monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

春の雪/残雪

2012年02月08日 | 日本古典文学-和歌-春

空はなほふりにし年にかはらねどつもらぬ雪に春ぞ知らるる(藤葉和歌集)

春きては日かずへぬれど岩がくれ残れる雪は消えがたきかな(堀河百首)

初草はしたにもゆれど片岡のおどろがうへの雪は消(け)なくに(風雅和歌集)

ながめやるすゑ野の原の若草につもると見れば消ゆるあは雪(安嘉門院四条百首)

かつ消えてつもりもあへず早蕨(さわらび)のもゆる春日の野べのあは雪(宝治百首)

はつはつの若菜を摘むとあさるまに野原の雪はむらぎえにけり(夫木抄)

消えなくにまたや都をうづ むらむ若菜つむ野もあは雪ぞ降る(千五百番歌合)

おのづ から残るがうへに降りそへてよそにつもらぬ春のあは雪(延文百首)

降りつみし去年(こぞ)の白雪むら消えてあらはれそむる野べの通ひぢ(新続古今和歌集)

立ちかへる春のしるしはかすみしくを初瀬山の雪のむらぎえ(堀河百首)

春風に谷のこほりはとくれども消えのこりたる嶺のしら雪(堀河百首)

空にのみ降るとは見えて吹く風に散りておとなき春の淡雪(草庵集百首和歌)

かきくらし降るとはすれどかつ消えぬかすめる空の春のあは雪(宝治百首)

山の端(は)にうぐひす鳴きてうちなびき春とおもへど雪は降りつつ(古今和歌六帖)

梅が枝に鳴きてうつろふ鶯のはね白たへにあは雪ぞ降る(万葉集)

まづ 咲ける花とやいはむうちわたす遠(をち)かた野べの春のあは雪(新後撰和歌集)

冬枯れのこずゑに残る去年(こぞ)の雪は今年の花のはじめなりけり(秋篠月清集)

霞立ち木(こ)の芽もはるの雪ふれば花なき里も花ぞ散りける(古今和歌集)

春たちてなほ降る雪は梅のはな咲くほどもなく散るかとぞ見る(拾遺和歌集)

まだ咲かぬ花のおもかげさきだてて風にちりくる春のあは雪(嘉元百首)

咲かぬまは花と見よとやみ吉野の山のしらゆき消えがてにする(新勅撰和歌集)

春の雪の梢ににほふ吉野山花よりさきに花を見るかな(夫木抄)

まがへつつながめぞくらす花をのみまつの梢の雪のむらぎえ(千五百番歌合)

花ならで折らまほしきは難波江の葦の若葉にふれる白雪(後拾遺和歌集)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 1月の着物コーディネート | トップ | 余寒 »

コメントを投稿

日本古典文学-和歌-春」カテゴリの最新記事