monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 冬 十月

2013年10月02日 | 日本古典文学-冬

神無月といふ事は日本の神たち出雲の國にあつまりたまへば出雲には神有月と申すとかや
かの大社の明神は諸神のつかさにてましませばこのところにもろもろの神たちあつまり給ふ
げにも出雲の海づらにはさゝ舟いくらといふ数なくうかびてみゆといひつたへ侍り
北時雨いくしほそむらん青かえでもいろことに染わたりて
にしきをさらす山々の名どころはおほけれど
ことさら龍田の明神は紅色をこのみ給へばもみぢのいろもことにそめわたり
川にちりしくありさま蜀江(しょくかう)にひたしてすゝぐにしきのいろもかくやとぞおもほゆ
都ちかきところには稲荷山のもみぢも名たかけれと高雄のもみぢは一きはの詠めぞかし
あたり近き清たきの川瀬よりちりうきてながるゝもみぢの色を見ざらんもこゝろづきなし
谷ふかきにむかひてかはらけなげのあそびするはさら也
(佛教大学図書館デジタルコレクション「十二月あそひ」より)

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