風わたるあさぢが上の露にだにやどりもはてぬ宵のいなづま(新古今和歌集)
稲妻のしばしもとめぬひかりにも草葉のつゆの数は見えけり(風雅和歌集)
いなづまの光にのみやなぐさめむ田中の里の夕闇の空(六百番歌合)
遠山の峰たちのぼる雲まよりほのかにめぐる秋の稲妻(夫木抄)
よひのまのむら雲つたひかげ見えて山の端(は)めぐる秋の稲づま(玉葉和歌集)
山もとの田面(たのも)はるかに風さわぎむら雲まよふ秋のいなづま(草根集)
秋の田の穂波にむすぶ白露のたまゆら見ゆる宵のいなづま(四十番歌合)
いなづまの光のほどか秋の田のなびく葉ずゑの露のいのちは(風雅和歌集)
夜もすがら山田のいほは稲妻のひかりをのみやともしびにする(永久百首)
秋の夜は山田のいほにいなづまのひかりのみこそもりあかしけれ(後拾遺和歌集)
はかなしや荒れたる宿のうたた寝にいなづまかよふ手枕のつゆ(六百番歌合)
世の中を何にたとへむ秋の田をほのかにてらす宵のいなづま(後拾遺和歌集)
夢よりもはかなきものは秋の田の穂波の露にやどるいなづま(続後撰和歌集)
世の中のはかなきほどにくらぶればなほ稲妻もひさしかりけり(永久百首)
いにしへはこころに近し稲妻のひかりのまにも幾世(いくよ)へぬらむ(草根集)
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