昔"しょうとく"と読んでいたのは秘密。
謝っている相手はバルバドスげいか。(誰だっけそいつ?)
◇
常用外漢字というえらく曖昧な概念がある。
要はマニアックな(日常会話で使いにくい)漢字は平仮名で可としましょうというもの。
そのうちの代表例が上記した"障碍"。
一時期は障害と書かれていたが、"害"という言葉が差別意識を根付かせるやら
何やらという理由で使われなくなり、今一番見かける表記は"障がい"である。
他にも、常用漢字でないばかりに平仮名になってしまい、
本来の意味がわからなくなってしまった言葉が沢山ある。ちょっと思いついた限りでは
せん断(破壊力学の常用語) → 剪断
ちょう度(グリスの粘性関連で出る言葉) → 稠度
ら致(説明不要、ひとさらい) → 拉致
慣れ合い(なーなーな付き合いになること)→ 狎れ合い
右側は漢字の意味さえ判れば誤解される気遣いなく使っていけるが、
左側は文字列だけ見ても何を表す言葉なのかの推測すら難しい。
一番下の例は、障がいの"害"みたいに禁止されてはいないが、
不適切な漢字で代替されることで本来の意味を損なっていると僕が考えるもの。
ゆでたまごの漫画"闘将!!拉麺男"も、今の時代に書かれていたら
"闘将!!拉麺男" → "闘将!!らー麺男"
になってしまい、中国人のアイデンティティの崩壊甚だしい。
◇
というように僕はこの概念が大嫌いで、常々なくなってしまえばいいと思っている。
一種の言葉狩りではないのか。
大人になればなるほど使う言葉を選んで意味を限定し、
読み手が誤解のしようがないようにものを書きたくなるものなのに。
折衷案としては、2文字熟語を成立させるものだけ常用外漢字を解禁して欲しいというのが
僕のささやかな願い。
以上、本来二文字熟語のくせに平仮名と漢字交じりになっている表記が
美しくない事をきっかけに始まった象形文字多用礼賛論でした。
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