日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

新春の四国を行く 2020続編 - マルイ

2020-01-12 21:58:11 | B級グルメ
今回もいの一番に「丸萬」へ行くことは決めていました。それに加えて、二軒目へ行くとしても新開地で探そうと思っていました。というのも、前回三宮の繁華街を歩いてみて、雑然とした雰囲気が性に合わないと感じたからです。京都でも、なじみの店の多くは繁華街から少し離れた一帯にあります。あれと同じことが成り立つとすれば、三宮より新開地で探した方が、好みの店に出会えるのではなかろうかと思った次第です。
しかし一筋縄では行きません。小一時間ほど歩いてはみたものの、是非にと思うほどの店は見当たりませんでした。三宮と対照をなす静かな雰囲気はよかったものの、京都に比べて店の訴求力が弱かったのです。探しあぐねているうちに執着心も失われ、前回同様ラーメンだけいただいて締めくくるという結果に落ち着きました。

呑み屋がどれも決め手を欠く中、唯一直感に訴えたのがこの店でした。現代的な店構えにもかかわらず、老舗と直感させる佇まいに看過しがたいものがあったのです。そしてその直感は的中しました。
繁華街によくある酔客御用達のラーメン屋ではありません。中華そば一筋の専門店というわけでもありません。通りに面して赤い日除けを設えた、窓が大きく明るい店は、あたかも喫茶店か何かのように感じられ、一見する限り夜のみ営業のラーメン屋には思われません。しかし、意表を突く店構えとは裏腹に、親子二代で仕切る雰囲気はこちらの好むところです。そして何よりラーメンが秀逸でした。出てきた丼を見て思ったのは、新潟の「三吉屋」との共通性です。淡い色の、しかし味わい豊かなスープと縮れのない細麺は似通っており、呑んだ後でも汁一滴残さずいただける逸品でした。

マルイ
神戸市兵庫区中道通1-1-6
078-575-3912
1700PM-2330PM(LO)
木曜定休
らーめん780円
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新春の四国を行く 2020続編 - 丸萬

2020-01-12 20:06:01 | 居酒屋
去年神戸に泊まったときは慌てました。「丸萬」の看板までに駆け込めるかどうかの瀬戸際に追い込まれたのです。あのときの教訓が生き、今夜は多少早めに投宿できたものの、さりとて余裕綽々というわけでもありません。風呂を後回しにして新開地にやってきました。
八時を回ったばかりとはいえ、昼から営業してきたこの店にとっては最終盤です。お客も大分引けてきており、どこの席でもお好み次第という状況の中、迷うことなく選んだのは、前回と全く同じ席でした。まっすぐ延びたカウンターが一旦斜めに折れた後、再び折れて垂直方向に延びていく位置です。斜めの区画を持ち場にする店主の仕事ぶりを目の当たりにできる上に、店内の様子を放射状に見渡せる好位置でもあります。この位置をシャリ前と呼びならわしているのを今回知りました。よく見れば、たしかにシャリを収めたお櫃が目の前にあります。自分にとっての特等席は、やはりここだと改めて思います。

丸萬
神戸市兵庫区福原町27-5
078-575-4184
1130AM-2040PM(LO)
火曜定休

特撰酒二合
鉄皮
小イモ煮
湯トーフ
ぶり照焼
箱寿し
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新春の四国を行く 2020続編 - 小雨

2020-01-12 19:47:33 | 近畿
諏訪山公園から下山して投宿しました。高松では宿から港まで、神戸でも港から宿までの移動だけに終わり、出発からの走行距離は1450kmにとどまりました。小雨が降ってはきたものの、短時間なら傘も要らない程度の雨です。最新の予報を見ても、まとまって降りそうな気配はありません。傘は持たずに出かけます。
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新春の四国を行く 2020続編 - 諏訪山公園

2020-01-12 19:18:21 | 近畿
呑み屋の看板が早いことを考えると、港から宿へ直行するのも一案ではありました。しかし、一年ぶりの神戸と思えば、夜景も見て行きたくなるのが人情です。投宿に先立ち諏訪山公園に立ち寄りました。ただし、去年と同じものを見るだけに過ぎないため、無闇に時間をかける必要もありません。明るくなってから再訪する前提で、夜景については手短に済ませます。
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新春の四国を行く 2020続編 - 明石海峡大橋

2020-01-12 18:29:32 | 近畿
明石海峡大橋を通過したとき、一瞬意表を突かれました。神戸への入港まであと一時間以上、つまり高松から小豆島までの間とほぼ同じだけかかることになるからです。その謎が解けたのは、定刻より20分以上も早く着岸してからでした。四時間あまりの船旅はこれにて完結です。
最終盤は寒風に吹かれながらも屋上の甲板に立ちました。前回乗船したときには、好天にもかかわらずこの区画が閉鎖されており、側方と後方しか見えない状況をもどかしく感じましたが、全方位に視界が広がる屋上からの眺めは当然違ってきます。日中の眺めはさっぱりだったものの、夜景についてはおおむね期待通りでした。肉眼で見る眺めと写真映りは必ずしも一致しません。明石海峡大橋をくぐってから神戸港に至るまでの一部始終も、眺める分にはよいものの、写真に撮っても横方向に間延びしてしまう典型です。しかし、今回は一駒ながらも絵になるものを残すことができました。橋をくぐる直前、淡路島の方に向かって縦位置に構えると、照明に浮かび上がった主塔の向こうに、往路に乗った観覧車の明かりが灯っていて、絶妙な遠近感が出ていたのです。しかし、この光景を記録するには兎にも角にも感度を上げ、手持ちで撮れるシャッター速度に上げるしかありません。フィルムが主流だった頃ならあり得ない一駒でした。
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新春の四国を行く 2020続編 - 播磨灘

2020-01-12 15:50:37 | 四国
小豆島を出航後は明石海峡まで播磨灘を航行します。多島海が広がった小豆島までと違って、船上からの眺めが単調になる海域でもあります。左舷後方に小豆島、右舷側方から後方にかけて四国、右舷前方に淡路島という位置関係は、行けども行けども同じです。晴れた日には真後ろに夕日が沈んでいくところ、この天候では期待すべくもありません。雨に降られず済んでいるのがせめてもの救いといったところでしょうか。
曇り空はますます暗くなってきました。次の見せ場が来るとすれば、夜景に変わる終盤でしょう。明石海峡大橋を過ぎれば、神戸への入港までめくるめく眺めが繰り広げられます。甲板に立つ時間もそこそこあるだろうと予想し、出発以来初めてダウンのインナーを着込みました。しばらく船室で暖をとりつつ、来たるべき場面に備えます。
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新春の四国を行く 2020続編 - 小豆島

2020-01-12 15:10:24 | 四国
一時間少々の航海を経て小豆島に寄港。迫り来る島影を見てまず思ったのは、山が高いということです。語弊を恐れずいうなら屋久島を彷彿させる眺めでした。調べたところ、最高峰は標高817mとあります。つまり、屋久島には到底及ばないものの、932mある六甲山と比べても遜色はないということです。ならば高いと感じるのも宜なるかなではあります。瀬戸内最高峰でもあるそうで、離島では珍しいほど高い山なのは間違いないようです。自分の目はあながち誤っていませんでした。
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新春の四国を行く 2020続編 - ジャンボフェリー

2020-01-12 13:55:43 | 四国
うどん屋を出たのが出航の30分前でした。しかし、無闇に慌てる必要もなかろうと思っていました。港までは一本道同然で、10分とかからずに着く距離だったからです。その見込み通り、出航の20分前という一応破綻のない時間に港へ到着。出発から1441kmを走ったところで四国での走行は完結です。二時発のジャンボフェリーで神戸へ戻ります。
正月休みの活動は、何かにつけて不振でした。天候は振るわず、目当ての呑み屋にも振られました。大相撲になぞらえて、5勝10敗の負け越しと評したのものためです。敗北感を通り越して諦めの境地に達し、再開前の時点では、これ以上深入りせずに四国を出て、次なる旅をよりよいものにしようという方向に傾いていました。しかし、図らずも実現した一日半の滞在で、かなり巻き返せたというのが実感です。どうにも冴えない曇り空とは裏腹に、晴れやかな気分で四国に別れを告げることがます。
新春の恒例行事となってきた四国への遠征も、来年は残念ながら見送りの公算が大きくなりました。暦の巡りがよろしくなく、三が日が明け次第即始業とならざるを得ないからです。しかし、二月には天皇誕生日によってできる飛び石の五連休があります。それと前後の週末を活用すれば、やってやれないこともありません。車で四国へ渡る機会を、来年も一度は作りたいものです。
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新春の四国を行く 2020続編 - ゴッドハンド

2020-01-12 13:30:21 | B級グルメ
片原町で電車を降り、昨晩から止めておいた車に乗れば、頃合いの時刻に港へ着く状況です。その一方で、最後にうどんをいただきたいという考えもありました。実は、今朝もうどんをいただこうと、瓦町にある有名店を訪ねたところ、取り付く島もないほどの人だかりができており、見送らざるを得なかったのでした。それだけに、最後にもう一杯という考えを断ち難かった次第です。
そうはいっても、実質的な持ち時間は15分から20分ほどが限界です。寄り道の必要がない場所にあることが必須の条件でした。かような観点から目をつけていたのが、行きがけに駅前で見付けたセルフのうどん屋です。電車を降りてすぐさま向かうと回転灯がついていたため、そのまま暖簾をくぐりました。
店構えと客席の様子からすると、比較的新しい店なのでしょうか。しかし、繁盛ぶりはかなりのもので、一時台にもかかわらず、地元客が次から次へと吸い込まれてきます。茹で上げるのが追いつかないのか、注文したかけうどんが出るまで数分の待ち時間を要しました。時間が限られる状況下、一瞬焦りはしたものの、茹でたてをいただけると思えば幸運ともいえます。天ぷらとおでんをいただく間に出来上がったため、結果としては何の問題もありませんでした。
おでんと天ぷらは百円から、品数豊富で目移りするのは昨日訪ねた「まるふじ」と同様です。太くてコシのあるうどんは、まさに讃岐の真骨頂。最後を飾るにふさわしい一杯でした。

ゴッドハンド
高松市内町4-1
087-823-4501
1000AM-1500PM/1700PM-2000PM
年末年始休業
かけうどん小230円
天麩羅・おでん各種100円より
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新春の四国を行く 2020続編 - 奇遇

2020-01-12 12:13:35 | 四国
一時間の乗車を終えて琴平に到着。着いた電車をひとしきり撮ってから切り上げました。復路も乗っていきたいのはやまやまながら、二時に出るフェリーには間に合いません。すぐに出る定期列車で高松へ戻ります。運用につくのは元京王5000系です。
高松で活動仲間に鉢合わせたのは二年少々前のことでしたが、またもや奇遇がありました。仏生山で電車を撮っていたところ、見覚えのある人影に気付いたのです。あのとき遭遇した仲間の一人でした。旅先で仲間に遭遇すること自体、それほど珍しいことではないものの、同一人物に二度、しかも同じ場所でということになると、今はなき「あけぼの」の車中だけかもしれません。
本日の運転を目当てに「サンライズ」で現地入りしたというのが本人の弁です。折り返す旧型車にもう一度乗り、今日中に帰るとのことでした。引き続きよい旅を…
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新春の四国を行く 2020続編 - 500号

2020-01-12 11:17:19 | 四国
風呂から上がって駅に戻ると、行き止まりのホームに据え付けられていた旧型車が見当たらなくなっていました。同業者が上り方にカメラを向けていることからして、いよいよ入線してくるところなのでしょう。その様子を見届けてから改札をくぐると、さほどの間も置かずに三両編成の旧型車が滑り込み、中間の500号車が目の前に止まりました。昭和3年製の自社発注車です。
琴平までの所要時間は、定期列車より若干長い一時間です。一宮と滝宮ではそれぞれ数分の交換待ちがあります。その間合いに他の車両へ移るのも一興のところ、思った以上に同業者の数が多く、いずれの車両にも立ち客が出ています。これではおいそれと席を移るわけにも行きません。目の前に止まったのも何かの縁、このまま琴平まで乗り通します。
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新春の四国を行く 2020続編 - 仏生山温泉

2020-01-12 10:40:52 | 温泉
仏生山で電車を降り、一本道を東へ数分歩いていけば温泉があります。ことでんレトロの時刻から逆算すると、10時前に着いておけば余裕を持って風呂に入れるはずでした。しかし、構内の電車を撮影するうちに時間が押してきました。安全策を採って見送るという選択肢も浮上する中、「迷ったら買え」の原則に従い強行するという顛末です。
滑らかな源泉もさることながら、白壁と天然木の風合いを生かした、広々して瀟洒な館内もこちらの温泉の真骨頂です。ただ風呂に浸かるだけでなく、湯上りには休憩室で一息入れたいところでした。しかるに今の状況では、手早く入ってすぐ上がるしかないのが惜しまれます。とはいえ、素通りするよりはるかにましには違いありません。短い時間ながらも立ち寄れたことを幸いに思います。

★仏生山温泉 天平湯
高松市仏生山町乙114-5
087-889-7750
平日 1100AM-2300PM(最終受付)
日祝日 900AM-2300PM(最終受付)
第四火曜定休
入浴料700円
泉質 ナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉(弱アルカリ性高張性低温泉)
泉温 32.6度
pH 7.5
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新春の四国を行く 2020続編 - ことでんレトロ

2020-01-12 09:36:45 | 四国
朝のフェリーを見送ったのは、慌ただしい出発を嫌ったのもさることながら、お誂え向きの使い道があったという事情によるところが少なくありません。その使い道とはことでんレトロです。
琴電の篤志により毎月運転されてきた旧型車も、来年ついに引退することが発表されました。そのときが迫るほど、取りつく島もなくなるのは推して知るべしです。撮るにはあいにくの天候ながらも、乗るには頃合いの時間帯でもあります。この機会にお別れ乗車をしておこうと思い立った次第です。
一昨年も新春初の運転日に重なって、下りの列車を高松築港で撮りました。寄る年波が迫る中、昨秋からは仏生山から先の区間に短縮されてしまったものの、考えようによってはむしろ好都合ともいえます。乗車の前に一風呂浴びていけるからです。市内に車を置いたまま、電車に乗って向かいます。
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新春の四国を行く 2020続編 - ホテル丸登美

2020-01-12 08:02:44 | 四国
高松に何度か宿泊した結果、市内の宿が二極化していることに気付いてきました。安いところにはそれなりの割り切りが求められる一方で、快適さも求めるならそれなりの出費が必要だということです。かような観点から自分にとって理想的だったのが、昨年世話になったニューグランデみまつでした。しかし、今回はあいにく満室だったらしく、代わりの宿を探さざるを得なくなりました。その結果行き着いたのがホテル丸登美です。
場所はニューグランデみまつの至近、それもあのとき車を止めた時間貸駐車場の斜向かいでした。一見すると何の変哲もないビジネスホテルながら、実態については一風変わっています。客室は全て和室、洗面所とシャワーは共用で、それに加え大浴場もあるというものです。
じゃらんでこの宿を見付けたとき、御多分に洩れず割り切りの要る宿かと最初は思いました。片原町の駅から至近でありながら、税込三千円台中盤という格安の宿泊料だったからです。しかし、繁華街から徒歩圏内、しかも和室に泊まれて大浴場付きなら、自分にとって申し分ありません。細かな点はさておき即決すると、その判断が結果としては吉と出ました。
それなりに年季は入っているものの、共用部を中心に改装されており、全く不足を感じないのはニューグランデみまつと同様です。四畳半の和室も一人旅には必要にして十分。清掃が行き届いているため、むしろ好ましく感じられます。大浴場も、中町フジグランドホテルのそれを上回る広さでした。
割り切りが要る部分もないわけではありません。フロントが開くのは夕方の五時から十時の間に限られ、その間にチェックインを済ませ、帰りの際はポストに鍵を入れていく仕組みです。接客にかける人手を最小限に抑え、その分値段で還元しようという方針なのでしょう。しかし、元々宿に手厚いもてなしを求めているわけではありません。精算機で支払う無味乾燥なビジネスホテルもしばしばある中、限られた時間とはいえ応対してくれるだけで十分ともいえます。自分にとって、ある意味ここ以上の宿はありません。捨てる神あれば拾う神ありでした。
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新春の四国を行く 2020続編 - 二日目

2020-01-12 07:19:50 | 四国
おはようございます。昨晩の段階から予想できた流れではありますが、結論としては六時のフェリーも見送りました。例によって出発前夜に十分休めなかったため、二日続けて早起きする気力が起きなかったとでも申しましょうか。目覚ましはかけずに休み、先ほど少し遅めに起床したところです。
今すぐ出て高速道をひたすら飛ばせば、逃した便を追い抜いて神戸に行くことも可能です。しかし、そもそもフェリーを見送ったのは、慌ただしい出発を避けたかったからでした。格安の航送料で神戸に運んでくれるジャンボフェリーの気楽さは何物にも代えられません。到着後は神戸に泊まる前提で、二時に出る次の便を待つことにします。
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