球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

"自覚"について

2011-01-30 | たぶん難解な話
※マジメ長文です。

大辞林 第二版 (三省堂)
 じかく 【自覚】
 (名)スル
 (1)自分自身の立場・状態・能力などをよく知ること。わきまえること。
  「自分の立場をよく―している」「本人の―に待つ」
 (2)〔仏〕 自ら悟ること。 ⇔ 覚他
 (3)〔哲〕「自己意識(じこいしき)」に同じ。



"自覚が足りませんでした"、とか"自覚しろ"とか、
そういう言葉の意味を30年よく咀嚼できず生きてきた。
書いていて恥ずかしい話だが、一応普通に社会人として生きているので
そこまでヘンな現象ではないと信じている。
で、今になって何でそんな話を持ちかけたかと言えば…

[会社にて]
あるトラブルに対して最初に対応したのが自分であったため、
(本来それが本職でないにも拘らず)自分がやり続けなくてはならなくなった案件があった。
  大体の例で言えば… 誰かが会社に花を持ってきたとする。
  その人がいる間は当然その人が花の世話をするが、その人が会社をやめてしまった場合
  世話する人がいなくなる。そこで最初に花を世話しなくちゃと思って水をやった人が
  いつの間にか花の世話係の後任のようになる。大体そんな感じだ。

しかし、引き継ぐべき部署Aが未完成だったため引き継ぐ相手がいないだけで、
個人的に納得してやっているわけではなかった。

そんなわけで、"ある程度まではやりますが本来は部署Aの仕事ですよ"という 
スタンスで仕事をしていたところ、部署Aの上司さんにこんなことを指摘されたのだった。
"昔モンテスキューってのは三権分立を提唱していたけれども、
 実際の仕事ってそういうもんじゃないんだよね…"
多分こんな感じだったはず。
※上司さんの発言が電波に見えるのは僕の文の書き方の問題。

モンテスキューとか立法、行政、司法の話自体は割とどうでもよくて
その上司殿の言いたいことってのが以下の一文だったように思われた。
"今君がやっている仕事ってのは本来君がやるべき範疇のことでないことは理解しているが、
 その姿勢を出されると仕事が成り立たなくなる。だから今やっていることに関して、
 その部門(この場合部署A)の人間であることの自覚を持った振る舞いをして欲しい"


[何故持たなくてはいけないのか、分からない。]
でまぁ、僕は"全く自覚が不足しておりました、真に申し訳ありません"とは思わずに
"それは僕に女であることを自覚しろと言っているような話でしょう、面白いことを言う方だ"
に近い感想を持った(割と極端な言い方をしている)。

…と、ここに至って"自覚ってなんだっけ?"という疑問に立ち返る。
辞書的な意味で言えば冒頭に書いた通りだが、それだと部署Aの上司さんの発言との
関係が不明で、実質役に立ってない。何か理解できていないことがあるんだろうな。
その"自覚"とやらの有無が仕事上でどういう見え方をするかと関連付ける必要がある。


[会社における"自覚"の見え方]
例えば自分がB社にある仕事を明日中にお願いするとき。
同じ"明日中にやってください"でも、背景は結構人によって異なる。
例えば、単純に僕自身のことを取っても以下の2Caseが想定される。
自分としてはどっちでもやれることはやれるのであるが。

 Case1
  (この仕事が終わらないと自分この件からいつまでも開放されないんで)明日中にやってください
 Case2
  (この仕事がなされないと全体スケジュールが遅延してプロジェクト自体ご破算になり
   B社さんとの間に結ぼうとしていた契約も水に流すことになりますので)
   明日中にやってください 

自覚を持つって作業は、上記のカッコ内の言葉をより全体を見渡したものに変え、
Case1→Case2へ移行していくことであるといえる。
※Case2はどのような書き方が最も"全体"を意識したものになるのか今の僕にはわからない。

Case1の発言者の言い分
 自分は部署Bの人間である → 部署Aの仕事をしている。理由は、なりゆき。
 明日までにやって欲しいのは、部署Aの人がなんかそう言っているから。
 俺の知らない所で何かスケジュールを引いているようだけど、俺は何も聞いていないし、
 誰に訊けば出てくるのかも判らない。そもそもそれを把握する必要性がないから
 知らされていない訳で、それについては自分に責任はない。
 そして、本来自分がやることではないんだから、さっさと引き継いでしまいたい。
Case2の発言者の言い分
 自分は部署Aの人間である → 部署Aのミッションは○○の~(理屈で説明可)
 →ゆえに解決が必要で、特にスケジュールの関係で明日中の回答は必須

Case1の場合は最後まで"個"を抜けられていない挙句自分を守るための主張に
 殆どの言葉を使ってしまっている。味方がいるかもわからない状態。
一方でCase2の場合は、(ある意味組織を傘に着つつも)主張は矛盾なく筋道が通っている。

で、こういう認識の違いはメールでこそ出てこないが、
TELなどでは顕著に出てくる。上司のメールの文章が拙くとも侮ってはならず、
バックに何枚のレイヤー(自覚)を仕込んでいるかを見抜くつもりで言動を観察すべきである。


[認識に対するレビュー]
Case1の発言者の言っていることもその人にとっては真に違いない。
しかし、言われた側としては、お願い文にカッコ内の文章が見えていたとして、
明日までに仕事をやる気になるか?と言われたら多分ならないだろう。
結局明日までにやらないと何がまずいのかよくわからないから。
自分が言われても多分ならない。
Case2の場合は、(渋々かも知れないが)明日までやろうと努力してくれるだろう。
※ただ、明日までにやらないと何がまずいのかわからないままならやらないかも。

仕事における、組織における、"自覚"という言葉の効果は大体このようなものであろう。
自己実現の意味合いを持った"自覚"についてはまた別な視点で帰納する必要があると思うけど、
この記事だけでも書いてて相当しんどかったのでまた別の機会に。
今日の話題は自分の文章表現能力を超えてました。




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