日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

新春の四国を行く 2020 - たにた

2020-01-05 21:00:57 | 居酒屋
投宿し、一風呂浴びて九時前という流れは結果として理想的でした。久々に「たにた」の暖簾をくぐります。
日曜の晩に呑み屋の心当たりがない徳島、高松の両都市と違い、四国最大の都市でもある松山はさすがです。居酒屋天国高知には及ばないものの、それでも複数の持ち駒があります。教祖の推奨店に限っても「仁平」「たにた」の二軒です。一人旅なら「仁平」を久々に訪ねてみる手はあったかもしれません。しかし、昨晩は早々と休んだ母親が、夜の部にも参戦するとの意向につき、多少なりとも勝手の分かった「たにた」を選んだ次第です。
勝手が分かっているとはいっても、近年は「せくら」を贔屓にしてしまい、この店には長らく無沙汰をしていました。最後に訪ねたのは五年前です。二年少々前に再訪を試みるも、予約満席で振られるという結果でした。久々に訪ねてみて思うのは、居酒屋よりも明らかに一枚上の店だという事実です。黒板の品々を筆頭から順に挙げると、虎魚、鰆、鰤、白子、ハギ、細魚、メバルにフグといった具合で、白子についてはフグのそれです。一目で分かる瀬戸内らしい品書きとはいえ、大衆的なものが一つもありません。オコゼに食指を動かす母親を説得し、フグの白子だけは奢って、その他については比較的手頃なものを選んでいったことにより、一応想定内の予算に収まるという結果でした。
虎魚も奮発する手はあったのかもしれません。いずれ母を亡くしたとき、あのとき虎魚を奢ってやればと後悔するかもしれません。しかし、無闇に高い品でなくとも、十分に楽しめるのがこの店の真骨頂でもあります。小蛸の旨煮に炊き合わせなど、小鉢一つをとってみても、家庭ではおよそ真似のできない仕事が施されているのはさすがです。その価値は当人にも理解してもらえたものと思います。
それにしても、五年無沙汰をする間に、女将はともかく店主が随分老け込みました。しかし、店へ向かうに先立ち一報入れたとき、電話越しに聞く店主の口調は往年のままでした。健在ぶりを確かめられたのは幸いです。

たにた
松山市二番町3-7-4
089-945-2300
1100AM-1400PM/1700PM-2230PM(LO)
元日休業

雪雀二合
突き出し
刺盛り三点
たこぶつ
小だこ旨煮
白子ぽん酢
鯛骨蒸し
炊き合わせ
さより天ぷら
じゃこめし
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新春の四国を行く 2020 - 不承不承

2020-01-05 20:09:47 | 四国
無味乾燥な高速道には極力頼りたくありません。一人旅なら、少なくとも高松までは一般道を走ったでしょう。しかし、同行者がいる状況だけに、到着があまりに遅くなるのはよろしくありませんでした。不承不承ながらも引田から高松道、松山道を延々飛ばして松山に着きました。
出発からの走行距離は1090kmに達しました。つまり、今日だけで300km以上走ったということです。一日の走行距離がここまで延びると、どうしても日没後に長距離移動せざるを得ません。徳島から走って行くなら、去年と同様高松に泊まった方が無難なのは明らかでした。しかし、呑み屋の心当たりがない日曜という条件がそれを許しません。鰹の旬に機会を改め訪ねたいという考えにより、高知に泊まる案についても消極的でした。むしろ、松山に連泊する機会を久々に設けようと思い立った次第です。
結果としては、例年通り二日に出発していればよかったともいえます。昨日までの間に奈良、徳島、高松の順で駒を進め、今日の移動を200km弱に切り詰めることができたからです。しかし、母親を案内するという話は、出発前夜の晩餐で俄に浮上したものです。つまり、二日に出発していれば、七年ぶりの親孝行も実現していなかったことになります。今回ばかりは詮方なしといったところです。
現在の気温は6度、西へ下るにつれて暖かくなるかと思いきや、今日は寒さが身に染みる一日でした。一風呂浴び、温まってから繁華街へ繰り出します。
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新春の四国を行く 2020 - 堀越海峡

2020-01-05 16:21:11 | 四国
鳴門に戻って母親と再度合流。来た道をそのまま進み、鳴門スカイラインに入ると、最後に見せ場が訪れました。堀越海峡を渡ろうとするそのとき、雲間から西日が射してきたのです。
再び日が陰るまで、時間にすれば10分ほどだったでしょうか。しかし、強い西日を反射したウチノ海と、影絵になった周囲の山々は、これまでに眺めてきた夕景とも一味違う趣がありました。晴れそうでなかなか晴れない、何とも歯痒い空模様の一日でしたが、これぞという画を一つとはいえ切り取れたのは幸いです。
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新春の四国を行く 2020 - いのたに

2020-01-05 14:54:17 | B級グルメ
残念ながら、昼の部では去年を超える結果を残せませんでした。せめてもの救いは、中華そばをもう一杯いただいてから出られることです。毎度おなじみ「いのたに」の暖簾をくぐります。
窓向きに造られた「巽屋」のカウンターを、クロスシートのロングシート化だと評しましたが、こちらのカウンターは全くの別物です。一見すると、コの字型のカウンターが左右に二つ並んでいるようではありますが、それぞれ角が切り取られていたり、微妙に角度がついていたりして、どの席についてもその位置なりの眺めになります。厨房に立つ熟練した面々の仕事ぶり、地元客が引きも切らない店内の賑わいも当店のよさであり、それらに背を向けてしまうのは片手落ちです。やはりカウンターはこうであってほしいものだと思います。

いのたに
徳島市西大工町4-25
088-653-1482
1030AM-1730PM
月曜定休
中肉700円
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新春の四国を行く 2020 - 眉山

2020-01-05 13:57:26 | 四国
続いては記念撮影がてら眉山の山頂にやってきました。あくまで記念撮影ということであり、快晴だった去年と違って、絵になる眺めを期待していたわけではありません。晴れそうで一向に晴れない空模様は相変わらずだからです。覚悟していた通りの結果ではありますが、全景は斑らで全く絵にならず、局所的に晴れている一帯だけを望遠レンズで切り取るのがせいぜいです。紀伊半島も見渡せるほど遠景は鮮明にもかかわらず、日射しがあるかないかでこうも変わるかと実感させられます。これでは話にならないということか、見物客も去年に比べ数えるほどに過ぎません。
去年は高知を除く三県を訪ね、徳島にいたときだけが晴れて、後はさっぱりという結果でした。しかし今年はその徳島でも空振りに終わろうとしています。明後日は天候が崩れるとされているため、晴れる可能性があるとすれば松山に滞在する明日だけです。せめて一矢を報いたいものですが。
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新春の四国を行く 2020 - 徳島中央郵便局

2020-01-05 13:08:29 | 四国
昨晩も何かにつけて慌ただしく、年賀状には手が回りませんでした。徳島中央郵便局で残りの一部を投函します。
一部というのは、風景印を入れてもらう関係上、全部まとめて投函すると、年始の忙しいときに迷惑をかけてしまうからです。しかし、三が日を過ぎて日毎に落ち着いてきたか、昨日訪ねた奈良中央郵便局と比べても、窓口は明らかに空いています。ここでは少し多めの六枚を投函しました。それに加えて持ち帰るための一枚も。鳴門の郵便局も開いているため、続きはあちらで投函します。
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新春の四国を行く 2020 - 巽屋

2020-01-05 12:06:55 | B級グルメ
潔く切り上げて徳島へ戻ったのは、深入りしたところで時間を空費するだけだと思ったからです。それに加えて、これ以上遅くなると昼時の混み合う時間に重なるという事情もありました。とるものもとりあえず駆け込んだのは「巽屋」です。
去年は「いのたに」の開店を待って入り、眉山に登ってからこちらを訪ねるつもりでいました。ところがあまりの好天により滞在が延び、ようやく下山して訪ねると、無情にも店仕舞いした後でした。時間にすれば三時過ぎだったでしょうか。関知していた情報によると、閉店がこれほど早いとは聞いておらず、なおかつ中休みがあるとも聞いていなかったため、予想外の事態にいたく落胆したのが思い出されます。あのときの真相がようやく明らかになりました。平日は15時で店仕舞いし、土日祝日に限り20時まで営業と告知されていたのです。やはり口コミサイトの情報は鵜呑みにできません。
昨年足をすくわれたことにより、この店を訪ねるのも二年ぶりということになりますが、無沙汰の間に変わったことが一つあります。両方の窓際と中央で三列あったテーブル席のうち、道路側に面した窓際のテーブルが取り払われ、その跡がカウンターになっていたのです。テーブル席の収容力を削る代わりに窓際のカウンターを造ったといえば、思い出すのは米沢の「金ちゃんラーメン」です。しかしあちらと違い、元々あったテーブルを撤去してカウンターを一本造っただけのようにも見えます。列車でいうなら、クロスシートを撤去してロングシートに改造したようなものであり、床面積は広がるものの、座席の定員で考えた場合、収容力の向上には何らの効果もなさそうです。個人的にも、客席の中心に背を向ける形のカウンターは落ち着かないため、なぜこのように改造されたかが不可解に感じられます。まろやかなスープが健在だったのはせめてもの救いでした。

巽屋
徳島市住吉5-68-1
088-653-3839
1000AM-1500PM(土日祝日 -2000PM)
水曜定休(祝日の場合営業し翌日休業)
肉入り750円
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新春の四国を行く 2020 - 天気待ち

2020-01-05 11:02:08 | 四国
おおむね見込み通りの時間で走り切り、母親を美術館に送り届けました。しかし、美術音痴の自分には猫に小判です。三千円以上もする入館料を払ってまで観賞する理由は全くありません。再び合流するまで一人旅に戻ります。
昨年の道中では、晴れそうでなかなか晴れない空模様に歯痒さを感じました。終日快晴だったのは徳島に泊まった翌日だけでしたが、今回はその徳島でも似たような展開に陥りつつあります。空全体に大きな雲が漂って、大半の時間にわたり日射しが遮られてしまうのです。しばらく天気待ちをしたものの、すぐには晴れそうにないと悟りました。これでは徳島に戻って中華そばをいただくのがせいぜいです。
そう綴ってから車を走らせようとしたところ、ようやく空が晴れてきました。喜び勇んで大鳴門橋を一望する砂浜へ向かうも、長続きせず元の木阿弥。しかし、なまじ晴れてしまったばかりに、もう少し待てばと思ってしまうのは人情です。再び天気待ちをして時間を空費し、気付けば11時になってしまいました。どのみちここには戻ってくるため、これ以上深入りせず一旦徳島へ戻ります。
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新春の四国を行く 2020 - ジョイフル

2020-01-05 09:04:56 | B級グルメ
出発を10時に延ばしてもらえれば、行きがけに中華そばをいただくこともできました。しかし、開館と同時に入りたいというのが母親の強い要望でした。自身の経験に照らしても、人が集まる場所であればあるほど、混み出す前に行っておきたいという心理が働きます。おそらくそれと同じ理屈なのでしょう。朝食は沿道のジョイフルで済ませることになりました。
手早く済ませることも大事な旅先での飲み食いに、ファミリーレストランは最も向かない業態の一つです。そう気付いてからというもの、ジョイフルの世話になることもほぼなくなりましたが、そこそこ愛用していた頃、決まっていただいていたのがとり天定食です。しかし、後々中華そばをいただくつもりでいることを考えると、朝食は軽くしておいた方が得策ではあります。かような観点に基づいて豚汁定食を選択。ご飯、豚汁、お新香に生卵、温泉卵、納豆のいずれか一つを選べ、ドリンクバー付で500円少々というものでした。ただし、ドリンクバーは自身にとって猫に小判です。とり天定食と比べても100円少々の違いしかないということになると、やはりとり天定食の方がよかったかなどと考えてしまいます。器の小さい人間です。

★ジョイフル 鳴門撫養店
鳴門市撫養町大桑島字濘岩浜19番16
088-683-1518
24時間営業
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新春の四国を行く 2020 - ハイパーインメイアップ徳島

2020-01-05 08:12:25 | 四国
高松を除き、四国各県での定宿はおおむね確立しつつありますが、特に不動といってもよいのは徳島です。昨晩もハイパーインメイアップ徳島の世話になりました。
滅多にない機会なら、よい宿に泊まりたいというのが母親の希望でした。しかし、いかんせん松山とは街の規模が違います。予約サイトで調べる限り、「よい宿」といってもワシントンホテルあたりがせいぜいでした。ならば大差はなかろうと説得し、元の鞘に収まるという顛末です。
こちらでは学生の団体客と同宿になることがしばしばあります。昨夜についても同様でした。特に今回は、同じ階に二つだけ残っていた空室が割り当てられました。その結果気付いたのは、隣室との間についてはよいものの、廊下との間の防音性が低いことです。しかし、個人的にはそこまで気になるほどでもありません。問題は母親がどう思ったかについてですが、幸いにして好意的な評価でした。ここで十分なのであれば、松山でも奮発する必要はなさそうです。
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新春の四国を行く 2020 - 三日目

2020-01-05 08:05:33 | 四国
おはようございます。昨晩は日付を少し跨いで宿に戻りました。六時半に目覚め、準備を済ませて出発するところです。本日も母親の案内と一人旅を交えての活動となります。九時半の開館に合わせて、件の美術館へ送り届けるのが最初の一仕事です。
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