魔法の鏡をみつけたら

なお子改め夏海遙のブログ

大好きな、おとったん

2015年04月25日 | 日記
4月19日の夜、劇団の大先輩 西本裕行さんが、突然お亡くなりになりました。
88歳にして現役の舞台俳優、公演初日を真近に控え、前日まで舞台の稽古に行かれていたそうです。
役者としての人生を走り続け、風のように逝かれてしまいました。

人を喜ばせることが大好きでご自分のことはいつも後回しな半面、芝居の表現の追求には非常に貪欲でパワフル、常に挑戦をしていく方でした。

7年前に四谷三丁目の喫茶茶会記で、井上ひさしさんの二人芝居「父と暮せば」を、初演させていただき、以来ほぼ毎夏この作品で父と娘としてご一緒させていただきました。
ブルガリアや飯塚、川崎、いわき、郡山、六本木など各地をめぐり、毎回、魂がぶつかりあうような演劇体験をさせていただきました。
今年も8月に上演が決まっていたのですが、かなわぬ夢となりました。

西本さんといた時間は、いつも穏やかで優しい空気に包まれ、たくさんの人々とのご縁と、人生の宝物のような瞬間をいただきました。
こんなに突然お別れがくるとは思っていませんでした。
いつも心配ばかりかけてごめんなさい。
何ひとつご恩返しできませんでした。

夏がくれば、また美津江の家でおとったんと会える気がしてなりません。

いつまでもメソメソしてたら叱られますね。
せめて西本さんに恥ずかしくないような、優しい人間になりたいと思います。
コメント (2)
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