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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

埋もれ木(うもれぎ/むもれぎ)

2021年07月03日 | 日本古典文学-草樹

とりのねも-きこえぬたにの-うもれきは-わかひとしれぬ-なけきなりけり 
(古今和歌六帖~日文研HPより)

うもれきの-うへはつれなく-ありなから-したにはふかき-こひもするかな 
(能宣集[円融院献上本]~日文研HPより)

(たいしらす 読人不知)
なとり川/せゝのむもれ木/顕れは/いかにせんとか/あひみそめけん 
(古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

恋歌の中に 平政長 
うしとても/あふにしかへは/名取川/よし顕れよ/せゝの埋木 
(続千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

(ひやくしゆのうたたてまつりけるとき、こひのうたとてよめる) 左京大夫顕輔 
おもへとも/いはての山に/年を経て/朽やはてなむ/谷の埋木 
(千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

百首歌奉し時 前関白太政大臣 
我恋は/深山かくれの/埋木の/くちはてぬとも/人にしられし 
(続千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

 おもはずに奥州にいきける時、せぜのむもれ木きりて便につけて、孝範へまゐらすとて
世に残るなとりの河のいかなれば身はむもれ木となりはてぬべき
(雲玉集~「新編国歌大観8」)

たにかけに-あるもかひなき-うもれきの-しられぬなさへ-くちやはてなむ
(日吉社撰歌合_寛喜四年三月十四日~日文研HPより)
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残雪の心を 土御門院御製 
むもれ木の/春の色とや/残るらん/あさ日かくれの/谷の白雪 
(続後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

救濟法師
 ありとも見えぬ苔の下水
埋れ木の枝には波の花咲きて
(菟玖波集・1028~バージニア大学HPより)

谷鴬
氷とけ上こす花のささ浪にうくひすさそふ谷の埋木
(草根集~日文研HPより)

 (落花の心をよめる) 覚樹法師 
峯にちる桜は谷の埋木に又さく花と成にけるかな 
(金葉和歌集(初度本)~日文研HPより)

(たいしらす) 源頼康 
山桜/なかるゝ水を/せきとめて/瀬々の埋木/花咲にけり 
(新後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

建保二年、内裏詩歌を合られけるに、河上花 定家 
なとり河/春の日数は/あらはれて/花にそしつむ/せゝの埋木 
(続後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

谷水
谷川のしからみならぬ埋木にせかれて水のみ草よるなり
(草根集~日文研HPより)

文保三年百首歌奉りける時 前大納言為定 
名取河/せゝの埋木/うきしつみ/あらはれて行/五月雨の比 
(新拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

夏歌の中に 従三位為継 
名とり河/せゝにありてふ/埋木も/淵にそしつむ/五月雨の比 
(新後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

渓五月雨
五月雨の日をふるままに埋木のそこともみえぬ谷の下水
(宝治百首-頼氏~日文研HPより)

澗底蛍火
谷川にそこら蛍のすたくかな苔の埋木朽ちやはつらん
(草根集~日文研HPより)

權律師源義
 もみぢをわたす谷川の橋
埋れ木も蔦のかかるに秋しりて
(菟玖波集・1167~バージニア大学HPより)

もみちちる-あふくまかはの-うもれきに-あきのいろをは-なみやそむらむ
(沙玉集~日文研HPより)

せをはやみ-あふくまかはの-うもれきに-のこるこのはの-あきそいさよふ 
(春夢草~日文研HPより)

ふりうつむ-とほやまもとの-たにふかみ-みえてすくなき-ゆきのうもれき 
(洞院摂政家百首-教実~日文研HPより)