monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「むせぶ」用例

2015年06月30日 | 日本国語大辞典-ま行

 「むせぶ」という単語には「①煙や異物で喉(のど)が息苦しくなる。」という語釈があり、日本国語大辞典・第二版では、『清輔集』(1177年頃)からの例を早い例としてあげていますが、もっとさかのぼる用例があります。

すくも掻きおのれふすぶる蚊遣火(かやりび)の煙(けぶり)にむせぶ賤(しづ)の男(を)やなぞ
(一八二・某年五月五日■子内親王歌合、十二番・蚊遣火、右・宣旨)(■=示へん+某)
『平安朝歌合大成 増補新訂 第二巻』同朋舎出版、1995年、1255ページ

蚊遣(かやり)火をま近(ぢか)く立(た)てて(ゝ)山がつのお(を)のれ煙にむせぶ何ぞも
(夏十五首、蚊遣火、肥後、494)
『和歌文学大系15 堀河院百首和歌』明治書院、2002年、94ページ


コメントを投稿