球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

Rehabilitation

2017-09-11 | たぶん難解な話
時と共にこの空間の色も霞みやがて消えゆくのかどうかというタイミングで
あえて昔のようなことをやってみたくなった。

別に原稿の仕事を預かっているのだが、しばらく文章を書いていないと脳のニューロンが切れるのか何なのか、
言葉の泉が池のような沼のような感じになったと思ったら、つい先日は干上がって霧雨にでもなってしまったかのようだった。
選ぶ言葉が安くなるのではなく、頭に浮かぶ言葉が減る。

誰かと食事していて話題がなくなってついつい沈黙が出てしまうことはあるが、
それを自分相手にやる感じになる。自分で自分をカウンターに呼び出して、
赤提灯のまぶしさを鬱陶しく思いながらさりげなく対話を進めたつもりが、
誰よりも腹を割って話せる相手にまさかの沈黙。あれ、何を話せばいいのかわからなくなった…
小説を書くイメージで言えば、1章から10章まで一気に書ききってしまえたものが、
1章を書き上げた時点で2章に何を書こうか途方に暮れだす、というくらいの枯渇を思えば
理解も早いというものだ。とりあえず、2章については最後の一文だけは決まっているのだ。
後はその間を埋めればよい。

何を話すのが一番得意かって、プラネタリウムの内側について語るのが一番得意だよ、
昔も、今も。昔よりは後から思い返すことに配慮して、この世との合いカギになる言葉を意識的に入れてみたり
しているが、それでも一月経ってしまえばそのカギは無くなってしまうのだろうか。
そのカギを意識して、扉を開けてはカギを開け、カギを開けては扉を開けるような世界も良いと思った。

さておき、プラネタリウムで星を眺めることを好むように、
思い浮かぶ様々なイメージや感情を表現するのが最も好き、ということにおいては世の中のかなりの人がそうだと思う。
仮にそうでなかったとして、世界の0.01%しかそうでなかったとしても、世界では70万人いる。
…世界レベルの70万人は案外心もとないが…


黒檀の机を毎日毎日金槌で叩いても壊れない。
もっと強く叩いて粉々にしてしまいたい。しかし何回叩いても壊れないどころか
繊維が密になったのか、より一層強固な表面になった。
もっと強く叩く。強い振動。くそ、俺は目の前にいる光の司祭を生かしてはいけないということであった。


血の隘路はどこにある?
いつも止血してばかりでは、指先は明日にでも壊死してしまうから、
僕は血の隘路を探しては、軒先の樋よりもはるかに曖昧な管を通して血を流してきた。
この隘路の意味は何なのか?という問いに答えるのは難しいが、ここらで一旦の解を出す必要があるだろう。
血の隘路とは流れた血の住処であり、流れるに任せ、止まるに任せ、古傷が痛まないことをずっとずっと天に祈った。



最近は仕事の不安が大きくなり、その結果夢に仕事が絡むことが多くなった。
お盆休みで長い休暇を取った最初の出勤日の前に、
僕はフィリピンの遺跡で仕事をし、昼の14時以降にその日中に帰国できる飛行機を探し、
航空券の費用を捻出し、小学校の校門を潜って(くぐって)実験の器材を返却した。
これらの出来事はすべて夢を記録するノートに書き留めてあり、
"三行夢ノート"の名におおよそ似つかわしくないほどの長い苦しみが描いている。

温かくて湿った時間と、堅苦しく窮屈で居心地の悪い時間が流れている。
星空のドアを開けて、ドアと空の区別がつかなくなり、空と僕の区別がつかなくなり、
目玉だけが空を飛んでいるのだろうか。
狭い空間に森羅万象を呼び込む奇術が世界の一部で人気を博し、
いくつもしないうちに飽きた人々で埋め尽くされた。

後で続きを書こう。こういうことを書いているときは本当にたのしいのだ。
書いた本人も、一月経てば何の話だったかを忘れてしまう。
想像の翼を羽ばたかせながら考古学者は文献を読み解く。
これだって読み解いてほしい。本人が正解をわすれているから、
勝手に解説本を出してくれるなら俺が買ってあげてもよい。

コメント
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