前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

福井県議会。IAEA。新幹線問題。人口減少問題。

2015年10月02日 | 福井県政
2015年7月6日 県議会総務教育常任委員会の審議での佐藤正雄議員の質疑部分を紹介します。

総合政策部関係

■IAEA会議。旅客流動調査

◯佐藤委員  予算案説明資料5ページのIAEAの国際会議に約300万円と出ているのだが、会議の費用そのものはトータルで幾らぐらいかかるのか、あと、会議参加者が何人ぐらい来られて、どの程度の規模なのかというのを教えてほしい。


◯電源地域振興課長  IAEAの国際会議の予算についてであるが、全体の費用は2,280万円余りである。
 内訳を申すと、そのうちIAEAが負担するものが1,050万円、これは海外の参加者の渡航費である。それと、会合については、専門家会合と原子力発電の関連施設の視察があり、それが900万円余りで、これは国の負担でお願いしている。残りが県負担となるが、これが339万2,000円である。これが予算資料に出ている金額であるが、これは歓迎のレセプションと、せっかく海外からお越しいただくので、県内の文化施設を見ていただきたいということで計上しているものである。
 全体の規模であるが、専門家会合は世界30カ国、四、五十名程度で予定をしている。また、せっかく海外から原子力の専門の方がいらっしゃるので、国内の原子力関係の技術者や関係者と交流し、話し合う機会ということで公開セミナーを予定している。これは150人ぐらいの規模で開催したいと思っている。


◯佐藤委員  以前もこういう会議が開催されたと思うのだが、冒頭部分を除いて非公開になったという記憶がある。記憶が間違っていれば訂正してほしいのだが、原子力利用の公開の原則に照らすと、非公開にするというのはいかがなものかと思うがどうか。


◯電源地域振興課長  今のところ非公開ではなくて公開という形で専門家会合は考えている。


◯佐藤委員  わかった。
 それから、もう1点、予算案説明資料の7ページの並行在来線旅客流動調査事業について伺う。この調査期間、つまり何月何日から何月何日に行うのか、また、JR自身も、何年かに一度は同じような調査をしていると思う。その資料をもらえば、県独自に調査しなくてもいい部分も出てくるのではないかと思うが、その辺はどうなのか。


◯新幹線建設推進課長  まず、時期の話だが、今考えているのは11月の平日1日で、県内の並在区間、石川県境から敦賀までの始発から終着全ての普通列車、特急列車の旅客流動を調査する予定である。
 この旅客流動調査は、始発から終着全ての県境をまたぐ、いわゆる乗り込んで調査をするなどという細かいところまでの調査である。今言われたJRの調査では、駅での利用人数などはわかるが、そこまで細かい調査はしていない。


◯佐藤委員  1日だけの旅客調査で2,000万円ということなのか。


◯新幹線建設推進課長  全ての列車、特急に乗り込み、全ての駅に張りつく、そして県境をまたぐため、相当の人数をかけてやる1日分の経費になっている。


◯佐藤委員  先行の石川、富山はどんな調査方法でやっているのか。


◯新幹線建設推進課長  石川、富山も皆同じにやっている。石川県については、今年3月に開業した富山県境-金沢間の調査に合わせ、金沢から福井県境までの調査を平成24年度にやっている。


■新幹線問題

◯佐藤委員  一般質問でもしたが関連で質問させてもらう。今、議論にあった先行開業で、部長の答弁は、先行開業は経済波及効果の早期発現になる。それは、福井駅先行開業でもそういうことだという答弁だったと思うが、それは何か試算はされているのか。


◯総合政策部長  北陸経済連合会の試算で、金沢以西、敦賀までで1年早ければ年間800億円、うち、福井県分が年間200億円という試算があり、我々としてはその数字を念頭に置いているということである。


◯佐藤委員  しかし、敦賀延伸を決めた国土交通省の分科会でも、いわゆるB/Cが1.0を超えるかどうか微妙なところだという議論があった。また、B/C1.0を超えるためにフリーゲージを導入して、乗り換えによる利便性低下を防ぐことによって費用対効果を上げるという議論があったと聞いた。敦賀まで延伸してようやく1.0を超えるというのに、どうして福井先行開業で費用対効果がそれを上回ると言えるのか。


◯新幹線建設推進課長  委員の指摘のとおり、確かにB/Cの計算上、フリーゲージを用いて若干上がった試算にもなっている。それは乗り換え利便性の話かと思うが、試算のB/Cについては、敦賀までで1.12で、それは適正な数字だと思う。また福井までという試算はしていないが、敦賀までの試算については1.1以上あるという北陸経済連合会の試算は間違いないと思っている。


◯佐藤委員  政治の勢いで流れている面もあると思うのだが、行政の皆さんはその辺冷静にきちんと見てもらわないと、県民から検証を求められた場合にうまくないのではないかと思う。
 それから、あわせて事業費についても一般質問で聞いたら、留置線の関係で130億円から160億円と幅がある。これをそのまま置いておくかどうか。撤去すれば、また新たな費用もかかるという話だった。これは、そのまま置いておくか、あるいは撤去するかというのは、いつ決まるのか。


◯新幹線建設推進課長  留置線の話だが、検討委員会の中では存置の場合が安く上がる、撤去費がかからないということで、今、鉄道・運輸機構、またJRも呼んで検討を進めているところであるので、夏までには結論は出るかと思う。


◯佐藤委員  その際、問題になるのは、部長も答弁されたように、県の負担、市町の負担は、まだつまびらかでないということだと思う。当初この沿線の市町の市長、町長が覚書というか、調印されて、合意した計画とは変わってきて、負担金もふえるということにもなってくるし、第三セクターも早目に準備しなくてはいけない。平たく言えば契約の大幅変更になると思う。この辺はどのように市や町の行政、それから議会に説明して了解を求めるのか。


◯新幹線政策監  この130億円から160億円とか、そういった費用がかかることは今わかってきているのだが、それに対する財源をどうするのかということについては、まだ検討委員会の中でも議論されていないし、県とか、あるいは市町が負担するとか、そういう話も一切挙がっていない。


◯佐藤委員  もともと市町の市長、町長の合意も、時期的には割と強引にちょっと進められた。それぞれの市議会、町議会に対する説明も十分でなかった記憶があるのである。だから、そういうことがないようにきちんと丁寧に進めてほしい。
 最後になるが、第三セクターを石川県と合同で立ち上げて、コストの縮減、ひいては利用者の利便性の確保ということで提案しているのだが、石川県側とこの問題で相談というか、話し合いはされているのか。


◯新幹線建設推進課長  委員指摘のとおり、今から単独でやるか、または石川と合同でやるかという話は進めていくことになるかと思うが、何分、富山県、石川県も単独でやって、それも大体4年前に結論は出た状況であって、我々としても協議会の中でまた具体に話をしていない。今後、石川県と協議をしていきたいと考えている。


■人口減少問題

◯佐藤委員  地方創生人口減少対策の論点の説明があった。せっかく説明があったので質問したい。本県の優位性、本県の課題、対策の方向性とあるが、今、東京一極集中が問題になっている。福井県を初め、地方からすると、俗っぽく言うと、東京は敵だという構図になると思う。
 そうした場合に、福井県が東京よりも劣っているところは何なのか。例えば子育て支援でも、あるいは働く環境でも、あるいは高齢者の老後の生活支援でも、そういうことも洗い出して、福井は東京よりも劣っていないと示さないといけないのではないか。交通網は、すぐにはならないだろうが、しかし一人一人が生活していく上でのそういうものは東京より劣っていないということをもうちょっと押し出すべきである。東京に住んでいる人を引っ張ってこようと思うのであれば、そういうアプローチも必要でないかと思うし、それからもう一つは、これも言い方が微妙だが、東京は福井に比べて、危ない都市である。危ない都市というのは、要するに大震災の危険性も福井よりは高い。都市の構造からいっても、海抜ゼロメートル地帯だから、何かあったら大浸水で大変なことになる、そういうリスクが大きい都市である。それに比べると、福井は、原発などがあるが、まだ安全だということも含めて、福井のそういう住みやすさ、安全性というのもやはりきちんとPRしていくということをやっていかないといけない。全国9位とか全国3位とか全国2位とか並べても、東京にいる人が、これをみてどう思うかという気がする。
 それと、もう一つ、原発の話をしたのであれなのだが、福島の事故があって、東京に避難している人が物すごく多い。1万人はいかないかもしれないが、何千人かであろう。東京都庁の中に、避難者の生活を支援している福島県庁の出先があるのである。そこへ視察に行かせてもらったことがあるのだが、そこの職員の方と話をして、どうかとお聞きすると、なかなか厳しい、東京の生活になれると、福島に戻りたいという気持ちはだんだんなくなっている、本当に悩ましいというお話だった。だから、原発事故というのがあった結果なのだが、東京での生活になれてしまうと、とにもかくにも便利とかいろいろなことがあって、福島の生活よりはよっぽどこっちが暮らしやすいということになってきている人がどんどんふえていて困っているというお話だった。
 やはりそういうことが実際にあるわけだから、ぐっと引きつけていこうと思うと、言葉は悪いが、選挙で言えば敵の悪口も言ったりすることもあるので、行政が行政の悪口を言うのは禁句かもしれないが、その辺は作戦の上でいろいろ考えて打ち出していかないといけない。こういうありきたりのペーパーだけではどうかという気はするのだが、いかがか。


◯ふるさと創生室長  まず、東京への一極集中の是正については、進学や就職の時期において、多くの若者が東京へ流れ、その後戻ってこないことが大きな課題と考えている。委員の指摘のように、地域の魅力をどのようにつくっていくか、そこが一番重要な部分だと考えている。
 そして、首都圏の方にお聞きしたところ、やはり県内に行きたい大学の学部が少ないといった意見もあり、また、都会の大学の魅力があるので都会へ行くということもある。本県の大学自体の魅力向上といったことも含めて考えていきたい。
 さらに、やはり仕事がないと戻ってくることも難しいので、仕事づくりもあわせて考えていきたい。


◯ふるさと県民局長  一つ具体的に申し上げると、人生トータル設計書というのをつくりたいと考えている。これは、東京から福井へ移住する際、給料が少し安いのではないかなど、具体的な心配があるかと思う。このため、給料は安いかもしれないけれども、生活費も安いという経済的な指標をはっきり出せるように、年齢、家族構成ごとに作成していきたい。
 この人生トータル設計書は、委員が指摘された、住みやすさというのも、経済的コストに換算して算出できるようにする。経済産業省もコスト計算書を出しているが、その中に通勤時間が短い、あるいは近くで子供たちと一緒に遊べるなどという、いわゆる純粋に経済的ではないものもコスト計算して入れていくという手法があるので、これらの考え方も取り入れながら、東京との比較ということを念頭に置いて、人生トータル設計書を示していきたい。


◯佐藤委員  議論は始まったところだが、余り時間もないようだけれども、余り上品になりすぎずに進めてないといけないと思う。頑張ってほし

福井県議会。国側との質疑。県民理解に県は努力を。レスキューセンター。後退する原子力防災。

2015年10月02日 | 福井県政
 2015年7月9日 福井県議会原子力発電防災対策特別委員会での佐藤正雄議員の質疑を紹介します。


■資源エネ庁、内閣府、規制委員会との質疑

◯佐藤委員  私も順番に質問したいと思うが、資源エネルギー庁の資料の18ページの計画で、原発の依存度が20%から22%という案が示されていると思うけれども、これでいくと、大体全国的に原発の再稼働基数──40年を超えている、超えていないはいろいろあるだろうが──どのぐらいで見込んでいるのか。今の基本的な考え方をお尋ねしたいと思う。
 それから、原子力防災の関係でお尋ねをする。福島第一原子力発電所の事故の後、私も県議会も視察に行ってきたが、避難に当たっては、実際にSPEEDIのデータ等の提供がなかったという問題などが指摘され、ニュースなどでもよく流れたけれども、今回、そういうものが重視されない計画になっている。それから、UPZ──5キロメートルから30キロメートル圏内では、まず屋内退避しろとなっていて、我々から見れば、住民をそこへ閉じ込める、要するに、まず逃げるなという発想になっている。これは、福島第一原子力発電所の実際の事故の状況に照らせば、情報はなかなか提供されない、住民は地域に閉じ込められるというニュアンスがあるのだけれども、その辺がどうなのか、お尋ねする。
 それから、原子力規制委員会の方には、たくさんのいろいろな対策を考えられているのはよくわかるのだけれども、たしか、原子力規制委員会も福島第一原子力発電所の事故の検証はまだ途上だと思う。中間報告を出された以降はやられていないと思う。報道などでは、東京電力でも、なかなか中に入って調査が十分できないので、たしか、まだ、五十数項目の未解明部分があると聞いているわけだが、今後、原子力規制委員会としては、このあたりをどのように対応していくのかについてお尋ねする。


◯資源エネルギー庁審議官(エネルギー・環境担当)  まず、初めの原子力発電の比率についてであるけれども、この比率を具体的にするために、どの発電所、どれだけの基数といったところは、あくまで原子力規制委員会での審査に委ねられている部分があるので、個別には想定していない。
 一方、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」に従って、既に高浜発電所1・2号機に関しては、40年を超えた運転に関する手続が進められているし、ほかの炉に関しても同様の手続が行われるところもあるので、40年の原則を超えて運転されるものもそれなりの数あるだろう。さらに、事業者における自主的安全性の向上の取り組みが進んでいるけれども、これによって設備利用率の向上も期待できる。そうしたことを考えて、2030年に20%から22%という原子力の比率は達成しうるものと我々は考えている。


◯内閣府政策統括官(原子力防災担当)付参事官(地域防災・訓練担当)  まず、1点目は、今回説明した防災対策がSPEEDIを利用することになっていないのではないかという質問かと思う。
 このSPEEDIの関係については、原子力規制庁の所管かと思うけれども、これは福島第一原子力発電所の事故の教訓で、SPEEDIは非常に不確定要素が大きくて、それを実際の避難に使うことについては、予測が外れた場合に、より被曝が大きくなるといったリスクを考えて、避難に当たってはSPEEDIを利用しないという指針の改定を行い、その旨、つい先日の防災基本計画の改定にも反映したものである。この考え方に基づいて防災計画、地域避難計画を実行的なものにしていく必要があると思っている。
 それから、PAZ圏内の方の避難の後にUPZ圏内の方が避難する2段階避難において、PAZ避難の際にUPZ圏内の方はまだ屋内退避をせよということが、いかにも閉じ込めているように見えるとの質問だけれども、この2段階避難の考え方も、先ほど申し上げたとおり、福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえた新しい基準であり、こういった考え方は国際基準にものっとっているものと理解している。
 近いところの方はなるべく早く逃げていただいたほうがいいという一方で、遠いところの方、特に新規制基準を満たした原子力発電所については、しっかりとその推移を見ながら、その間は、無用なところで避難をして渋滞を起こしたり、あるいは支援が必要な方を無理に動かしたりすることは、非常に危険だということが福島第一原子力発電所の事故の教訓だと思っているので、この指針の考え方にのっとった防護措置の段階的な避難をしっかりとやっていただきたいと思っているし、情報については、先ほども説明した防災無線や、あるいは広報車などでしっかりと伝達していく。これも、福島第一原子力発電所の事故のときには、なかなかなされなかったと聞いているので、自治体の方と実行的なやり方をしっかりと綿密にさらに追求していきたいと思っている。


◯原子力規制庁安全規制管理官(PWR担当)  事故の調査についての質問であった。
 私はちょうど、この事故の原子力規制庁としての調査の報告書も担当していた。何が原因だったのかは、津波によって電源盤が水没し、また、そのうち、どの電源盤の制御回路が水没したのかまでは把握をした。だから、事故が何で起こったかはわかったのだけれども、では、事故で格納容器の中がどう壊れていったのかについては、まだまだ時間がかかるとのことである。これについては、原子力規制委員会の中に検討会をつくって長期的に検証を進めていく予定になっている。
 また、最終的に格納容器の中がどうなったのかわからない状態で、基準がつくれるのかとの質問も多々受けるのだけれども、先ほども説明したように、例えばポンプがどのように壊れていったかということは、なかなかわからないところもあるので、基準では、そのポンプがなくなったと思って対策を立ててほしいという考え方になっている。


◯佐藤委員  回答いただいたけれども、まず資源エネルギー庁の方に伺うが、高浜発電所1・2号機については、手続が進められているので、当然、40年を超える原子炉を含めてやってくことになるのだけれども、その際に問題になるのは、老朽化しているので、今の日本のやり方では、部品はいろいろと取りかえられても、原子炉そのものはとりかえられない。だから、平たく言えば、金属的に物すごくもろくなっている状況もあるので、ただ単に40年超も動かすという判断だけではなく、もろくなっているものはだめだという判断はどこでどうされるのか。
 それから、内閣府の方の説明はなかなか納得できないのだけれども、より被曝が大きくなる可能性があるため、SPEEDIは利用しないと言われた。しかし、今、あなた方がやろうとしていることは、要するに5キロメートルから30キロメートル圏は閉じ込める、30キロメートルから先は、指針としてきちんと示されないということである。例えば、私が視察に行った飯舘村などは、たしか四、五十キロメートル離れていると思う。あの人たちの状況を考えれば、今回の皆さんのこの対策ではカバーし切れないわけである。だから、SPEEDIがあれば、例えば50キロメートル地点まで放射性プルームが流れて、あるいは雨によって、この村は危ないという情報が多分提供できたと思うのだけれども、そういうことに照らせば、全く福島第一原子力発電所の事故を踏まえた対応になっていないのではないかと思うが、その2点について伺う。


◯資源エネルギー庁審議官(エネルギー・環境担当)  高経年化をしている炉について言えば、特別に点検を行い、市町とも評価した上で個別に申請が出されていくものと思っている。具体的な審査はもちろんのこと、原子力規制委員会の中でそうした点を踏まえて審査が行われるものと理解をしている。


◯内閣府政策統括官(原子力防災担当)付参事官(地域防災・訓練担当)  先ほど、5キロメートルから30キロメートル圏は屋内退避を続ける、あるいは30キロメートル以遠の対策がないのではないかと言われたが、これは恐らく、この前指針が改定されたことを指しておられるかと思う。
 いずれにしても、福島第一原子力発電所の事故の教訓も踏まえ、そして、そういう観点から、技術的に国際基準にも照らして、原子力規制委員会がそういった考え方を示していると理解しているので、それに基づいてしっかりと対策をしていきたいと思っている。

◯佐藤委員  原子力規制庁の方に、簡単に2点だけお尋ねする。
 きのうの夕方、田中原子力規制委員会委員長の記者会見があった。私はあれをライブで見て、真面目な方だと思ったけれども、気になる点が1点あったので、それはどのような考えなのかを確認したい。マスコミの方の質問に対し、「地元の政治家や議員が何を言っているかは政治家の花火である。だから、我々が気にする必要はない。原子力規制の根本は政治的独立性である。これを死守しなくてはならない」と答えていた。政治的独立性を死守するのは当然なのである。そのことに対して何も文句はないのであるが、我々も県議会議員であるから、県議会議員が何を言っていようが、そんなことを気にしていられないと言われたのでは心外である。皆さん方はそもそも、国会議員であろうと、県議会議員であろうと、市議会議員であろうと、町議会議員であろうと、政治家の声をどのように受けとめて、それをどのように原子力規制庁行政に生かしていくつもりがあるのか、確認しておきたいと思う。
 もう1点は、先ほどいろいろと議論があったように、国民理解がまだ不十分だということもあるし、福井県民の中でも再稼働反対の声がまだまだ強いわけである。だから、原子力規制委員会の審査結果について、行政が求める場合もあるかもしれないし、市民団体が求める場合があるかもしれないけれども、県民、住民の要望に応えて、説明を求められた場合には、そういう場に出向いてきちんと説明することはできるのかどうか。この2点についてお尋ねする。


◯原子力規制庁安全規制管理官(PWR担当)  昨日の原子力規制委員会委員長の会見は、私は電車の中だったので、見ていなかったのだけれども、真意はよくわからないが、国会の場などで質問があれば、委員長、また我々も、きちんと答えているし、さまざまな意見について耳を傾けなければならないと肝に銘じている。
 それと、先ほどあった、地元の方の理解の点であるけれども、これは立地自治体の方を通じて要望があれば、できることはいろいろと考えていきたいと思う。例えばであるけれども、高浜町からは、説明用のわかりやすいビデオをつくってほしいとの要望があったので、我々のほうで20分程度のビデオをつくった例もある。そういうことにはできるだけ柔軟に対応していきたいと思っている。


■県民理解について

◯佐藤委員  安全環境部長の説明の中で、原子力発電の重要性、必要性に対する国民理解が十分には進んでいないから、政府の責任ある対応をとの説明があった。これは知事も本会議で言われたけれども、県民理解についてはどういう認識であるか。


◯原子力安全対策課長  原子力のことについては、国民全体もそうであるが、県民の理解は当然必要なものと考えている。これについては、例えば、現在、高浜発電所3・4号機の再稼働等について、工事計画認可、保安規定認可の審査が続けられており、こういったことについて、事業者や、国の審査状況、県の原子力安全専門委員会等について、厳正に確認していくし、そういったことについて、原子力環境安全管理協議会も通じて、県民の皆様に国や事業者の対策を説明していきたいと考えている。


◯佐藤委員  原子力環境安全管理協議会は特定の定められたメンバーの方が参加する組織であるから、そこで説明したからといって、県民全体への説明にはならないと思う。
 お尋ねするけれども、原子力安全対策課長は、県民から再稼働反対の署名を受け取った。あれは何名分受け取って、それに対する認識はどうであるか。


◯原子力安全対策課長  委員が言われているのは、いわゆる福井県民署名であり、ことし3月24日に、署名数約20万5,000件、そのうち県内の方は約5万人、県外の方が約15万人の署名を私が受け取らせてもらった。そのときに、持ってこられた方の説明もいろいろと受けたし、こういったことについては、知事も含めた上司に、私からしっかりと伝えると話をさせていただいたところである。


◯佐藤委員  であるから、県民の間でそういう署名運動が広がったりする、あるいはそういう要望書が出されたりすることについて、県はどういう認識なのか。要するに、最初の質問で言ったけれども、国民理解は今も十分に進んでいるとは言えないとのことであるけれども、県民理解についてはどういう認識なのかを尋ねているのである。


◯原子力安全対策課長  例えば、高浜町においては、原子力規制庁がことし3月にビデオを放映している。それは高浜町のほか、おおい町も見られる状態だったと思っている。それ以外でも、周辺の自治体では、市町版の安全管理のための協議会のようなところで、さまざま議論がなされているとも承知している。また、県全体としては、本日もそうであるけれども、これまで、例えば原子力安全専門委員会の審議の場も公開として、マスコミ等を通じ、いろいろと動きは県民に伝わっていると思うし、こうした県議会での質疑を通じて県民の理解が進められていると考えている。


◯佐藤委員  そうすると、福井県は国民全体の理解は進んでいないけれども、福井県民は全体として原子力発電の重要性、必要性を理解しているとの認識なのか。


◯原子力安全対策課長  現在の世論調査等を見ると、賛否は分かれている状況であり、これは何も立地と立地以外で分かれている訳ではなく、アンケートによっては立地のほうが進んでいるアンケートもあったようである。全体の問題として、賛成、反対の考え方が別れているのが、原子力の問題だと思っている。そういったことについて、県内、県外にかかわらず、原子力がなぜ必要なのか、今、再生可能エネルギーもなかなか進まない中で、いろいろなエネルギーについては、それぞれいろいろな功罪があるという問題について、どう考えているのかを、しっかりと説明いただくことが重要であると思っている。


◯佐藤委員  今、課長が言われたとおりだと思う。だから、県として、もっと県民への説明に努力すべきだと、私は前から言っているのである。知事が出れば一番いいけれども、知事が出ないにしても、部長なり、課長なり、適切な人が出て、当面は高浜発電所3・4号機の問題もあるし、いろいろなエネルギーの割合の問題も出ているけれども、そういうことについて、何カ所かは別として、1カ所でも2カ所でも3カ所でもいいと思うけれども、県民に対して県が直接説明に出向くべきである。高浜町では説明会をやっているとか、おおい町ではやっていると言っても、福井県全体からすれば一部の県民であるから、やはり県民全体に対してきちんと説明責任を果たすことが必要ではないか。


◯原子力安全対策課長  今、住民への説明会という話があった。住民に対する説明会とか、その開催の方法などについては、それぞれ住民に一番近い立場の市町が、それぞれのこれまでの歴史であるとか、経緯を踏まえて、地域の実情に応じて判断いただくことが重要なのだろうと考えている。


◯佐藤委員  そのような官僚的なことばかり言っているから、皆さんの立場としても、全然、事が進まないのである。では、例えば、福井市民に対しての説明は福井市が責任を持てというのか。なぜ福井市が県の原子力行政の説明責任を持たなければいけないのか。はっきりしてくれ。


◯原子力安全対策課長  原子力政策は、まさに国策であり、地元の立場からすると、それは地元として安全を確保することでやってきているものである。それは県の立場もあれば、それぞれの市町の立場の中で、これまでそれぞれの行政を進めてきたものであると思うので、そこは第一義的に市町の考えがあるかと思っている。


◯佐藤委員  委員長、全然、真面目に答弁してくれていない。市町の考えではないのである。要するに、県は、「国民の理解が進んでいない。国がちゃんとやれ」と言っている。それで、質疑であったように、県民理解も十分進んでいないとの認識なのである。そうであれば、なぜ、県が先頭に立って説明会を開かないのかと私は聞いているのである。


◯安全環境部長  今、原子力安全対策課長から、説明したけれども、まさに今、安全の問題も、あるいは国の覚悟の問題も、さまざまな途中段階にあると考えている。今、委員の指摘の県民理解、県民合意を何で推しはかるかについては、例えば委員も福井市選出の県議会議員でおられるし、最終的には県民の代表である県議会の意見が県民理解のもとになるのではないかと考えている。


◯佐藤委員  安全環境部長はおかしなことを言う。では、国会議員で与党が多数だから、国民は原子力政策が理解できているのか。違うであろう。議会の構成と矛盾があることは百もわかっていて、そういう答弁をするのはおかしい。そうであろう。例えば、自民党なら自民党、政府なら政府が、今、20%か22%の原子力の割合で行こうという方針の案を出している。それに対して、県議会の自民党県政会の議員の中で反対する人、国会の与党の議員で反対する人はいないかもしれない。だけど、そういう人の支持者の中にも、いろいろな疑問や不満がある。それが世論調査との乖離になってあらわれているわけでないか。そんなことは百も承知で、議員に説明しているから、それでいいとか、議員の意見を聞けばそれで終わりだというのは、県の行政としておかしいではないか。ほかの分野ではそのようなことを言わないであろう。土木行政の分野で、例えば、道路を直すときとか、橋をかけるときとか、地元の県議会議員の意見を聞いているから、地元の住民の意見を聞かなくてもいいとは言わないのである。なぜ原子力の分野だけそのようなことを言うのか。


◯安全環境部長  再稼働の問題に限らず、原子力に関するさまざまな課題──40年を超える原子力発電所の運転の延長、かつてはプルサーマルの問題、「もんじゅ」の再稼働等があったけれども、福井県の原子力行政としてこれまで県民理解が得られているかどうかについては、我々は従来から県議会の意見を尊重している。今回の問題についてもそういった立場にはかわるものではない。


◯佐藤委員  県議会の意見を尊重する問題と、県民に対してきちんと説明する話は別だと言っているのである。例えば、土木行政の橋をつけるとか、道路をつける話にしても、当然、地元の県議会議員に説明するか、あるいは県議会に説明するなどはあるけれども、地元、例えば福井市なら福井市、坂井市なら坂井市の住民の皆さんにも、必要に応じて土木部が説明会を開いたりするであろう。意見を求めたりするであろう。それと同じように、原子力行政という関心の高い問題で、しかも、今、課長が答弁されたように、賛否が大きく分かれている問題で、なぜ県が前に出て説明責任を果たさないのかと言っているのである。


◯安全環境部長  安全の問題については県原子力安全専門委員会の審議を公開し、その過程をつまびらかにしているところである。原子力政策は、基本的に発電事業者を国の一元的責任で管理・監督しているのであるので、国ないし事業者において、そういった説明責任は果たされるべきであるというのが我々の立場である。


◯佐藤委員  前にも言ったけれども、栗田県政のときには、同じ原子力行政を進めてきた福井県で、何度となく、そのような説明会を開いているわけである。最近はそういうことがない。非常に謙虚ではないと思う。県民の意見を聞くことがどうしてできないのかと思う。それはインターネットで聞くとか、いろいろとやっていると言われるかもしれないけれども、やはり、県原子力安全専門委員会が、しかるべき時期にしかるべき結論を出す、あるいは出したとなったときには、県原子力安全専門委員会の委員も、県の部長や課長も含めて、福井県としてはこういう方針で、例えば、高浜発電所の再稼働には臨むとか、あるいは福井県は今後、原子力行政をこうやって進めていきたいと思っていると県民の前で説明して、県民の意見を聞くということができないのは、弱さだと思う。そのような行政では、いつまでたっても溝が──世論との乖離と言われたけれども──埋まっていかない。埋めようとも努力しない。結局、国任せ、関西電力任せでは、ひきょうだと思う。県としてはひきょうではないか。


◯安全環境部長  繰り返すけれども、原子力政策は国策である。国策であるがゆえに、政府がきちんと県民、国民の前に立って説明、説得すべきであるというのが、我々の立場である。


◯佐藤委員  そんなことは、栗田知事の時代も国策であったのである。栗田知事の時代は県の政策でやっていて、西川知事になったら国策に変わったわけではない。以前から国策なのである。だけど、同じ国策で進める中でも、とりわけ、原子力問題では、地元住民を説得するのは当然、県の仕事であろう。なぜ県がきちんと責任を果たさないのかを、県民は疑問に思っているし、不審に思っている。私も、そういう点では、以前の県の行政と比べて非常に問題があると思っているわけである。そういう点で、県としては県民の前へ出て説明する必要性はさらさらないという気持ちなのか。それとも県原子力安全専門委員会が結論を出すときには、必要な県民説明会も開いてもいいとの気持ちがあるのか、その辺はどうなのか。


◯安全環境部長  繰り返しになるけれども、説明責任はあくまで国、事業者が果たすべき問題であると考えている。


◯佐藤委員  もう終わりにするけれども、なぜ、県は独自に原子力安全専門委員会を組織しているのかということになる。組織した原子力安全専門委員会の結論を尊重して、県が判断するわけであろう。国が判断するなら、何も県が一々そのような機構をつくる必要はないではないか。国が決めた、関西電力がやったと言うだけで済んでしまうのではないか。そのようなおかしな言い逃れはないと思う。実際には、県がゴーサインを出さなければ原発再稼働の安全協定はできないし、その過程では、県原子力安全専門委員会の専門家の先生方が審議し、その結果に基づいて妥当だとの結論が出ない限りは、今の流れの中では、西川知事もゴーサインは出さないことになっているのである。もちろん部長が言われるように、傍聴はどうぞと、その過程は公開されている。しかし、そこで質問は許されないのである。そういうことであれば、一つ一つ改善していく、少しでも県民の声を吸い上げていくという努力がなぜできないのかと思う。もう一回、答弁はどうか。


◯安全環境部長  県民の代表である県議会の意見を最大限尊重していきたいと考えている。


■レスキューセンター

◯電源地域振興課長  美浜町の原子力レスキューセンターについてのお尋ねである。現在の状況であるが、今、準備工事をしているところであって、工事のための進入路などの工事を進めているところである。完成時期については、今年度中にフィールドなどが完成すると思うので、完成したところから順次、訓練に生かしていったり、活用していく予定である。
 それから、日本原子力発電の機器については、今、暫定的な期間として、敦賀総合研修センターにロボットなどを置いており、各電力事業者からそこに訓練に来ている状況であるけれども、原子力レスキューセンターについては、施設の規模、資機材も含めて、世界最高水準を目指すとのことで、研修センターにあるロボット等プラスアルファで整備したいと考えている。


◯力野委員  徐々に取りかかっていくようであるけれども、事業の開始時期というのか、いつぐらいまでに完成して、事業全体として本格的にスタートする事業年度──例えば、あと2年であるとか3年であるとかがあるのではないか。


◯電源地域振興課長  先ほど申し上げたように、順次準備工事にかかっているところであるけれども、建設工事等は今年度の終わりぐらいから開始して、平成28年度に全ての建物等を完成する予定である。


◯佐藤委員  今の関連であるけれども、質問にあったように、民間の電気事業連合会がつくるとのことであるが、国はどういう形でかかわって、責任をとるのか。


◯電源地域振興課長  整備については、基本的に電気事業連合会が整備するものであるけれども、その運用に当たっては、原子力サイトで事故が起こったときに、そのサイトに駆けつけて、事故の収束に当たるということである。それについては、国の機関として、自衛隊、消防、警察も、それぞれその実効をあげるために協力していただく予定である。


◯佐藤委員  質問の趣旨と違う。要するに、今、美浜町につくられる、緊急の場合にロボットを投入するなどいろいろと支援を行う原子力レスキューセンターの運営などについて、どのように責任を持たれるのか。要するに、先ほどの議論にもあったように、原子力行政は国策であるから、事故が起こったら、国としてどう責任を持つのかになってくるので、国がそこの運用にはどうかかわるのかと質問をしているのである。


◯電源地域振興課長  国は運用については、特にかかわる予定はなく、事業者が主体でやるものである。


■原子力防災

◯佐藤委員  国策といっても無責任である。見に行ったことはないけれども、フランスなどでは、国がきちんと責任を持って、そのようなセンターをつくっているらしい。だから、そういう点では、日本の原子力行政は、国の責任として大事なところをきちんと押さえないと思っている。
 実は午前中、国の説明があって、内閣府の説明にいろいろと苦言を呈したのだが、例えば、SPEEDIは活用しなくなる、それから、5キロメートルから30キロメートル圏は、事実上、住民は屋内退避の形で閉じ込められる、それから、30キロメートルから離れたところの住民に対しては、何ら手だては考えないと、非常に後退していると思う。福島第一原子力発電所の事故があった直後の、もっといろいろと考えようという議論があったときに比べると、4年たって、喉元過ぎればではないけれども、国の原子力防災計画としては、後退していると思うのであるが、県はどのような認識でどのように改善を求めているのかお尋ねする。


◯危機対策・防災課長  今、SPEEDIの話が出たと思うけれども、国の災害対策指針の中で、福島県の災害以前は、予測をして、それに基づいて避難等の判断をするとのことであったが、指針が改められて、モニタリング等の実測値に基づいて避難の判断をすることになっている。
 そうしたことで、今回、国は、基本的にはSPEEDIを活用しないと言っている。本県としては、避難等の判断をより迅速に的確に行うためには、SPEEDIを活用した予測的な手法についても大切なものであろうと思っており、その活用について、引き続き要望しているし、ほかの立地道県とともに、原子力発電関係団体協議会を通じて要望・要請をしていきたいと思っている。
 それから、5キロメートル圏内、30キロメートル圏内の区切りの話かと思うけれども、国は、5キロメートル圏内──PAZについては、予防的措置をするところということで、事態の進展に応じて、放射能が漏れる前から避難等の防護措置をすると言っている。また、5キロメートルから30キロメートル圏については、UPZとして、緊急時には、当初は屋内退避等の措置を行い、先ほど言ったモニタリング等の実測値に基づき、その基準を超えた場合には、避難をしていただくという基準になっていると思う。これは、国が専門的な観点から、福島第一原子力発電所の実情を踏まえて判断したものと思っているし、また、法令及び国の原子力災害対策指針に基づき、県の地域防災計画も、そのとおり反映している状況である。


◯佐藤委員  やはり、最初に言ったとおり、非常に後退していると思う。例えば、福島第一原子力発電所の事故の直後は、県もいろいろな形で支援をした。放射能測定の支援もした。福井県の職員は向こうへ放射能を測定に行って、ある意味では自分も被曝したわけである。命がけと言ったら大げさかもしれないけれども、そういうことでやっているわけである。
 だから、午前中の議論でも飯舘村の話もさせてもらったけれども、実際にSPEEDIの予測などがもう少し正確に活用されていれば、不要な被曝を防ぐことができたということがある。
 それから、30キロメートル圏より離れたところも、今回、全く議論にされないということでは、さっき言ったように、福島第一原子力発電所の事故の教訓を全く踏まえないことになるわけである。だから、今、課長が答弁されたように、国の計画に沿ってやるというだけでは、県民の理解は得られないのではないか。


◯危機対策・防災課長  今回の地域防災計画の見直しに当たっては、あくまでも、専門的な観点から国が定めた原子力災害対策指針に基づいて運用することに法律上でもなっているので、本県としては、それに基づいてしっかりとやるべきであると思っている。
 ただ、先ほど申したけれども、SPEEDI等の活用については、こういったものがあるのであるから、予測的な手法等についても非常に重要なのではないかということで、今後とも要望し、活用についてお願いしていきたいと思っている。


◯佐藤委員  最後にするけれども、結局、県民に対してきちんと説明をする機会も持たない、そして、原子力防災計画は、福島第一原子力発電所の事故後に、こういう対策が必要だといろいろ議論された当時と比べれば、どんどん後退していく。逆に言うと、そんな事故は起こらないだろうという感じになってきてしまっている点では、非常に後退していると思う。
 だから、そういう状況で、県民に対して原子力行政を信頼してくれと言っても、信頼されないと思う。
 その辺は、部長どうか。


◯安全環境部長  冒頭で委員との議論もあり、委員から例示で、公共事業の場合は県が説明するのではないかとの指摘もいただいたけれども、今回の場合、再稼働の実施主体は事業者である。それを推進するのは、原子力を重要なベースロード電源として活用するという政府の方針に基づいている。しかるに、昨年4月に閣議決定された国のエネルギー基本計画などで国民理解の増進を図ると書いてあるけれども、それが、今、なお進んでいない状況である。これは、国民理解であり、委員指摘の場合によっては、県民理解であるかもしれない。それがゆえに、なお、国が前面に立って、原子力の重要性、必要性を強く訴えるべきであると考えている。
 他方、今、原子力防災に関しては、まさに地方公共団体が実施主体になるものである。指摘のとおり、SPEEDIの問題、30キロメートル圏外の問題、屋内退避の問題、さまざまある。これについては、福井県のみならず、立地道県共通の課題である。13道県で構成する原子力発電団体協議会、それから、7月3日には、福井県知事が委員長を務めている全国知事会原子力発電対策特別委員会などでも、国にSPEEDIの予測的手法の活用を含めて強く求めているので、実現に向けて努力したいと考えている。

福井県議会。大学連携事業。学生への県職員住宅利用。勝山市体育館問題。外国債券問題。

2015年10月02日 | 福井県政
2015年7月6日 県議会総務教育常任委員会の審議での佐藤正雄議員の質疑部分を紹介します。
総務部関係


■大学連携事業について

◯佐藤委員  総務部の予算案説明資料の4ページの仮称大学連携センターの話であるが、この900万円というのは、何に使うのか。


◯大学・私学振興課長  この900万円であるが、今、部長説明にもあったとおり、アオッサの7階に今年度中に設置をするということで、それの設置に係る備品等の購入経費が主である。


◯佐藤委員  これは県内の、例えば福井大学や県立大学といった、幾つかの大学があるが、その学生に対して共通の講義を持とうということになると思う。これは未来永劫やるということか。


◯大学・私学振興課長  これはただいま部長から申し上げたが、文部科学省の補助金でCOCプラス事業というものがある。これを財源に考えていて、採択があれば今後5年間継続をする。ただ、5年間が終わった後についても、ゼロに戻すわけにはいかないので、何らかの形で支援しながら継続していきたいと考えている。


◯佐藤委員  COCというのはセンター・オブ・コミュニティの事業である。
 それで、5年間はやるけれども、例えば、これまで県立大学、福井大学、仁愛大学、それぞれに教官が3人いたとする。ここで共通して開講できると教官を2人に減らすことができるとか、1人に減らすことがきるということで5年間の間に教官が減ったとする。5年後、今言ったように県が保証してくれるのかどうかわからないとすると、仮に、もとの各大学でやってくれ、事業はこれで終わるということになったら、各大学が困ることになる。要するに、教科ごとに合同でやれば、人件費なども節約できるという構想もあるかと思うけれども、その辺はきちんとやっていかないといけない。大学単体の事業ではなく、県が音頭をとってやるわけである。県が責任を持ってやっていくということを、各大学との間で話しているということか。


◯大学・私学振興課長  県が主導でやっていくのではない。COCプラス事業は、県が求める補助金ではなく、大学が求める補助金である。
 それから、共通開講の授業については、県の要請に基づいて大学に行っていただくものであるが、当然、5年間が終了して、大学が、そのような形で継続ができなくなるとまずいので、これについては、当然、継続できるように大学とも話をして進めていきたいと考えている。


◯佐藤委員  あと、例えば、福井大学なら福井大学、医学部なら医学部、県立大学なら県立大学で請け負った講義を、ここで受けるということになると思うが、その辺の交通利便性、あるいは交通費、あるいは授業間のカリキュラムの調整はできているのか。これまでは同じ大学でぐるぐる回ればよかったものが、カリキュラムによっては、わざわざ駅前へ出てきてから、また大学に戻らなければいけないということになると思う。その辺はどのように配慮されるのか。


◯大学・私学振興課長  カリキュラムの時間配置については、例えば、共通授業を受けた後に、また、大学に戻らなければいけないということをゼロにするわけにはいかないと思うが、なるべく学生が受けたい授業を受けられる形になるよう大学側と協議をしていく。
 次に、交通の問題についても、確かに県立大学、仁愛大学、さらには敦賀市立看護大学は、大分距離があるので、これから開講に向けての措置になっていくが、例えば、車で来校された場合には、駐車場の料金を援助する、例えば、バスを走らすといった形で、まだ決まってはいないが、県が何らかの手段で措置していきたいと考えている。


■学生への県職員住宅の活用

◯佐藤委員  関連であるが、大学・私学振興課長ではなく、ほかの方になると思うけれども、以前、県の職員住宅も抑制していくというか、あまり受け入れずに出ていってもらう方針で臨んでいるという説明を聞いたことがある。
 私の住んでいる地区にも県職員住宅はあり、結構空き部屋があると思っているが、県職員には出ていけと、そんな露骨には言わないが、なるべく出ていってくれと言いっておきながら、その一方で、便宜的に活用するというのは県の政策としてはおかしいのではないか。


◯財産活用推進課長  委員指摘のとおり、かなり老朽化した公舎がたくさんある。そういったところは修繕にもかなりお金もかかるということで、入居希望の状況を確認しながら、活用できるものはなるべく活用していくという形で考えていきたい。


◯佐藤委員  今、入居していない部屋は幾つあるのか。


◯財産活用推進課長  現在、入居率としては70%ぐらいである。
 ただ、かなり老朽化が進んでいるところは、その修繕にお金がかかるから、実際、入居の希望があってもちょっと待ってくれという形になっている。


◯佐藤委員  要するに、その修繕費用が惜しいから、なるべく県職員住宅に入れないというやり方をとりながら、一方で今のような便宜的な政策というのはおかしい。
 福井に進学した学生に安いアパートを提供するという政策が悪いわけではないが、県の政策としてはどうかと思う。


◯鈴木委員  関連である。佐藤委員から話があったが、県の職員住宅について、大阪や東京にもあるが、どこへ行っても言われるのが、老朽化が激しい、かびくさい、湿気が多い、住めるとこではないということである。今回のこの政策の発想自体はいいが、例えば、今、公舎が空いている理由は、需要がないのではなく、そもそも環境が悪くてそこに住みたくないというものがあるはずである。そういう職員住宅に嶺南の学生が入ると、こんなところに住まなければいけないのかということになりかねない。
 目のつけどころはいいが、職員住宅をどうやって管理、運営していくかという管理運営計画と、今回の嶺南、あるいは嶺北の高校生が大学進学するときに、少しでも住宅手当を支援して県内に残ってもらおうと思う政策は別に考えたほうがいい。
 例えば、県内に残るのであれば、1万円とか2万円の住宅手当を支給して、自分の好きなところに住んでくれというほうが、政策としてはよほど効果がある気がする。職員住宅は職員住宅として、公共施設の総合管理計画の中で、きちんと今後のあるべき姿も含め、しっかりと計画を策定していくべきだと思うが、その辺の関連性については、どのように考えているのか。


◯財産活用推進課長  公舎については、委員が指摘されたとおり総合管理計画を今後つくっていく中で、その位置も反映させていきたいと思う。


◯鈴木委員  わかった。しっかりとした計画に基づいて、運営していただきたい。
 一つだけ聞くが、今、空き部屋があるというのは、需要がないのか、それとも需要はあるけども、どうしてもそこに住みたくないという理由で空き部屋があるのか。


◯財産活用推進課長  一応、ほぼ希望されている方は、入っている。
 ある程度、数に余裕があることは確かだと思うので、今後、必要のないところは、どんどん減らしていくということになると思う。


■財政計画

◯佐藤委員  県債発行が抑制をされているという一方で、基金残高は平成22年度末と比べれば半分ぐらいに減っているという説明であった。
 福井県は今、新幹線とか足羽川ダムとか、いわゆる大型公共事業が集中的に始まっていて、県の負担金もふえる時期になる。知事は新幹線の前倒しでも、どうせ使う金だから前倒しで期間が短くなっても、単年度はふえるけれども、トータルで変わらないのだから、そんなに影響はないという説明をされている。しかし、単年度で大きくふえてくると、敦賀前倒し、さらに福井前倒しということがふえてくると、財政的にはどういう影響が出てくるのか。


◯財務企画課長  今、委員が言われたとおり、新幹線については総額の事業費は変わらないけれど、10年が7年となると、当然その分、単年度の負担がふえるということである。
 新幹線の財源については、そもそも貸付料が充当されていて、その残った部分の2対1の割合で国と地方が負担となり、3分の1が県の負担となる。
 この県の負担の9割は起債発行でき、さらにこの起債については交付税措置もある。そういったところも加味しながら、あとは一般財源の確保に留意しながら、事業は確保していきたいと考える。


◯佐藤委員  従前から、大体そういう説明である。要するに優良な起債であり、交付税措置されるということでずっとやってきて、およそ8,000億円オーバーの県債というか、借金になっている。
 さらにそういう大きな事業をやっていくと、ピーク時の県債残高はどれぐらい膨らむというシミュレーションなのか。


◯財務企画課長  県債の残高で申し上げると、通常債の償還も既に行っているので、既に一昨年の平成25年2月に長期の財政収支というものを出しているが、その中でも最大の残高というのが5,500億円程度だろうとなっている。
 臨時財政対策債については、今後、国の制度設計がどうなるかということもあるので、なかなか申し上げにくいが、いわゆる通常債ベースで見たときの県債の残高というのは5,500億円が頭になるだろうということで試算している。
 3年前倒しのスキームについては、今後、詰めさせていただきたいと思うが、これよりは若干数字が変わってこようかと考えている。
 なお、その場合でも、実質公債費比率18%という許可団体になるかならないかの指標があるので、そちらを下回る財政運営をしていきたいと考えている。


◯佐藤委員  県は4年ほど前に中期財政計画をつくった。当時の新幹線前倒しでないときの計画でも、基金が底をつきかける、非常に厳しいという説明を当時の課長から、こういう場で受けた記憶があるが、今言われたように前倒しすれば単年度が当然ふえてくるので、基金残高が、4年前に試算したよりも、さらに厳しいということになってくるのではないか。その分はどのようにして手当てをするのか。


◯財務企画課長  3年前倒しのときの財政調整3基金の残高というところもあわせて、今後、考えていかないといけないが、先ほど申し上げたように、新幹線について申し上げると、実質的な借金、地方債によって賄われる部分があるが、いわゆる基金が必要という一般財源の部分は、ある程度軽減されているという実態がある。
 ただ、当時と比べても、国の交付金、経済対策もあったので、平成26年度末205億円ということでプランの目標の110億円以上は達成しているところであるが、基金が枯渇することのない財政運営に努めていきたいと考えている。


■勝山市体育館問題。外国債券問題

◯佐藤委員  2点、簡潔に尋ねる。今の関連で、この説明の資料に勝山市体育館も例として挙げられていた。勝山市体育館は補助のスキームはどうなっているのか。正確ではないかもしれないが、事業費が当初の計画よりも倍ぐらいにふえたと聞いている。その辺の実態と県の補助のあり方を1点確認する。
 2点目は、今ギリシャの経済問題がいろいろ出ているのだが、以前、アルゼンチン債の問題があったときに、県の外郭団体でも損害をこうむったということがあった。今回もらった資料を見てみると、まだそれを保有しているのである。これは今後どうされるつもりなのか。この2点を簡潔に尋ねる。


◯施設調整課長  佐藤委員の質疑にあった勝山市体育館であるが、私どもも市町の担当者から聞いているのが、若干事業がおくれているようだが、事業的には今年度完了する予定である。それから、事業費については約32億円と聞いている。ただ、社会資本整備交付金が13億円から14億円入っていたと思うので、その裏のところを市町で負担していただいていると思っている。
 なお、この勝山市体育館については、私どもの用意した補助金制度では、新しくつくる体育館については、建築自体は対象とさせていただいていない。ただし、初期投資がかなりかさむということであるので、備品について1,000万円を限度に補助させていただく。勝山市に話を聞いていると、備品については補助対象額が2,000万円以上出てくるようであるので、上限額の1,000万円を交付させていただくことになるのかと考えている。


◯情報公開・法制課長  外国債の保有についてである。私どもは、公益法人を所管しているので、その視点で調査している中で、アルゼンチン債については、平成14年当時、アルゼンチン債のデフォルト処理を実施した際に、そこで手放すと損失が出るということで、いわゆる新旧債権の交換により取得したという事情がある。元本維持債という言い方をしているが、それは元本を満期まで保有した場合には元本が保証されるという形の借換えを行っているということを聞いている。


◯佐藤委員  要するに、勝山市体育館の件は、1,000万円の県の補助を出す予定だけれども、建物自体は新規の補助が全くないということか。私が言いたいのは、当初予定よりも事業費が膨らんだと聞いていることである。それは倍なのか5割増しなのかは別として、当時、あの場所は県の急傾斜地指定とか、砂防地域の指定も受けている危険な場所なので、体育館をつくるのはふさわしくないということで、県も相談に乗っており、県もここはよくないという指摘をしていたはずである。けれども、結局県はその場所を認めて、結果的にはその対策工事の事業費が膨らんで34億円ということがあるので、その辺の県の責任を照らせば、勝山市の負担を軽減するという考え方があってもいいのではないかと思う。
 それから、もう1点のアルゼンチン債のほうは、例えば、今1億円持っているならは、償還期限が来れば1億円が戻ってくるのか。この二つをもう1回確認する。


◯施設調整課長  新設する体育館については、国体に合わせて整備されるということはわかる。ただ、ほかの市町でも体育館を設置していて、後年にわたって使用するものなので、既設の施設の有効活用を大原則としようと位置づけた。新体育館については、市町にそういうニーズがあるということは理解しているが、今回の国体の支援補助金の対象外とさせていただいている。


◯佐藤委員  質問と答弁がかみ合っていない。私は、ああいう場所に建てることを認めた県の責任があるのではないかと言っている。


◯施設調整課長  設置場所の検討の件については、勉強不足でよくわかっていないものだから、きちんとした回答ができない。しかし、いずれにしてもこれは社会資本整備交付金等も入れているし、土木部も十分かかわって都市整備計画の対象にして事業を進めていると思う。そのあたりでどういう話がされたのかわからないが、今現在、そのあたりの問題はクリアされて進んでいると考えている。


◯情報公開・法制課長  アルゼンチン債の関係であるが、新旧債権交換に関するこの元本維持債については満期が平成50年度に到来するとなっている。今、証券会社等に確認しても、アルゼンチンは持ち直していて、その時期にはきちんと元本は保証されると聞いている。

福井県議会。福井駅東口駐車場が使えなくなる補正予算案に反対。陳情請願者の意見陳述を認めよ

2015年10月02日 | 福井県政
 昨日も終日、福井県議会の予算決算特別委員会でした。終了後は、議会改革検討会議で、いろんなテーマで議論。私が提案した「県民の請願陳情者の希望者は議会委員会で意見陳述ができるように」との提案は反対意見、慎重意見が根強くなかなか困難。いまの会議規則でもできるわけですが、この間、ほとんど実施されていません。もっと県民の声を聞く県議会にかわることへの努力をつづけていきましょう。そのためには、県民のみなさんのバックアップが必要です!

 予算決算特別委員会では、自民党の中川議員が「新幹線開業後も、しらさぎ号をのこすべき。特急廃止が原則だが、原則には例外もある。県民の利便性確保を」と質問しました。理事者の答弁は従来の域をでません。
 民主党の野田議員も在来線特急存続を提案しています。

 党派を超えて、県民の利便性確保のために新幹線敦賀開業でも、福井往復の特急存続実現へ力をあわせましょう。
 この取り組みには越前市議会が全会一致で意見書を採択しています。
 いっそう県民のみなさんの世論と運動が大切になっています。

 私は、無駄遣いの新幹線建設や、福井駅東口駐車場が1月から利用できなくなる工事などに反対し、予算案に反対討論をおこないました。
予算案に反対は私だけでした。

福井県議会。運動公園のテニスコートはなぜハードで整備か。教員多忙化。「正しい日本地図」請願

2015年10月01日 | 福井県政
2015年7月6日 県議会総務教育常任委員会の審議での佐藤正雄議員の質疑部分を紹介します。


■難関大学合格めざしているが結果は

◯松田分科会長  まず、予算決算特別委員会総務教育分科会の審査に入る。予算議案のうち、第48号議案の教育委員会関係分について、各委員より発言を願う。


◯佐藤委員  予算案説明資料の3ページの、「夢や希望を育て未来を築く教室」開催事業ということで、問題解決を重視した大学入学試験に対応するため云々とあるが、これはもう少し詳しく説明してほしい。今はこういう問題点があるからこういうことをやるということなのか。あるいは、新しいステージで考えているのか。


◯企画幹(高校改革)  この事業については、拡充事業として挙げている。第一線で活躍する企業人や、研究者の方々などに高校に来ていただいて、講演や生徒との間で話し合いを行っている。企業や研究の場において第一線で働いている方の状況を高校生が直接知ることによって、将来の夢や希望を育てていくという事業である。大学入試改革等では、社会に対するいろいろな課題を見つけて、それに対して生徒同士で話し合ったり、もしくは他者と協働しながら課題解決策を見つけていく力が今後問われてくることになる。そういったこともあるので、今回、夏休みの機会を捉えて、第一線の研究者の方の講演と、生徒との直接の話し合いの場を持って、高校生が社会的な課題に向けてみずから考え、そして話し合いによって課題の解決策を考えて見つけていくという事業を企画したものである。


◯佐藤委員  県は先ほどの説明の中でも学力日本一ということを自負して、世界に売り出すという計画であるが、現在の大学入学試験における福井県の生徒の結果についても、どういう言い方が適切かは別として、日本一だと認識しているのか。


◯高校教育課長  小中学校は全国的な学力調査が実施されていて、簡単に比較できるものがあるが、高校にそういうものがあるかというと、比較する対象はなかなかない。確かに大学へ進学した生徒の数や、センター試験の点数などはあるけれども、受験者が全く違っていたり、各県の対応の仕方が全くばらばらなので、一概に県を比較することはなかなか難しい状況である。委員が指摘されるように、高校の学力が日本一なのかと言われると、そこはなかなか判断しにくいところだと思う。ただ、企画幹から申し上げたように、大学入試制度改革に対応する力をつけていくというのが事業の目的だと思う。国も、今までの知識を問う大学入試の形から、課題を解決できる力を問う問題に変えていくと言っているので、それが具体的にどういうものかというのをこれから考えていくことも大事であるし、そこに対応した事業を進めていく必要性があると考えている。


◯佐藤委員  いろいろな指標は当然知っているが、小中教育はもちろん高校教育に対しても力を入れてきているわけである。けれども、今の話は、大学入試の結果としては検証できていないという答弁だと思う。それでは議会における説明として説得力がないと思う。いろいろな新聞報道とかデータがあるけれども、例えば藤島・高志・武生の3校で、東京大学に何人受かっているか、あるいは京都大学や大阪大学や名古屋大学に何人受かっているかというデータは、すぐにあるわけである。こういうデータの数字だけ見ると、合格者数が、最近細ってきているわけである。この10年間で見てみると極端に落ち込んできている。もちろん東京大学に入るのがいいとか、大阪大学に入るのがいいとか、それだけではないという見方もあるとは思うけれども、一つの指標として、そういう大学への合格者数を県も重視してきたことは事実だと思う。それがどんどん減ってきている、これが県教育委員会の教育の成果としての実態である。これは何も分析されていないのか。


◯高校教育課長  今、委員が指摘されたように、確かに東京大学、京都大学の合格者の数が決してふえている状態ではなく、逆に若干落ち込んでいる可能性はあると思っている。ただし、いわゆる難関大学と呼ばれる全国の国公立のレベルの高い大学、委員から名前の挙がった、なかなか入るのが難しいと言われている大学であるが、昨年だけを見ると全体的に数はふえている。一年一年の経緯というものがあり、いろいろ変化はするので一概には言えないが、全体で高校生の約3%が、難関大学と呼ばれるところに入っていくということはわかっている。確かに、生徒の意欲を高めて、こういうところに合格してもらうというのも、教育委員会がとってきた対策であるので、分析していないということよりも、これをどのようにこれから高めていくのかということをしっかり考えなければいけないと思っているところである。


◯佐藤委員  このように大学入学試験に対応するために云々ということに対して、今の大学入試の結果がどうなのか、一体これをどのようにしていくのかという説明が、議会に対して余りないと思ったので、こういう質問をした。今後よろしくお願いする。

■運動公園テニスコートの整備はなぜハードコートなのか

◯佐藤委員  運動公園のテニスコート場の整備の問題で尋ねる。事実確認であるが、福井県としては当初16面の砂入りのコートで考えていた。けれども、競技団体の要望を受けて変更したというのは事実か。


◯スポーツ保健課長  テニスコートの16面について、当初の段階で砂入り人工芝を検討していた。それは、まだ面を決定したということではなく、参考としていたということである。


◯佐藤委員  これは競技団体である福井県テニス協会の平成26年3月1日の総会の資料であるが、これを見るとハードコートとオムニコートの長所・短所ということで書かれていて、ハードコートについては短所が3点紹介されている。1点目は天候に左右されやすい、2点目は年間の使用期間が短い、3点目は大会運営においてオムニコートを予備に押さえる状況が見られるということである。それから、オムニコートについて短所は1点、ソフトテニスも大会に使用されるということである。いろいろな選択の仕方があるが、行政としてはより短所が少ないほうを選ぶべきだというのが、県民から見れば普通の考えかと思うけれども、この辺の選考経過はどうなのか。


◯スポーツ保健課長  両コートとも短所・長所いろいろあり、選定についてはいろいろな考え方があるかと思う。本県のテニスコートの状況であるが、ハードコートは県で4面以上持っているところが10カ所、48面ほどある。それから、いわゆる砂入り人工芝、オムニコートであるが、ここは4面以上が19カ所、115面という状況である。
 それから、現在の運動公園のテニスコートはハードコート12面である。この12面を16面にふやしていくこということである。検討の考え方としては、まずは国体の実施という点と、国体後も県内でテニスコートを使っていくという点がある。
 それから、国や他県の状況である。全国的な動きとして、今、国の協会などでは少年のところは、強制ではないが、できればハードコートで大会等を実施してほしいといった動きがある。それから、今ほど委員指摘の利用者の意見、県内のテニスの団体であるテニス協会等の意見等も取り入れながら考えているところである。こういった全体的な判断として行っている。


◯佐藤委員  だから、その全体的な判断がちょっとわかりにくいのではないかと思う。それに、国や他県の状況とあったが、国の指示に対して、必ずしもそのとおりやるのが地方行政ではないだろうと思う。他県の例を見ても、砂入り人工芝のオムニコートでいうと、福井県は10面以上あるところがない。石川県は3カ所、富山県も3カ所、新潟県も3カ所ということで、北陸、信越など、この近辺で見ると福井県が現状では一番貧弱である。だから、やはりそういうことも考える必要があると思う。
 もう一つは、競技団体の方の話をお聞きすると、実際に利用されている状況を見ても、ハードコートよりもオムニコートのほうが、利用者数が非常に多い。例えば、現在の福井運動公園のハードコートでいえば、1面当たりの利用人数は1,419人、ふくい健康の森のオムニコートは2,051人、福井市わかばテニスコートのオムニコートは4,585人ということで、県民のテニス愛好者から見ればオムニコートのほうが非常に利用もしやすいという状況があると思う。他県と比べても福井県の施設も貧弱、県民のテニスの利用者から見ても、利用しやすいのはハードよりはオムニコートだという実態がある。それから、試合をする側にとってみても、ことしの4月の試合を見ると、ハードコートに8時集合だということで集まったけれども、雨が降っていて、雨が切れるのに11時ごろまで待機状態となった。試合を始めたらまた雨が降ってきて、結局、試合は1週間延期ということで、大会参加者、試合参加者から見ても非常に迷惑がかかりやすいという面があると思う。これからずっと長い将来にわたって福井県民が利用する、あるいは県外から来た試合の参加者が利用するということを考えれば、ハードコートよりオムニコートのほうが利便性が高いのではないか。他県では国体が終わったら、ハードコートをやめてオムニコートにわざわざつくり直した県もあるというぐらいだそうである。福井県がそうなるかは別であるが、そういう県の先例も見れば、ここは慎重に考えることが必要ではないだろうか。


◯スポーツ保健課長  他県の例では、確かにオムニコートで中心にこれまで整備されている状況はあるかと思う。大がかりな大量な面を持っている県の中には、どんどん整備しているところがある。本県も国体を控えて体育施設等の整備については十分力を入れたいところであるが、現有の施設をいかにして今後も活用していくかという観点もある。それから、先ほど言ったような県内のテニスコートの整備状況、現在の保有状況等も勘案しているところである。
 それから、国から指示を受けているわけではない。国の日本テニス協会等は少年の部はハードコートでやるのが望ましいという言い方である。先催県の岩手県と愛媛県といったところも少年の競技はハードコートでやるということを考えている。これは、テニスや競技の普及全体もそうであるが、テニス競技の強化、少年強化をいかにしていくかということも考えてのことかと思っている。
 それから、利用状況であるが、運動公園はテニスの面が非常に老朽化している。施設全体も大分古くなっているので、そうしたところから利用率が下がっているということはあるかと思っている。テニス場の整備にあわせて、今後、利用促進を図りながらテニス競技の振興も図っていきたいと考えている。
 もう一点、大会時の雨の対応である。オムニコートは確かに雨がしみ込んでいくということはある。ハードコートも雨が降ったときに、今ではスポンジで雨をすぐふき取るとかモップを使うといったことをして、努力しながら大会を運営しているところである。国体の運営については、福井市とテニス協会がハードコートで準備している。


◯佐藤委員  少年の強化とかいろいろあるが、それは別にコートだけに左右されるわけではない。錦織選手だって少年時代はオムニコートで練習していたそうであるから、そういう単純な話ではないと思う。しかし、当面は、福井県庁というか教育委員会含めて国体に責任を持たないといけないのだが、国体の当日に雨が降ったら、これはどうするのか。対応が大変なことになるのではないか。


◯スポーツ保健課長  国体の大会運営に関しては、本県側の大会の運営者である日本テニス協会と本県テニス協会、それから福井市等と十分な打ち合わせを行いながら進めていくと聞いている。


◯佐藤委員  今、課長の答弁にあったように、また実際に問題点が指摘されているように雨に非常に弱いコートだから、雨天時のリスクが高いコートでは問題があるのではないかという質問である。


◯スポーツ保健課長  オムニコートでも雨が大量に降った場合には非常に支障を来すことはあるので、そういった全体のことを勘案しながら協会及び市のほうで、日本テニス協会等と協議していると聞いている。


◯佐藤委員  やはり県民の利便性、それから大会運営の利便性、いろいろ総合的に勘案して余りかたくなにならないほうがいいということを申し上げて、質問は終わる。


■教員の多忙化問題


◯佐藤委員  教員の多忙化の問題であるが、教育委員会もいろいろ努力はしているけれども、実際には教育委員会のアンケート結果を見ても、平成24年と平成26年を比べると、中学校とか高等学校では残業時間がふえている。失礼かもしれないが、努力はしているけれども、成果としては余り出てきてない、残業時間が減るまでには至っていない。これも失礼な言い方であるが、学校の先生は残業手当てが特別にどんと出るわけでもないのであろう。2時間残業しようが、3時間残業しようが、とにかくこの仕事をちゃんとやってもらいたいということが問題になっている。残業代の問題ではないけれども、結局その仕事が終わるまでずっと帰れない。教育長は、国体までの3年間ぐらいは我慢してもらわないといけないと言うけれども、これはますます教員は大変なことになるのではないか。その辺の認識を確認させてもらいたい。


◯教育長  国体の間は我慢していただきたいということではなくて、県民としてみんなでやっていくのだから先生も一緒に頑張りましょうということである。先生だけ我慢してくれという意味ではない。
 それから、残業については今ほぼ横ばい状況になっていると思っている。また、残業が多いからやる気をなくすという人ばかりではない。先生からも現場の状況もいろいろ聞かなければいけないけれども、管理職と新規採用教員の残業が多くなっているように感じている。また、本当に忙しくてたくさんやらないといけない人の中には、部活の場合は土日も仕事になるのだが、非常にやりがいを持って一所懸命やっている人もいる。いろいろな方がいるので、一概に「これは忙しい、だから仕事ができない」ということではないと考えている。福井県の先生方はレベルが高いので、気概を持ってやっている人もたくさんいる。ただ、委員指摘のように、できるだけ時間的な余裕を与えて、子供たちにきちんと教えられる時間、考える時間を持ってもらう必要はあるので、そういう方向で全体として解決していきたいということである。


◯佐藤委員  教育長の答弁のように、現場の教員だけが残業しているわけではない、教育委員会の職員も残業している、ともに残業して頑張っているということなのだろう、それはよくわかる。けれども、それ自体に問題も多い。教育委員会の公開した資料を見ても、教育委員会の各部局の残業をトータルしたら、本庁だけでも一人当たり年間385時間である。これはもう大変な残業である。不夜城とかいろいろ言われているけれども、県庁の11階も大変な残業である。職員は頑張っていると思うが、それがいいのか。俺たちも頑張っているから現場の先生も頑張れというだけでは、教育長としては乱暴な言い方ではないか。


◯教育長  県庁のことだけを申し上げたのではなく、福井国体は民間も含めて県民全体でやるから、そういう中でお願いをしたいと言っているのである。県庁の教育委員会が忙しい、先生が忙しいという意味ではなくて、国体を3年後にみんなで成功させるために、県民の方、企業の方も含めて、それに向けてある程度汗をかいていくのは使命ではないかと申し上げた。


◯佐藤委員  それなら尋ねる。現場の先生からいろいろ状況を聞くと、仕事はふえるが、予算は減ってくる。例えば、学力向上とは言うけれども、その学力向上事業の予算は高校別に見れば減らされている高校もあって、成果だけ上げろと言われてもなかなか厳しいという意見もある。それから、旅費、交通費である。これももっと節約しろということで、舞鶴若狭自動車道が開通したけれども、これは全ての教員に言っているかどうかは別であるが、教員は舞鶴若狭自動車道を使うなということで、本庁の会議とか出張に来るときには、下道で来ざるを得ないという実情があるということも聞いている。やはり、学力向上で自分の生徒の学力が上がればみんな喜ぶのだから、そういう予算はきちんと保証していく。それから、先生の旅費も、これからは国体関係の会議もふえるけれども、旅費はちゃんと確保していくということをやっていかないといけない。かけ声ではやるけれども予算もきちんと保証するということを約束してもらわないといけない。


◯教育長  個別の細かい予算、旅費がどうなっているか全部把握していないが、県全体の財政が厳しい中で、節約するところはする、必要なところは取るという形で、これからも取り組んでいきたいと思う。


◯松田委員長  質問は簡潔にお願いする。


◯佐藤委員  最後にする。実際に、例えば国体のことを言われたけれども、国体の部署に派遣された職員が、体を壊しているという話も聞いているが、そういうことではいけない。やはり、必要な人員はそこにきちんと確保し、必要な予算も確保して国体を成功させるということにしないといけない。予算も削る、人もギリギリでふやさないけれども、おまえたちは頑張れというのではいけないのではないかということを言っているのである。


◯教育長  国体のことは私どもの所管ではないが、国体に必要な人数は、きちんと要求どおりついていると思っている。



■自衛隊入隊体験問題

◯佐藤委員  一般質問にも取り上げた関連で尋ねる。資料では、過去5年間の福井県内からの自衛隊の入隊者数について、平成22年度は61名、平成23年度は45名、平成24年度は78名、平成25年度は81名、平成26年度は73名ということであるが、県内出身者が自衛隊に入隊されているうち、高校卒業で入隊された方はどのぐらいいるのか。
 わからなければ、あわせて関連であるが、学校内における自衛隊の募集は、どのようにされているか。


◯高校教育課長  自衛隊の募集は、自衛隊の方が学校に来られて説明しているということしか把握していない。


◯佐藤委員  現職の自衛隊の方が学校に来られて、企業説明といった感じでやるというケースもあると聞いているが、それはかなりやられているか。


◯企画幹(学校教育)  自衛隊だけ特別に職員の方が来られて、生徒に対し直接説明するということない。
 担当者がいろんな資料を持って来られるが、持って来られた資料を生徒に見える形で並べる、あるいはポスターを張るといったことについては、大学進学や他の就職先と同じように自衛隊についてもやっている。


◯佐藤委員  以前も、一般質問させてもらったことがあるが、自衛隊は、これまでは公務員ということでの位置づけである。そして先日も、ある高校の進路指導担当の先生とお話をしたら、福井県の公務員試験に落ちたので、自衛隊へ行ったという生徒もいるということで、やはり公務員志望が強いという話があった。
 けれども、これまでは、職業の選択肢の一つということであったと思うが、今、国会で審議しているから、どうなるかわからないけれども、いわゆる安全保障関連法案、戦争法案が成立していくと、従来の就職口の一つと見ていいかどうかというのは、非常に微妙になってくると思う。その辺は教育委員会としては、どういう認識であるか。


◯企画幹(学校教育)  非常にデリケートな話だが、学校現場としては、先ほどの主権者教育ではないけど、中立公正にやらなければいけないと思っている。生徒への指導は、あくまで大学、あるいは民間への就職と同じように公正に資料を配布する、説明するということに尽きると思う。


◯佐藤委員  最後にするが、アメリカの実態を見ても、例えばイラク戦争でアメリカの若者は4,500人ぐらい死んでいる。皆さんの中にも教員の方がいるだろうけれども、日本は戦後70年間、平和憲法9条のもとで教え子を再び戦場に送らないということで頑張ってこられたので、従来どおり紹介するというだけにとどまっているのでは、教師としての本来の役目を果たせないのではないかということを申し上げておく。これについての答弁は結構である。



■「正しい日本地図」請願について

今回、付託を受けた請願第2号、正しい日本地図を活用した教育の推進を求める請願を議題とする。
 本件に対し、各委員より御発言願う。


◯鈴木委員  離島があり、正確な位置に表示された正しい日本地図を小中学校の教材として活用することは、子供たちに日本の領域や領土についての理解を深めるに当たり非常に有効であるし、しごく当然であると思うので、本件については採択でお願いする。


◯佐藤委員  教育委員会に確認したいが、正しい日本地図というのは県内でもそれなりに活用していると聞いているが、現場の全ての授業で活用されているということか。


◯企画幹(義務教育)  学校の現場においては、小学校の5年生で日本の、その領土の位置の学習がある。それは主たる教科書の一つである地図帳で扱う。これも検定が終わっているので、そのような日本の国土全域をあらわす地図が使われているし、中学校においても同じように日本の姿ということで、日本の国土全域をあらわす地図を使い、理解が深まるように指導しているところである。学習指導要領によって、そのようにやることが目標になっている。


◯佐藤委員  そうすると、実際にやられているわけである。ただ、力野委員に尋ねたいのは、こういう個々の教材に至るまで、県議会が意見をつけるというのはいいかどうかということである。要するに、この教材を使えということをやり出すと、これは教育委員会も混乱するし、学校現場も混乱する。例えば、白川文字、学校ちゃんとやれとか、数学はこの教材を使えとか、日本史はこれを使えとか、地図はこれを使えということを、県議会が一々やり出すと、これは教育現場の混乱につながるのではないかと思う。なぜわざわざこういうことを、今、出されているのか。学校現場で既に使っているわけである。


◯鈴木委員  この場は、請願を採択するかしないかであろう。


◯松田委員長  意見を言ってもらって、その後、採択するかどうかということである。


◯佐藤委員  だから、この提案者に対して質問したのである。
 提案者というか、要するに自民党県政会が紹介議員であるので伺った。


◯松田委員長  提案者は、ここにおられない。


◯佐藤委員  こういうものを使うこと自体に問題があるとは思わないが、今言ったように県議会が、学校現場の教材をどんどん決めていくのはいかがなものかということで、継続審査としてもっと慎重に議論すべきだと思う。


◯松田委員長  それでは、今、採択と継続と両方の意見があったので、まず、継続審査について諮る。
 本件を継続審査することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕


◯松田委員長  賛成少数である。よって、本件を継続審査とすることは否定された。
 それでは採決に入る。
 本件を採択と決定することに賛成の方は挙手願う。

      〔賛成者挙手〕


◯松田委員長  賛成多数である。よって、本件は採択と決定する。
 この際、諮る。会議規則第93条第3項の規定により、ただいま採択された請願第2号については、これを執行機関に送付し、その処理の経過と結果の報告を請求することにしたいと思うが、これに異議あるか。

      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


◯松田委員長  異議なしと認める。よって、そのように決定をいたす。
 以上で、請願陳情の審査を終了する。

6月県議会予算決算委。足羽川ダム。新幹線・3セク。文化財調査。国保税負担軽減を

2015年10月01日 | 福井県政
  2015年7月15日の県議会予算決算特別委員会での佐藤正雄議員の質疑を紹介します。
 


       「土木行政について」            佐藤 正雄 委員


◯佐藤委員  日本共産党の佐藤正雄である。
 まず、土木行政について質問する。
 新聞によれば、国は足羽川ダムの導水トンネル計画の見直しを行うという報道があった。計画されている変更内容の概略と、何のための変更なのか。事業費の増減はあるのか、治水効果への影響はどうなるのか、まずお尋ねする。


◯土木部長  足羽川ダムの導水トンネル計画については、大雨時に足羽川の支川である水海川の洪水を足羽川ダムへ導水するための施設である。
 報道された計画の見直しについては、治水の効果を変えずにトンネルの断面を小さくして、結果として掘削土量を減らすことによってコスト縮減を図ることを今検討していると国土交通省から聞いているところである。
 今後、国・県・池田町で構成する足羽川ダム建設事業推進協議会において、計画の見直しについて議論をして決定してきたいと考えている。


◯佐藤委員  この計画の見直しはいつ最終的に決まるのかということと、土木部長は常任委員会で6月18日に導水トンネルの設計業務の入札手続を開始したと報告した。大幅に工事計画が変更されるのに、入札手続が開始された、その整合性はどういうことなのか。


◯土木部長  先ほど申し上げたように、国と県、それから地元の池田町で構成する協議会でお話を伺って、しっかり計画を詰めていきたいということである。
 それから、発注については、設計をするというふうに聞いているので、そこで間に合うように会議も持って、支障のないように対応していきたいと思っている。


◯佐藤委員  そういう重大な変更を県議会にも説明がない。多分、福井市議会にも説明がないだろう。議会に説明もないまま、変更も正式に決まっていないのに、その業務を入札で発注するということはどういうことなのか。


◯土木部長  少し説明が不十分だったかと思うが、今後決めていく計画を詰めていく前段として、その内容をしっかり決めるための設計をするというふうに聞いていて、それをもとにまた議論をして決定していきたいということである。


◯佐藤委員  土木部長が土木警察常任委員会で説明した内容はもうちょっと丁寧に説明しないと、このあなたの説明だと、従来の設計のまま入札手続を開始したと受け取られる。あの文章を読めばそうだろう。おかしいじゃないか。なぜそんなおかしな説明をしたのか。


◯土木部長  常任委員会での説明は十分にこちらの意図が伝わらなかったので申しわけないと思っているが、今申し上げたようにしっかり計画を詰めて、治水の効果も同じように、それから少しでもコストが縮減されるようなよい計画になるように、今後詰めていきたいと思っている。


◯佐藤委員  今コスト縮減ということも言われたけれども、要するにトンネルが小さくなるわけだろう、洪水を処理するトンネルが。トンネルが小さくなると、洪水を流す量が減ってしまうのではないかと。それを防ぐためにちょっと傾斜を急にして同じ量を流すと、こういうふうに新聞報道だと読み取れるのである。だけど、本当にそれで大丈夫なのかという問題があるし、いわゆる福井豪雨のときのように山がどんと崩れて土砂が発生するというときに、トンネルそのものが閉塞しやすくなるではないか。そうしたときには、大きなトンネルのほうが、ある意味では土砂が流入しても全部埋まることはないけども、トンネルが小さくなれば小さくなるほど、トンネルが大量に発生する土砂で埋まってしまうではないか。より危険になるのである。


◯土木部長  今回の検討している変更計画案であるが、断面は確かに小さくなるが、委員指摘のように、トンネルの勾配がもとの計画よりも勾配が急になるので、断面は小さいのだが、1秒間に流れる水の量としては大きくなるので、結果として前の計画と1秒間に流れる水量は変わらないということで、洪水時の導水する水の量は変わらないということで治水効果は変わらないということである。


◯佐藤委員  質問をよく聞いていなかったみたいなのだが、要するに土砂でトンネルが埋まりやすくなるだろうと言っている。だから、ダムを設計した人も、そのことを心配していたのである。足羽川ダムを設計したそういう技術チームも。導水トンネル式のダムというのは、余り全国でもそんなに経験が豊富じゃないと。万が一のそういう大量の土砂が崩壊してトンネル内に入ってきたときには治水効果もなくなるし、土砂を取り除くのも大変なことだと心配しているわけである。そのことはどうするのか。


◯土木部長  トンネルのほうに土砂が入ってくるのではないかということであるが、水海川から洪水を分水させて足羽川ダムのほうに持っていく場合に、そのまま直接入れるわけではなくて、一旦分水堰という堰をつくって、そこで一時的に滞留したものを導水トンネルのほうへ持っていくので、土砂が直接一気に入るということはないと考えている。


◯佐藤委員  福井豪雨のときのように大量の土砂が発生したらどうなるかわからないのである。やはりそういうことも含めて、ちゃんと県議会とか該当する福井市議会にきちんと変更した設計内容について説明をして了解をとってもらえるか。


◯土木部長  導水トンネル計画がはっきり決まった段階で、また議会ともお話を申し上げて理解をいただきたいと思っている。


◯知  事  この計画については、この技術的ないろいろな問題、あるいは変更などについては国と県と池田町で構成する足羽川ダム建設事業推進協議会で計画が見直されたり、いろいろなことをするときには議論をするので、そこで議論をし、問題を整理して決定をするということになると思う。


◯佐藤委員  今の知事の答弁だと、県議会とか福井市議会の説明は必要ないという答弁なのか。


◯知  事  基本的にいろいろなことを決定する前段階としてそういうことをやって、あとは必要なことを行うということである。


◯佐藤委員  そんな答弁、納得できない。福井豪雨があって、私はダム反対である。だけど、県議会全体としてはそういうダムも必要だということで認めた経過があるのである。福井市議会でも。だけど、そういう重要な設計変更するときに、議会には説明もしない、了解もとらない、おかしいではないか。


◯知  事  まず実務的な詰めをそういうことでやろうということで議会にも説明して、こういう仕組みで変更したり、いろいろなことをするときにはやろうと。地元のいろいろな振興策は、また別のスキームでやっていると。この議論を、まずこのものについてはした上で議論をしたいということである。


◯佐藤委員  きちんと説明は求めたいと思う。今、知事、振興策のことを言われたけれども、その振興策の進捗状況、要するに予定されていた振興策の総事業費と、実際、今、進捗状況はどの程度なのか。


◯知  事  足羽川のいろいろな事業費の変更とか、いろんな事柄については、それに応じて議会といろいろな議論をするのは、負担金を払っているわけだから当然のことである。そういう議論の中で進めるということである。


◯佐藤委員  当たり前である。300億円とか400億円という大変な負担金を福井県は出すわけである。ちゃんと県議会に説明するのは当たり前なのである。
 それで、今、質問は地域振興に取り組んでいると言われたけれども、大体どの程度の総事業費の規模で取り組んで、今の進捗はどの程度なのか。


◯土木部長  池田町の地域振興については計画をことしの3月につくったところであり、今年度から順次、振興策について進めていくところである。


◯佐藤委員  そうしたら、まだ全然進んでいないということか。


◯土木部長  池田町の振興策については基金を設けて、その基金でやる部分と、それから池田町独自に振興策をする部分があって、池田町においては独自にその振興策について取り組みが始まったところである。


◯佐藤委員  そういうことを言っているから問題になるのである。池田町については独自に振興策を始めたなんて言っているから、池田町議会で問題になるのである。池田町長だって怒っているだろう。苦渋の選択をしたのに、振興策が全く進んでいない。ダムさえつくれば、あとは知らないというのが福井県の姿勢だ。議会でみんな怒っているではないか。どうなっているのか。


◯土木部長  池田町の振興策については、県が例えば県道の整備であるとか、そういったものも入っているし、池田町としていろいろな、ソフト的な事業も含めてやるということで、これは池田町とよく話をして計画を詰めたものであって、池田町長からも池田町の部分はしっかり池田町の責任でやるということで話がまとまっていて、それについては今年度から進めているというふうに聞いている。


◯佐藤委員  いずれにしても、町長を初め、町議会議員の皆さんから不満が爆発しているわけである。だから、やはりこのダム賛否はいろいろあるにしても、公共事業を進める以上はきちんと責任を持ってやってもらわないといけないというふうに私は思う。
 これは7年ぐらい前に、地元の金見谷の江端龍男さんという方が出された冊子で、「ダムでも消えぬ人生の記憶集」と、こういう冊子を7年前に私も買って読ませてもらったが、やはりダムで家を失っていく、ふるさとを失っていくという人たちの苦悩というのは大変なものがあるわけである。やはりそういうのをやる以上は、県もきちんと誠意を持ってやらなきゃいけないということだけは訴えておきたいなと。ダムの問題は問題で、また引き続きやるが、これはお願いをしておきたいというふうに思う。

        「新幹線・三セクについて」


◯佐藤委員  次に新幹線の問題だが、先ほどの関委員の質問と大分重複するのだが、質問させていただく。
 石川県内で、福井先行開業反対、若狭ルートではなくて米原ルートで整備をしてほしいと、こういう声が上がっている。石川県でこのような声が出ている背景は何なのかと福井県としてどのように対応しているのかというのをお尋ねする。


◯新幹線政策監  石川県議会において、福井先行開業の場合に、加賀温泉郷への関西とか中京からのお客さんが福井駅で乗りかえなければならないということから、反対する議員の質問が出たということは承知している。
 しかしながら、7月11日、先週土曜日の北陸新幹線建設促進石川県民会議では、金沢-福井間の先行開業について検討を進めることということを盛り込んだ決議案を採択している。
 また、同じ石川県民会議の場で出た米原ルートについては、国会議員が個人的見解として発言したものと聞いている。
 本県としては、敦賀以西ルートについては与党の検討委員会を速やかにスタートさせて、沿線府県の意見を聞き、整備計画どおり若狭ルートでの整備を早期に決定していただきたいと考えている。


◯佐藤委員  福井駅先行開業になぜ反対するのかというのは、今の説明ではいま一つよくわからなかったところもあるのだが、やっぱり実際に早く米原へつないでほしいという、そういうお気持ちがあるのだろうと。要するに早く大阪とか名古屋からお客さんが来るようにしてほしいという気持ちがあるのだというようにマスコミでは報道されている。そういうのにかみ合った形で福井県もビジョンを示していかないと、国が決めているルートは若狭ルートだからというだけでは、これは説得力が余りないなというように今の話を聞いていて思った。
 それで、福井駅先行開業となれば、出水期にも河川での工事を進めなくてはならないという問題があるし、文化財の調査も、ふだんは休む冬の間も続けなくてはならないということになると思う。これは技術的にも大きな問題であるし、現場職員にも大変な負担になるのではないか。


◯新幹線政策監  九頭竜川橋梁については、今、与党PTの福井駅先行開業検討委員会において、技術的に短縮ができないのかという、技術的な課題について、今検討を詰めているところである。出水期に工事をするという話は聞いていない。


◯教育長  先ほどお答えもしたが、順次拡充をして体制を整えていくので、職員の負担というのは今とそれほど変わらないと思う。長野県のピークと比べても、福井県の体制というのは十分とれると思っている。


◯佐藤委員  班の数をふやしても、結局そこに1人ずつ福井県庁の職員を、専門職員を配置していくわけだろうが、実際この冬の間も4カ月ぐらい、これまで作業は休みをしていろいろ整理をすると、調査したものを整理すると。そういう期間も現場へ行って仕事をしろということになると、いわゆる専門職員の方は、夏とか春の時期に調査したものを整理してまとめるという時間がなくなるわけである。結局調査したものの整理もできないと。いわゆる文化財発掘にかかわる報告書も、出せなくなると。要するに一定決められた時期に出せなくなるということになるおそれがあるのではないか。


◯教育長  おっしゃるように、これまでだと冬期期間は出土品の整理をするという期間に充てていたのだが、この期間も調査をするということで体制を整えているわけである。
 今ピークになるのはここ1年、2年の話であるので、そこは全部調査を最優先してやっていくという状況で、その後に整理を進めるという体制をとっていきたいということである。


◯佐藤委員  その後にと言っても、まだずっと敦賀まで工事が続くし、ほかのいろいろな開発行為などに伴う調査も出てくるだろうし、この一乗谷の朝倉氏遺跡ももっと大がかりな整備をしようということでの調査も必要になってくるので、本当に大丈夫なのか。きちんとしたそういう学術的な分野で手抜かりがないようにできるのか。


◯教育長  班体制は、今、福井開業が2年早まれば、そういう体制をとっていくということで冬もやっていただく。ただ、その後については、全体として量が、今の福井開業2年前倒しが来れば減ってくるわけだから、そこは全体としての体制をどこまで維持するかの中で、きちんと総合的な仕事量を見て体制を組んでいきたいと思っている。


◯佐藤委員  埋蔵文化財調査センターも見せていただいたことがあるが、とにかく県内各地いろんな工事で発掘された遺物というか、そういうものが県内あちこちに保管されて、なかなか整理もつかないという実態もあるというように聞いた。そういう文化財の破壊だけはどんどん進めると。そこに後でどんな貴重な文化財があったかも、結局何年か後にならないとわからないということでは、無責任だと思うのである。やっぱりそういう点では文化財破壊、破壊行政だというような批判を受けないようにきちんとやるという点ではもう一工夫必要ではないか。


◯教育長  体制はきちんとやるし、整理も、その後、間をおかずにきちんと進めていくので、文化財破壊とかそういうことではなくて、調査自体はきちんとやっていくし、整理もやっていく。ただ、今2年間に集中するところだけは冬期もやって、その後に遅滞なく整理を進めていくということである。


◯佐藤委員  これはしっかり、やっていただきたいと思う。
 あわせて、今回、新幹線の関係で予算で出されている北陸新幹線関連公共施設等整備事業1億円というのがある。道路、河川、公園施設、用排水施設、集会施設の整備、分断された不整形農地の整備に1億円、これは最終的にはどのぐらいまで膨れ上がってくるのかということと、今回の予算というのは何カ所分なのか。おおよそで結構である。


◯新幹線政策監  この予算については平成26年に議会にも示しているが、そのときは、全体で約9.5億円という説明をしている。今年度は約10カ所を想定している。


◯佐藤委員  これは、議会の説明書に書かれている以外に、その集落なら集落で自由に使っていただいても結構だという形で渡しているのか。


◯新幹線政策監  この補助金は、あくまでも用地取得のめどがもう50%以上立つような、そういう段階に来ている集落に対して出すということで、その集落にかかわる公共事業で、何とか平成27年度中にそういう見込みの立ちそうなところを拾い上げて今予算を組ませていただいている。


◯佐藤委員  そうでなくて、公共事業ではなくて、その集落に対して、例えば新幹線関係で迷惑をかけるから1,000万円使ってくれとか3,000万円使ってくれと、そういう渡し方もしているのか。


◯新幹線政策監  この補助金は、あくまでも市町がする河川事業とか、そういったところに県が半分応援するとか、あくまでも市町に対する応援としての公共事業である。


◯佐藤委員  はい、わかった。
 次にこの第三セクターについて、一般質問でも聞いたが、石川県などとの合同の第三セクターをつくってリスクを軽減したほうがいいと私は思うが、つくるのであれば、交渉のポイントはどういう点が想定されるのか。


◯新幹線政策監  第三セクターのつくり方には、各県それぞれの旅客輸送の状況、事情とか、あるいは考え方によってさまざま異なっている。本県としては、まず今年度の旅客流動調査の予算をお願いしているが、まずそういった調査等を十分やった上で考えていく課題だと考えている。
 全国の並行在来線で、唯一、隣県同士が合同で会社を設立した例として肥薩おれんじ鉄道というのがある──熊本県と鹿児島県をまたがっている鉄道であるが、その会社を合同した理由は、運行に要する施設、設備や、あるいは管理部門が一元化できて運営コストが縮減されると。また、県境をまたぐ場合、広域運行で初乗り運賃が二重に発生しないという、そういうメリットから両県が合同で設立したと聞いている。
 しかしながら、石川県と富山県は地域の利用実態に即したダイヤや運賃を設定する、あるいは迅速な意思決定ができると、そういった理由によってそれぞれ単独で第三セクターを設立したところである。


◯佐藤委員  この石川、富山の例というのは地域の利用実態、つまり流動調査なんかすると、お互いのところの行き来がさほど多くないとか、そういう趣旨の答弁だと思う。だけど、結果的には、一般質問でも紹介したように、利用者側からすれば負担が上がったりしていると、あるいは車両が小さくなって満員電車になってしまって非常に不便というか、利便性が低下しているというのが実際には実態なわけである。それを改善するには、やっぱり一定のスケールメリットというか、そういうことで考えていく必要があるというように思う。
 だから、流動調査の結果だけではなくて、今言われたようにトータルの維持負担とかコストとか利用者の利便性とか、そういうのをトータルでやっぱりきちんと相談していくと。当面なら石川県なら石川県に相談を持ちかけていくということが必要ではないか。


◯新幹線政策監  まず、対策協議会──沿線市町とかも入っているそういう対策協議会で議論していくので、委員言われた点も踏まえて協議会で検討し、また石川県と具体的に協議していく話だと考えている。


◯佐藤委員  これはどうしてもやっぱり他県との協議になるので、今の先行県の実態を見れば、これは知事がやっぱりもう少し早目に問題点も掌握して、知事同士で話し合いもして、県民利便性がお互い低下しないようにということで取り組まれる気持ちはあるのか。


◯総合政策部長  いろんな調査を行って、実務的にしっかり詰めて検討すべき話だと考えている。


◯佐藤委員  尋ねるが、仮に福井先行開業となった場合に、三セクの構成は、例えば越前市とか敦賀市とかは入るのか、入らないのか。


◯新幹線政策監  富山県、石川県とか、そういったところの出資者はどうなるかというのをいろいろ見ると、基本的には沿線市町が中心であるが、いろいろな形で、ほかの沿線市町でないところも出資という形ではかかわっている。石川県は市町村振興協会とかを絡ませているし、全体的に構成メンバー、福井先行開業ということになると、直接的にはあわら市とか坂井市とか福井市になるわけだが、いずれ敦賀までというのが当然あるわけだから、そこは対策協議会で議論していく話になると思う。


◯佐藤委員  三セクを福井までで立ち上げたときに、その費用の負担割合が敦賀まで入るのと、福井までしか入らないのとでは大きく変わってくる。それぞれの市町の負担金が変わってくる、当たり前だが。例えば、敦賀市がないのか、敦賀市も発生するのかということになるから。そういう問題は、福井先行開業は夏ごろまでに決まるとかといろいろな議論があるが、いつまでにこれを決めるのか。


◯新幹線政策監  今も実際、対策協議会は動いているし、先行開業が決まれば、それに応じたスケジュールを、例えば調査期間で1年短くするとか、あるいは経営のいろいろな基本方針を決めるときに1年短くとかが対応可能であって、そういった中において、最終的には敦賀までの平成34年度開業があるわけだから、そこを見越して対策協議会でどういうふうに段階的にこの三セクをつくるかというのは十分議論していく必要はあると思う。


◯佐藤委員  いずれにしても、当面関係のない自治体まで巻き込むということになれば、そこの理解、もちろんそれぞれの市議会とか町議会の理解というのもきちんと得るようにしていただきたいと思う。
 それから、これも議会で議論になっているが、先行開業に伴って、このえちぜん鉄道がバス代行になる、そういう可能性も出てきているという問題があるが、こういうことは、もちろん県としてはならないように最善を尽くすのだろうが、そういう可能性が避けられないとなった場合には、これはえちぜん鉄道の運行を優先するのか、新幹線の福井駅開業を優先するのかと問われるのだが、その辺はどうするのか。


◯総合政策部長  まさに国の検討委員会のほうでは、えちぜん鉄道も一緒に行って、極力バス代行は避けるということで話をしているし、それを前提に検討していただいていると考えているので、そうなった場合という仮定に基づくことについては考えていないということである。


◯佐藤委員  考えていないということなら結構だが、もしそういうことになるようであれば、そこはやっぱり当然県民の足を優先するということでお願いしたいと思う。
 それから、JRとの関係でこれからいよいよ三セクを引き受けるということになってくるのだが、資産調査とかいろいろやられていて、ソフト、ハード面で事故が起こったりしていると思うが、県に対する報告はどういう基準で行われているのか。ことし1月以降のJRから県に報告された案件について尋ねる。


◯総合政策部長  JRから県への報告であるが、事故や故障などによって複数の列車に15分以上のおくれが生じる場合、あるいは大雨や降雪などの災害時、あるいは災害のおそれがあるような場合に、その対応について申し合わせをしていて、その都度、情報提供を受けることとなっている。
 事故に限定して、ことし1月以降の状況を申し上げると、1件、坂井市内の踏切でバイクとの接触事故があった。


◯佐藤委員  列車内部での人身事故の報告基準はないということなのか。


◯総合政策部長  先ほど申し上げたとおりで、県民への影響といったところが基本にあるということである。


◯佐藤委員  ことしの3月にサンダーバード内で感電事故が起こったと聞いているが、そういう報告は受けていないということか。


◯総合政策部長  承知していない。


◯佐藤委員  特急列車、普通列車いろいろあるだろうが、これから三セクで引き受けていく上で、今のJRに起こっているいろいろなふぐあいの情報は最大限収集して対応に生かしていっていただきたいと思う。

        「福祉行政について」


◯佐藤委員  それから、最後に福祉行政について尋ねるが、国民健康保険の問題、何回か取り上げてきたが、この根本には、当初設計されたときの加入者の階層等は本当に大きく変わっていると。以前にも取り上げさせてもらったが、そういう問題があるのと、国の財政措置が大幅に縮小されてきているという問題があると思う。これが市町の国保を直撃して、保険税は値上げの連続と、払えない県民がどんどんふえてきているというのが実態なのである。
 県は、国保税滞納者に対しても、滞納整理機構などを通じて容赦なく差し押さえ処分などを繰り返しているわけだが、そういうことをやっても問題は解決しないわけである。県民の首を絞めるだけの行政では、本来の福祉行政とは言えないというように思う。
 そこで尋ねるが、最近の国保の加入世帯の割合は、自営業者の世帯、被用者の世帯、年金者など無職の世帯に分けると、20年前と今日ではどのようにさま変わりしているのか。国保加入世帯の平均所得と税額、そして実際の負担率が今日と20年前と比較するとどうなっているのか尋ねる。


◯健康福祉部長  本県の20年前のデータはないので、全国の数字で申し上げる。
 平成25年度の全国の国保の加入世帯は2,031万世帯。自営業者・農林水産業世帯は13.5%、被用者世帯が31.2%、年金者など無職の方は39.9%である。約20年前の平成7年度と比較すると、自営業者・農林水産業世帯では13ポイント減少している。また、一方で被用者世帯では2.5ポイント、年金者や無職の方では4ポイントの増加となっている。
 それから、平均所得等であるが、平成25年度の全国の国保加入世帯の平均所得は139万9,000円、平均税額で14万6,000円、保険税負担率は10.5%である。約20年前の平成7年度と比較すると、平均所得では39.4%の減、平均税額では5%の減、保険税の負担率は3.8ポイントの増となっている。


◯佐藤委員  要するに税の負担率が4%近く上がっているわけである。これは今国保税だけの話である。ほかもみんな上がっているのだから、トータルとしては大変大きな負担率になっていると思うのである。
 それで、こういうどんどん高くなっている国保税の負担軽減のために、福井県内でも各市町が独自で繰り入れをしていると思うのだが、この状況を尋ねるとともに、平成30年度から始まる県単位の国保制度になったときに、これはきちんと継続されるべきだと思うが、その見解を尋ねる。


◯健康福祉部長  県内市町の法定外繰り入れは、平成25年度で12市町がやっていて、合計すると約13億円である。
 保険料については、平成30年度以降も市町が独自に保険料を設定する仕組みになっていて、市町の判断で法定外繰り入れをすることについては、法的には禁止はされていない。県としては、地域の医療費水準に基づいて設定される保険料によって財政運営がなされるということが望ましいと思うし、市町が住民の健康づくり、また後発医薬品の利用促進といった医療費の適正化を進めることで、保険料の上昇を抑制していくということは重要でないかと考えている。


◯佐藤委員  トータルな施策で、健康づくりで病院にかかる人が減れば保険料が下がっていくというのはそのとおりだと思うが、現実、これから高齢者がふえてくるから、やはりそう単純にならないわけで、やはりきちんとそういう一般会計からの繰り入れというのは引き続き行っていくことが必要だと思う。
 最後に尋ねるが、人口減少対策ということが今強く言われているのだが、子育て世帯の支援策として、18歳以下の加入者については国保税の均等割額をゼロ円、または大幅に減額する制度創出を国に求めるべきではないかと思う。これは、結局子供がふえればふえるほど増税になるのである。だから、これは逆行している。子供がふえればふえるほど税金を安くしなくてはいけないのである。どうか。


◯松井副委員長  山内君。時間が来ているので簡潔にお願いする。


◯健康福祉部長  子育て支援の観点であるので、子供に係る均等割の軽減については、全国知事会を通じて、今現在、国にも要望しているし、今後とも国と地方の協議の場において引き続き求めていきたいと思っている。


◯佐藤委員  終わる。

6月福井県議会。戦争法案。原子力行政。犯罪者の立ち直り支援。福井梅

2015年10月01日 | 福井県政
 2015年7月1日におこなわれた佐藤正雄議員の一般質問です。

◯16番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。知事選、県議選後初の一般質問となります。西川知事に政治姿勢を中心にお尋ねをしてまいります。
 まず、最初に、政治の根本である日本国憲法と、現在国会で審議中の安全保障法制、いわゆる戦争法案についてです。
 安倍政権は、国会史上最長となる95日間もの会期延長を行いましたが、これ自体、多数党の横暴を防ぐという国会の会期制の原則を踏みにじるものです。スポーツでいえば、制限時間内で負けが決まったにもかかわらず、自分が勝つまで試合時間を延長するようなものです。
 そもそも法案の内容自体が憲法をじゅうりんする違憲立法であるということです。集団的自衛権の行使は従来の憲法解釈の根本を180度転換する立憲主義の破壊であり、憲法9条の破壊にほかなりません。戦闘地域での武器の輸送や、弾薬、燃料の提供などの軍事支援は、武力行使そのものであり、攻撃を受け、応戦する危険性が高まります。
 事実、6月4日に開催された衆議院憲法審査会の参考人質疑では、自民党、公明党も含めて同意した方も含め3人の憲法学者全員が戦争法案について、集団的自衛権の行使は憲法に違反しているとの認識を表明し、安倍内閣に大きな衝撃を与えました。憲法学者の95%が憲法に違反していると考えているとの報道もあります。憲法に違反する法律、つまり違憲立法は認められないし、無効であります。「政治家の責任で強行するんだ」との議論が政権与党にあるようですが、それは法治主義、立憲主義の否定です。「俺が法律だ」などということになれば、どこぞの独裁国家と大差ない議論になってしまいます。
 このような状況で、6月20日から21日に実施した共同通信社の世論調査では、「戦争法案について十分に説明しているとは思わない」は84%に達し、「今国会での成立に反対」が63.1%になっています。歴代の与党幹部である自民党や政府与党の山崎拓元幹事長、また、亀井静香元政調会長、藤井裕久元財務大臣、武村正義元官房長官らがそろって今回の戦争法案について、「不戦国家から軍事力行使国家へと大転換を意味する」と評価されて反対を表明されました。
 西川知事は、昨年2月の私の質問に答え、「日本国民が戦争体験をもとに、二度とそういうことはすべきではないという強い決意といいますか、国民の覚悟、これがこうした今日の平和といいますか、繁栄、こういうものにつながってきた」と答弁されました。福井県には、鯖江市に自衛隊駐屯地があり、イラクなどにも派遣されております。憲法9条のもとで何とか戦死者が出なかったのは御承知のとおりです。今回の法案では、再び戦争に巻き込まれることが懸念され、県民から戦死者が出かねないのであります。
 そこで、戦争法案についての西川知事の政治家としての見解と覚悟をお尋ねします。
 また、戦争法案を強行しようとしている自民党が本部で開催した勉強会で、マスコミ批判が炸裂したことが大問題になっております。単なる言論による言論への批判の域を超えています。自民党は、関係議員の処分を発表しましたが、この会合には官房副長官や総裁特別補佐という政権中枢メンバーも参加していたのであり、安倍首相の責任は免れません。
 福井新聞6月27日付論説は、次のように述べております。「安保法案を批判する報道機関について、議員からは「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい」「文化人が経団連に働きかけてほしい」などの意見まであがったという、まるで言論封殺である。政府、与党が強引に進める安保法案は、集団的自衛権の行使容認が軸、世論調査では、過半数が反対し、「憲法違反」と答えている。国民理解が深まらないのは、十分な説明ができない政府、与党の責任であろう。問われるのは、こうした自民党議員の無責任な政治感覚と排他性、不見識である。これも「1強」のおごりと焦りの裏返し。安倍政権下では言論への圧力が強まっており到底容認できない。メディア批判に耐え、国民の支持を得る資質を磨き、政策を高く掲げるべきだ。そうでなければ、政治家たる資格はない」と福井新聞の論説でも書かれました。
 そこで、知事にお尋ねします。戦争法案の議論とともに、政治権力である与党内から言論弾圧と批判される発言が行われていることは、言論の自由と民主主義の危機ではありませんか。知事の見解をお尋ねをいたします。


 次に、原子力行政について知事の見解をお尋ねします。
 知事は、提案理由説明で、「原子力発電の重要性や必要性に対する国民理解は十分に進んでいるとは言えない」「中間貯蔵施設の県外立地について、国や事業者による具体策を盛り込んだアクションプランをできるだけ速やかに策定するとしている」と述べました。しかし、例えば、直近の京都府議会で京都府知事は、「関西広域連合を通じて原発の比率を引き下げるよう電源を見直すことや、宮津火力発電所の再稼働も要請した」「舞鶴市長が市議会において、中間貯蔵施設の建設は認められない旨を表明しましたし、宮津市では議員提案のふるさと宮津を守り育てる条例が本年3月に全会一致で可決されました。事実上反対の姿勢を明確にされた。京都府といたしましては、両市の姿勢を踏まえ、これは同一の歩調をとってまいりたい」「省エネですとか、既存エネルギーの効率的な利用推進を通じて、府民生活の安心安全を守り、経済活動を維持、発展させることが可能なエネルギーの安定確保を図ることで、京都ビジョン2040に掲げました「原子力エネルギーゼロの京都」を目指してまいりたい」などと答弁いたしております。つまり、京都府は、原発ゼロを目指し、使用済み核燃料の受け入れもしないと言明しているわけです。
 そこで、知事にお尋ねします。福井県が求めている今後とも原発を一定の割合で活用することと中間貯蔵施設の受け入れを電力消費地は拒否しているのであり、このような状況が続く限り、再稼働を議論する環境には至らないと考えますが、知事の見解をお尋ねをいたします。


 次に、原子力防災について質問します。
 福島原発事故のような事故が起これば、福井県民も県内、県外各地での避難を余儀なくされます。県は奈良県や兵庫県などと県民の避難についての協議を行い、避難場所の確保を進めております。ところが、その一つである兵庫県加東市の市議会が意見書をあげて、福井県民の受け入れに反対の姿勢を表明いたしました。ことし3月の加東市議会の意見書では、「現状では、避難の受け入れ態勢について十分な協議ができているとは言いがたい状況であり、スクリーニングの体制なども不十分である。また、事故の状況によっては、加東市にも放射性プルームが到達することも想定される中、兵庫県からの情報提供も不十分なものであり、加東市自体が被災した場合、避難の受け入れも困難である」としています。
 そこで、お尋ねをいたします。県外避難先の市町村の数とそのうち、それぞれの住民の代表である議会で原発災害時に福井県民の受け入れ計画が了解されている数はどれだけですか。お尋ねいたします。
 福島原発事故を見ても、4年以上が経過しても10万人を超える住民が避難生活を余儀なくされております。同じ福島県内でも地元住民と避難住民との間でのあつれきが強まっていると報道されています。一旦原発事故で住む場所を奪われれば、多くの家族もばらばらとなり、体も心もさまようことになっている心痛む現状です。今、国や東電などの支援策の縮小、打ち切りも計画され、まさに棄民ではありませんか。このようなことが許されていいはずはありません。
 しかし、福井の原発を再稼働していけば、福島県民の置かれている現状が福井県民のものとはならないと言い切ることは誰にもできません。改めて、原発再稼働は行うべきではないと訴えたいと思います。


 次に、国民、県民への消費税の大増税や年金削減とともに進められている巨大公共事業、新幹線の計画と、人口減少、高齢化社会に突入している中でのJRからの北陸本線買い取りと、第三セクターでの運営問題について質問いたします。
 これまで新幹線は、地域発展のインフラと言われておりますが、新幹線がない地域が人口減少が大きいかというとそうでもありません。むしろ人口が増加する時代ではなく、人口減少時代にこのような巨大インフラの建設を始める福井県は、県民負担の増大と、交流人口の相対的減少という2つの大きなリスクを負うことになります。福井県として、人口が急激に減少し、高齢化構造に一層進む時代にあって、このような財政リスクを極力減少させなくてはならないと考えます。新幹線がなくても日本に誇る健康長寿県、豊かさを誇ることができる理由を改めて考え直すことが必要ではないでしょうか。知事は、突破力ということを強調されますが、突破した先に落とし穴があるようでは県民は困るわけです。
 まず、今、議論となっている福井駅先行開業についてです。これはこれまで理事者は「財源や技術的問題もあろうかと思うが、与党PTで議論願うことだ」と議会答弁を繰り返してきたものです。
 そこで、知事にお尋ねします。財源などをいろいろな問題がある中、無理にでも進めていく上でのデメリットとメリットをどのように整理されているのか、お答えください。また、新たに発生する事業費の見込みと県や市町の負担についての見込みについてもお尋ねをいたします。
 次に、JR北陸本線の買い取りと第三セクター化についてです。
 富山県内の第三セクターの現状は、「JR時代と運行本数はほぼ変わらないが、通勤時間帯に時には6両編成、ないし3両編成で走っていたが、車両数を減らした。全体にゆとりがあるものの、何本かの通勤、通学時間帯の列車が超満員。富山-金沢間の運賃は、JR時代の970円から1,220円に大幅に値上がりした」などとお聞きをいたしました。つまり地元県民の利便性の低下は明らかであります。私は先日、福井商工会議所と懇談をさせていただきました。福井商工会議所の方も、第三セクターを各県ごとにばらばらで組織されることを強く批判されておりました。県議会で私もそういうことは主張しているわけですが、同意見であります。
 そこで質問いたします。県として、先行開業した富山、石川の第三セクター鉄道の問題点、課題についての認識をお尋ねします。また、今後、石川県などと合同で第三セクターを設立する考えは西川知事にはないのですか。ないとすればその理由をお尋ねします。先ほどの同僚議員の質問への答弁でも、山田総合政策部長は、初乗り運賃が2回かかるとか、富山だけICカードが利用されているということをおっしゃいましたが、こういう問題は、同一の三セクとなれば、解決が図られるわけでありますので、しっかりした答弁をお願いしたいと思います。


 次に、福祉行政について質問します。
 まず、介護保険について3点質問します。
 介護保険の介護報酬の削減により、新たな加算がとれず、経営の見通しが厳しい小規模事業所の廃業が懸念されております。福井県の事業者について、平成24年度以降の廃止や休止の実態をお尋ねします。
 また、特別養護老人ホームの入居者に対する食費や部屋代の補助、いわゆる補足給付について、資産調査を行って対象を狭めようとしている問題があります。補足給付は、収入が低い人が施設に入った場合、食費や居住費の負担を抑えるものですが、制度の改悪によって対象からかなりの人が外される懸念が出ております。その結果、負担の増大により、結果として施設入所を続けることが困難になりかねない事態が生まれかねません。県として、補足給付の縮小による影響の見込みと、県民の生活を守るための対策をどのように講じるのかお尋ねをいたします。
 また、介護保険の利用者負担を軽減すれば、生活保護に至らない場合に、より低い基準を適用する境界層措置というのがありますけれども、福井県の資料では、福井市で11名、大野市で2人、越前市で2人、福井県全体で15人ということです。この数字は高齢者の年金生活の実態や介護保険料がどんどん連続的に引き上げられている現状に照らせば、少な過ぎるような気がします。国民年金など実際の生活レベルをしんしゃくすれば、もっと適用が拡大されるべきではありませんか、見解をお尋ねいたします。


 次に、犯罪者の立ち直り支援について質問します。
 ことしは法務省が主唱する「社会を明るくする運動」が65回目を迎えます。この7月が社会を明るくする運動強調月間として、犯罪や非行をした人たちの立ち直りを支えようと取り組まれます。今回は、出所者等の事情を理解した上で雇用する企業の数をふやすこと、帰るべき場所がないまま、刑務所から社会に戻る人の数を減らすことを目標にしています。福井県内でも、福井保護観察所を中心に、保護司会や地域生活定着支援センターなどが地道な活動を続けておられ、頭が下がります。
 私も今回、保護観察所と保護司会で実情をお聞きしてまいりました。福井県内の保護司は415名、保護観察中の福井県民は160名程度、犯罪や非行に陥った人を雇用する協力雇用主は94社という状況だそうです。
 法務省の調査では、再犯率、再び犯罪を犯す率は仕事についている人が7.6%、仕事についていない無職者が約28.1%です。約4倍です。また、再犯をして刑務所に戻った人の72.7%が無職者です。雇用が犯罪抑止にもたらす効果は明瞭です。
 政府は、昨年12月16日に犯罪対策閣僚会議決定を発表しました。そこでは、地方公共団体に対して、犯罪や非行をした者の雇用、支援体制の構築、国の活動と連携した広報・啓発体制の強化に取り組むとあります。しかし、福井県独自の取り組みとしては、従来の地域生活定着支援センターの取り組みの範囲を出ていないのが現状で、不十分の感を否めません。全国的には、県知事を先頭に、この運動への激励も行い、キャンペーンを県民に見える形で強化しています。西川知事がこの運動の先頭に立つ決意があるか、まずお尋ねいたします。
 そして、具体的に提案します。他県で取り組みが始められておりますように、保護観察中の者を雇用した企業を優遇する入札制度を導入するべきではありませんか。また、協力雇用主の拡大と実際の雇用へ県も支援することを提案しますが、県の見解と決意をお尋ねいたします。


 次に、農業問題について質問します。
 福井県での梅は嶺南地域や南越前町が有名です。しかし、先行きは、必ずしも明るいものではありません。その理由は、鹿による獣害。鳥獣害というと農林水産部担当となるわけですが、鹿は縦割り行政で行動するわけではありませんので、土木部にも関係をしてまいります。私も獣害の現場を見させていただきましたが、鹿は2メートルぐらいの高さのところまで全部食べてしまう。これでは梅の収穫量が半分近くに減る。農家の意欲がそがれ、県が開発した新しい品種の栽培の拡大にも障害となっております。農家数の減少も続き、若狭町では、苗木の生産者はもう3件しかなく、このままでは新植ができなくなる。そういう危機だということをお聞きをいたしました。しかし、梅というのは一旦植えれば半世紀、50年ぐらいは収穫をもたらす働き者であり、加工なども考えれば1年中仕事をもたらすとお聞きしました。すぐに比較にはなりませんが、和歌山では100億円、関連で500億円と言われているそうです。今、クルミなどに手を伸ばすよりも、福井県が長年の技術と経験を持つ梅での勝負を強めるべきではないでしょうか。
 そこで、質問します。効果ある鹿害対策が急務ですが、北海道などで行われている餌づけと処分を一連で行う対策や鹿が嫌うワラビの成分を活用した対策を講じるべきではありませんか。
 また、西田梅を福井梅として販路拡大を図るとした福井県の考えはよかったと思いますが、嶺南地域だけに限定するのではなく、嶺北の地域にも大規模な梅の農園を今後、公共事業などで出る建設発注土なども活用して造成し、生産と加工産業で和歌山に次ぐ産地とするぐらいの思い切った政策を展開するべきではありませんか。見解をお尋ねいたします。


 最後に、中国子会社の売掛金回収が遅延して、巨額の債務超過に陥り、民事再生手続中の江守グループホールディングスについてお尋ねします。
 江守グループは、福井の100年企業であり、それだけに、今回の破綻は県内各方面に衝撃を与え、金融機関も含めて与信管理問題が指摘されております。
 そこで、端的に2点お尋ねいたします。
 第1点は、取引企業及び雇用への影響について、県の分析と対応をお尋ねします。
 第2点は、平成26年度と平成27年度について、教育庁を含め、県が発注契約している契約事業の本数と総契約金額は幾らか、また、今後の契約変更など事業への影響について見解をお尋ねをして、私の質問を終わります。

◯議長(仲倉典克君) 知事西川君。
    〔知事西川一誠君登壇〕

◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、いわゆる安保法制に関する御質問であります。この法案等について、知事としての見解を問うということであります。
 これについては、前回もお答えをしているのですけれども、我が国の自衛権の行使については、国家の存立や国民の生命にかかわる重要な問題であることから、平和主義など我が国の憲法の精神を世界に示しながら憲法上できること、できないことをしっかりと判断する必要があります。
 特に、日本の防衛、安全、国益をどう守っていくかという大きな問題でありますので、国民にわかるよう十分な説明をしていく必要があると考えます。
 それから、与党内での報道についてのいろいろな批判といいましょうか、いろいろな動きについてどのように考えるかということでありますが、自由な議論というのは民主主義の根幹をなすものであり、御指摘の事案については、与党においてもこれらを損なうものと認識をしているような状況かと思っております。
 次に、原子力についての御質問であります。電力消費地が原子力発電所を一定の割合で活用することや、中間貯蔵施設の受け入れができないと、再稼働の議論の環境に至らないのではないかという御質問です。
 原子力発電の重要性や必要性に対する国民理解は、消費地を含めて今も十分に進んでいるとは言えず、先ほども何度か御答弁いたしましたが、政府は、国民理解のため、責任ある発言と対応を行う必要があると思います。
 使用済み燃料の中間貯蔵につきまして、これまで電力供給の恩恵を受けてきた消費地において対応すべきものであり、国が事業者任せにしないで、これまで以上に前面に立って消費地に分担と協力を求め、責任を持って進めるよう、強く求めており、これからも強く求めてまいりたいと考えます。
 これを受け、中間貯蔵施設の県外立地については、国は使用済み燃料対策の強化に向けた国としての基本姿勢、さらに、国や事業者による具体的なアクションプランをできるだけ速やかに策定することとしております。
 県としては、今後、プランの中で国や事業者の対応策がどこまで具体化されるかを十分に見てまいりたいと考えます。そして、国や事業者は、消費地に対し、また、福井県としても消費地などに対しては、国民としてエネルギーの問題をしっかり理解していただく、全体として、ものを考え、御判断を願うということを引き続き求めてまいりたいと考えています。
 それから、福祉行政に関連しますが、「社会を明るくする運動」、つまり犯罪や非行を犯した人たちの更生というんでしょうか、こういう問題についての運動をいかに進めていくかという御質問です。
 犯罪や非行をした者が、再犯や再非行に至らず、円滑に社会復帰するためには、更生保護についての地域社会の理解と協力が必要不可欠であります。私も裁判所やあるいは検察といった関係者とお話ししますと、「福井県は、犯罪などを行った人たちの刑事処罰や復帰について非常に心優しい対応をしている土地柄だ」ということをよく聞いております。福田会といった、長い歴史を持ったこういう民間の団体もある土地柄だと私は思っております。
 こういうことを大事にしなければなりませんし、県はこれまで司法、教育、社会福祉など県内のさまざまな団体とともに犯罪や非行のない安全で安心な社会を築く「社会を明るくする運動」を進めております。また、出所された高齢者や障害者に対し、適切な福祉サービスの提供をあっせんする地域生活定着支援センターの運営、また、社会復帰を支援する更生保護施設の整備への助成も今、申し上げましたように行っております。県としては、日本一の安全、安心な福井をさらに進めるため、引き続き「社会を明るくする運動」を県民全体のつながりの中で進めてまいりたいと思います。
 その他については、関係部長から答弁します。

◯議長(仲倉典克君) 総合政策部長山田君。
    〔総合政策部長山田賢一君登壇〕

◯総合政策部長(山田賢一君) 私からは、新幹線、三セクに関連して2点、お答え申し上げます。
 まず、福井駅先行開業のデメリット、メリット、また、新たに発生する事業費と県、市町負担の見込みについてお答えします。
 金沢-福井間、そして、敦賀までの一日も早い完成・開業というのは、経済波及効果の早期発現につながるものでございます。現在、与党の検討委員会におきまして、橋梁等の工期短縮、留置線など新たに必要となる施設の整備、その費用、新幹線の運行本数や乗り継ぎの利便性の確保など諸課題について検討が行われているところでございます。
 新たに発生する事業費でございますが、先月の第7回の会合で概算が示されたものとしましては、新幹線の留置線整備と運行管理システムの改修などで130から160億円、これは2線、または4線の留置線を整備したままそのまま置いておくという前提でございます。さまざまな前提条件によって大きく変動するということでございます。この留置線等を含めて、全体の経費についてはまさに今、精査しているところでございます。したがいまして、県や市町の負担についても、明らかになっていないという状況でございます。
 次に、富山、石川の第三セクター鉄道の問題点、課題、石川などと合同で第三セクターを設置する考えはないかということでございます。
 富山、石川の第三セクターにつきましては、先ほども御指摘いただきましたように、運賃が上がっているとか、乗り継ぎが割高であるとか、あるいはICカードの問題であるとか、諸課題があるわけでございますけれども、本県におきましては、こうした先行事例の諸課題を含めて十分参考にしながら、平行在来線の対策協議会におきまして利用者の利便性確保を第一ということで検討を進めていきたいというふうに考えております。
 富山、石川両県では、それぞれの県で第三セクターを設立したわけですけれども、これは、開業4年前に、それぞれの地域の利用実態に合ったダイヤとか運賃を決めたいということ、それから、迅速に意思決定をしたいといった観点から、それぞれでつくったということでございますけれども、本県におきましては、今年度、旅客の流動調査など、各種調査も行いますので、そうした結果も踏まえまして、本県単独でやるか、あるいは他県と合同でやるかということについてはいろいろメリット、デメリット等も整理しながら、石川県との協議も必要でございますので、検討していきたいと思います。

◯議長(仲倉典克君) 安全環境部長櫻本君。
    〔安全環境部長櫻本 宏君登壇〕

◯安全環境部長(櫻本 宏君) 私からは1点、原子力について、福井県民の避難先の一つである兵庫県内の市の議会が意見書を提出して、福井県の受け入れに反対の姿勢を表明したが、原子力発電所の災害時の県外避難先の市町村数はどうか。また、そのうち各議会の状況はどうかとのお尋ねについてお答えを申し上げます。
 原子力災害時におけます県外への避難先につきましては、石川県、奈良県、兵庫県の3県で計29市町がございます。平成25年度中に全て決定をしたところでございます。受け入れ先の自治体における議会への対応につきましては、それぞれの市町において、適切に行われているものと考えております。
 なお、御指摘の意見書は、安全体制の確立や実効性ある避難計画の策定など再稼働に当たり慎重な安全対策を求める内容となっており、若狭町において町民を受け入れの方針に変わりがないことを既に確認しているところでございます。

◯議長(仲倉典克君) 健康福祉部長山内君。
    〔健康福祉部長山内和芳君登壇〕

◯健康福祉部長(山内和芳君) 私からは福祉行政に関しまして4点お答え申し上げます。
 1つ目は、介護保険の介護報酬削減等により小規模事業所の廃業等が懸念されるということで、平成24年度以降の県内事業者の廃止や休止の実態についてお答えします。
 県内では、約2,500の事業所が介護サービスを行っております。事業所の休廃止の状況ですが、平成24年度が12件、平成25年度が20件、平成26年度が19件となっております。平成27年4月から6月末までの状況は、既に休止している事業所が廃止されたのが1法人、それから、休止が2法人ということになっております。
 休廃止の主な理由につきましては、利用者の減少、あるいは介護人員の不足といったようなことを聞いておりまして、現時点では、ことし4月からの介護報酬の引き下げを原因とした休廃止事業所はございません。
 なお、事業所の数そのものですが、平成23年度には約2,200事業所ということで、平成24年度から平成26年度にかけまして約300事業所増加しているというのが現状でございます。
 次に、特別養護老人ホーム等の入居者に対する補足給付の縮小の影響の見込みと対策の御質問でございます。
 所得の少ない方の特別養護老人ホームや老人保健施設等の食費、居住費の軽減措置についてですが、本県では、全体で9,880人の入所者のうちその6割に当たります約6,000人の方がこの補足給付の対象になってございます。
 本年4月からは、預貯金等の額が一定以上、単身ですと1,000万円、夫婦ですと2,000万円以上の資産がある等の場合には、軽減措置の対象外となることになっておりまして、国におきましては、現在の対象者の約2割程度が該当になるのではないかというふうに見込んでおります。
 一方で、所得の少ない方に対する介護保険料の軽減割合を本年4月から拡大をしておりまして、低所得者の負担軽減にも努めているところでございます。
 少子高齢化が進む中で、社会保障制度の持続可能性を高めるためには、若い世代だけに負担を求めるということではなくて、高齢者の方にも能力に応じた貢献をしていただくといったことは一つの方向性であると考えております。
 3点目といたしまして、介護保険の境界層措置について、少な過ぎるのではないかという御質問でございます。
 介護保険におきましては、低所得者の負担軽減を行っておりまして、生活の困窮について相談があった場合には、保険料の分納を認めるなどの配慮を行いますとともに、必要に応じまして福祉事務所での生活保護の相談につなげているところでございます。
 福祉事務所におきましては、介護保険料等の特例であります御指摘の境界層措置の適用も含めまして、生活保護の要否判定を行っているわけでございますけれども、収入が低いということで、境界層措置の対象にならないという場合には、しっかりと生活保護の適用につなげていくという対応をしているところでございます。
 最後に、保護観察中の者を雇用する協力雇用主等の拡大についての県の取り組みについての御質問でございます。
 国におきましては、出所者等の就労支援を行うために、これまでのトライアル雇用制度、また、職場体験講習などに加えまして、今年度から新たに雇用主に就労・職場定着奨励金、あるいは就労継続奨励金を支給する制度を設けました。
 県といたしましては、犯罪や非行のない社会づくりを実現するために、福井保護観察所、また、特定非営利活動法人であります福井県就労支援事業者機構と協力いたしまして、県が独自に実施いたします民間企業の人事担当者等を集めた研修会等におきまして、こうした制度の周知を図って、出所者等の再犯防止、あるいは社会復帰等への協力を求めてまいりたいと考えております。

◯議長(仲倉典克君) 産業労働部長田岡君。
    〔産業労働部長田岡卓晃君登壇〕

◯産業労働部長(田岡卓晃君) 私からは、1点、江守グループの取引企業及び雇用への影響についてお答え申し上げます。
 江守グループホールディング株式会社への聞き取りによりますと、これは営業休止をいたしました中国現地子会社の事業を除いた分でございますけれども、関連の取引先については、従前の取引を継続しており、支払いを含めて特に問題は生じていない。また、雇用についても、平成28年度の採用は控えているものの、事業譲渡した9社の従業員504人の雇用は継続されているほか、残る県内2つの子会社の38人の雇用も確保される見込みであるとのことでございました。
 県といたしましても、関連の倒産を防止する県制度融資など資金繰りの支援策を用意しているほか、必要に応じて労働局と連携し、従業員の再就職支援を行うことを通じ、地域経済に大きな影響が生じないよう、万全を期してまいります。

◯議長(仲倉典克君) 農林水産部長中村君。
    〔農林水産部長中村保博君登壇〕

◯農林水産部長(中村保博君) 私からは2点、お答えをいたします。
 まず、鹿被害対策として北海道などで行われている餌づけと処分を一連で行う対策、または、鹿が嫌うワラビの成分を活用した対策を講じてはどうかという御質問でございます。
 北海道では、エゾシカを中心に、囲いの中でえづけをして集めまして、一挙に捕獲してそれを食肉の加工用だとか、それから、処分用に仕分けをして搬出を行う、「囲いわな」を運用されているようでございます。
 本県では、北海道より大きなエリアを囲えないものですから、嶺南地方におきまして、ICT技術を活用いたしまして、無人で数頭の鹿を捕獲できるおりとかわなを設置して効果を上げている状態でございます。ただ、ある程度の面積や人手が確保できるような地域では、今後「囲いわな」も効果があると考えてございます。
 なお、ワラビの成分活用につきましては、そもそも鹿がワラビを食べるという報告もあり、効果が鮮明にあらわれないものでございまして、いろいろあるわけでございますが、いずれにしても鹿が嫌がる植物の活用につきましては、我々も研究を進めているところでございます。
 次に、梅につきまして、大規模農園を嶺北地方にも造成し、和歌山に次ぐ産地となるような思い切った政策を展開すべきではないかとの御質問でございます。
 梅は、現在、若狭町、小浜市などの嶺南地域6市町で270ヘクタール、比較的雪の少ない、南越前町、あわら市、坂井市、福井市の嶺北地域で28ヘクタールで年間1,500トン出荷しております。これは全国第5位でございます。
 平成23年度から、多収性品種の「福太夫」、「新平太夫」への改植を強力に進めまして、これまでに90ヘクタールの改植を済ませております。これらの品種が本格出荷となります平成30年には、出荷量は現在の1,500トンから2,200トンにふえまして、全国3位の産地となると思っております。
 全国的に梅干の需要が減っております。ただ、梅の成分に着目いたしまして、梅の需要を拡大するために、我々は、「黄金の梅ジャム」だとか「ウメサイダー」、甘くない梅酒「ベニチュー」さらに日本酒をベースにした梅酒など梅を使った新たな商品の開発を支援いたしまして、農業者の所得向上につなげてまいりたいと考えております。

◯議長(仲倉典克君) 土木部長浦君。
    〔土木部長浦 真君登壇〕

◯土木部長(浦 真君) 私からは、福祉行政に関連いたしまして、保護観察中の者を雇用した企業を優遇する入札制度を導入すべきではないかという御質問に対してお答えいたします。
 保護観察対象者等の雇用に対し、入札参加資格の審査におきまして加点評価を行っておりますのは、全国で岩手県など9府県となっております。
 本県では、入札参加資格の審査におきまして、企業の経営状況や技術力の評価のほか、障害者の雇用や子育て支援など社会貢献性の評価を行っているところであります。
 保護観察対象者等の雇用につきましては、協力雇用主として建設業以外にも製造業や運送業、サービス業など幅広い業種がその受け皿となっており、今後、保護観察対象者等の雇用につきまして、社会貢献性の評価項目として位置づけられるかどうか、検討してまいりたいと考えております。

◯議長(仲倉典克君) 会計管理者緒方君。
    〔会計管理者緒方正嗣君登壇〕

◯会計管理者(緒方正嗣君) 江守グループに関しまして、平成26と27年度に県が江守商事に発注した件数、総契約金額、契約変更等の影響についてのお尋ねでございます。
 県は、江守商事株式会社との間で、情報システムの開発や保守管理等につきまして、平成26年度に79件、約2億4,000万円、平成27年度は、これまでに44件、約1億2,000万円の契約を締結しておるところでございます。
 なお、同社は従来どおり企業活動を継続しておることから、契約変更等の措置は行っておりません。

福井県議会。来年1月からの駅東駐車場廃止は大問題。民主会派と懇談。寄宿舎指導員採用問題で懇談

2015年10月01日 | 福井県政
昨日は福井県議会の予算決算特別委員会でした。

 私が一般質問や常任委員会で問題にしてきた新幹線工事にともなう福井駅東口駐車場がなくなる問題について、昨日は公明党の西本議員も取り上げました。しかし、県側の答弁はなんら対応策をしめさない答弁でした。このまま来年1月から駐車場が利用できなくなれば、福井市民を中心に駅利用者や買い物客、イベント参加者などに大打撃です。

 県は、6月~8月に1日1460台が利用し、3分の2は無料時間の20分以内の利用だ、と説明。このことは、駅の送迎などの利用が多いことの反映でしょう。しかも、平均ですから、土日などは数千台の利用になっている可能性があります。

 また駅前の県の地下駐車場は、平成26年4月から30分無料を廃止し、利用が15%減りました。平成25年度は1日657台、平成26年度は1日559台。
 それにしても駐車台数は200台ですから、駅東の160台分がなくなると、地下駐車場だけでさばけるものではありません。

 いまの県民の利便性が大幅に低下し、駅中心部の活性化に逆行する事態なら、新幹線工事の延期もふくめて対応を検討すべきではないでしょうか。


 また、昨日は戦争法廃止の連合政府提案をもって民主党の控室をたずね、民主会派議員のみなさんに説明、懇談しました。

 議会後は、高等学校教職員組合のみなさんが、寄宿舎指導員の採用試験実施と増員を求める運動の協力にみえられ、実情をお聞きし懇談しました。

 夜は、労働者後援会の方との地域訪問活動。戦争法廃止の政府提案を紹介しながら、支援をよびかけました。
社民党の役員の方からは「共産党とともにがんばらないとだめだ、と議論している」とのお話しもお聞きしました。

 憲法9条を守り、戦争する日本にSTOPをかけるためにがんばりましょう!