日本は超安全社会である。およそ危険の存在が認められていない。
しかし,それは,現実とは異なる。必然的に危険を伴う,という出来事が,結構ある。
最近,医療の世界に対しては,法律の世界も,ようやく,完璧な安全主義から脱してきたように思われる。手術をはじめとして,どのような治療手段も,何らかの危険をはらんでおり,それが避けられないこともある。
これと同じことが,スポーツの世界でも,また,こういった武術の訓練の世界でも同じことである。スポーツの技を磨くためには,ある程度の危険を冒さざるを得ないし,武術の訓練でも,実践に役立つレベルでの訓練には,必然的に危険を伴わざるを得ない。
警察官が,犯人逮捕の場で,犯人に負けていたのでは,お話にならない。抵抗すると,公務執行妨害で罪が重くなるぞ,と叫んでも,犯人としては,捕まってたまるか,というところだろう。
それはともかく,必然的に伴う危険を避ける工夫が必要なことは当然ではあるが,事故が起こった場合に,それが,必然的に伴う危険の範囲内なのか,それとも,本来は避け得た危険だったのかという判断もまた,かなり難しいものとならざるを得ない。
これは社会が複雑になればなるほど,いろいろの場面で,いっそう難しい問題となってきている。
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