monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

いなづま/稲妻

2010年08月12日 | 日本古典文学-和歌-秋

風わたるあさぢが上の露にだにやどりもはてぬ宵のいなづま(新古今和歌集)

稲妻のしばしもとめぬひかりにも草葉のつゆの数は見えけり(風雅和歌集)

いなづまの光にのみやなぐさめむ田中の里の夕闇の空(六百番歌合)

遠山の峰たちのぼる雲まよりほのかにめぐる秋の稲妻(夫木抄)

よひのまのむら雲つたひかげ見えて山の端(は)めぐる秋の稲づま(玉葉和歌集)

山もとの田面(たのも)はるかに風さわぎむら雲まよふ秋のいなづま(草根集)

秋の田の穂波にむすぶ白露のたまゆら見ゆる宵のいなづま(四十番歌合)

いなづまの光のほどか秋の田のなびく葉ずゑの露のいのちは(風雅和歌集)

夜もすがら山田のいほは稲妻のひかりをのみやともしびにする(永久百首)

秋の夜は山田のいほにいなづまのひかりのみこそもりあかしけれ(後拾遺和歌集)

はかなしや荒れたる宿のうたた寝にいなづまかよふ手枕のつゆ(六百番歌合)

世の中を何にたとへむ秋の田をほのかにてらす宵のいなづま(後拾遺和歌集)

夢よりもはかなきものは秋の田の穂波の露にやどるいなづま(続後撰和歌集)

世の中のはかなきほどにくらぶればなほ稲妻もひさしかりけり(永久百首)

いにしへはこころに近し稲妻のひかりのまにも幾世(いくよ)へぬらむ(草根集)

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