馬鹿が 産卵している
さらさらと 産卵している
卵が 地に落ちて
血の叫びをあげる
赤いヒナが 膿んで割れた傷のように
生まれる
鳥は剣の光を目に宿し
おまえを食いにくる
よくも 俺を生んだな
この苦しみ すべて
おまえに 返すと
馬鹿が 産卵している
さらさらと 産卵している
幾千幾万の卵を生み続ける
うそばかりつき
うそばかりつき
いちばんうらやましかった
あいつの仮面をかぶり
嘘を改造した愛で
両手を広げ
かなたを見つめる視線で言う
人々よ 神の世が来ると
なんと上手に真似をする
あまりに美しく清らかな
愛らしくも切ない 真っ赤な嘘だ
ずいぶんと深く勉強したものだ
馬鹿が 産卵している
嘘を 産卵してる
おまえたちが 殺した
じいざすくらいすとに なるために
人に見られたら死ぬようなずるを
裏で平気の面でやり
あらゆる馬鹿を 産卵している
おぎゃあと生まれるものは
さて なんだ
ふ
たのしみだのう
