とりあえず法律・・・・かな?

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さあ,不動産鑑定士はどうなる

2011-02-17 01:45:00 | 指定なし

 3億4千万円で売却され,その後さらに老朽化が進んだ建物を,不動産鑑定士が13億円と鑑定して,12億円の現物出資増資がされたとのこと。


 


 専門的であるようで,ホントにそうかという疑問が,いつも抜けないのが不動産鑑定。悪くいえば,専門的判断というマジックワードを使って,どうにでもできるという世界。ちょちょっとした数字の操作で,4倍とまでは言わぬまでも,2倍やそこらの鑑定価格の上下は軽いんでしょうね。


 


 だから,ちょっと無理をすれば,今回のように少なくとも4倍位の金額は出せるということなのだろうか?


 


 だいたい,不動産鑑定の手法は,比準法といって,類似の不動産の公示価格を調べ,地域要因や個別要因をプラスマイナスして求める方法,取引事例比較法といって,実際の近隣の取引価格から求める方法,収益還元法といって,収益物件の場合の,見込まれる収益(利息)に対する資本(元本)という考えから求める方法など,いくつかの方法があって,これを組み合わせて求めることになっているが,別の不動産の例を基にしつつ,目的の不動産に合わせて調整するという手法は,大体共通であるだけに,そこに鑑定士の裁量が入り込む余地が大きい。


 


 そうすると,その数字を適当にいじることで,価格の差が結構出ることになる。係数を1とすべきところを0.9とするのを2回やれば,それだけで8割になってしまって,2割の差がついてしまう。


 


 まあ,そうやって,依頼者に都合のよい数字を求めてあげるのが不動産鑑定士としてのサービスだと割り切ってしまえばそれでいいのかもしれないが・・・・


 


 大体において,不動産鑑定は,銀行融資で担保評価のためによく用いられてきていたが,バブルのころはいうに及ばず,それ以前からでも,有力者がちょっと口を挟めば,担保評価が大きく上下するということは,暗黙の了解事項であったように思う。


 


 これが,バブル期の過剰融資の遠因にもなっているもので,バブル崩壊による金融機関の傷を拡げた結果にもなっているのであろうが,やっぱり,専門家が,それを反省して,襟を正すというのは,なかなか難しいことなのかもしれない。


 


 専門家は,プロフェッショナルとして,客観的公正であることが求められているが,それでは営業が成り立たない。専門家を使う方は,自分に有利な数字にお墨付きを与えるために使っているのだから,金を出す本人は,誰も客観的公正な結果など期待していない。期待しているのは,実際には適当な数字であるにもかかわらず,それが,専門家のお墨付きによって,いかにも客観的公正であるかのように見えること,でしかない。


 


 そこに,本当のプロが,どう抗っていくか,これが難しいとkろであろう。


 



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