106
レイモン・ペイネ、「森のささやき」、20世紀フランス、イラストレーション。

これは完璧に彼女のお気に入りだ。かわいらしい。甘い。

ダリの後なのでね、少しは安らぐ絵を探そうと思ったら、これを思いついた。

20世紀の芸術家は、人間の精神の崩壊を、おおく表現していたが、漫画などの世界には、こういう珠玉もあるというわけだ。

ペイネは妻をとても愛していたらしい。多分彼の妻はやさしい女だったのだろう。人の気持ちがわかり、自分のやるべきことが何なのかわかる、美しい素養を備えた女性だったのだろう。

でなければ、こんなに大切に愛されるわけがない。

男が、宝物のように、女を抱き寄せている。こんな絵を描ける男はほかにいないね。まったくいやらしくない。実にかわいい。

かのじょはこれが好きだった。かのじょも女性だったからね、自分の本当の美しさをわかってくれて、大切に愛してくれるやさしい男のイメージを、この絵に感じて、やすらいでいたのだ。

そんな男がいたら、かのじょもこんなに早く死なずに済んだろう。




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