前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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2016年12月県議会一般質問。戦争法。もんじゅ。放射能汚染水の行方。子ども医療費窓口無料化。歩道を明るく

2017年02月18日 | 福井県政
◯17番(佐藤正雄君) 議場の皆さん、県民の皆さん、おはようございます。日本共産党の佐藤正雄です。
 間もなく75回目の戦争開戦記念日がめぐってまいりますが、安倍首相と稲田防衛大臣は、遠く離れたアフリカの南スーダンへ派遣する自衛隊に駆けつけ警護などの憲法違反の安保法制、戦争法に基づく新任務を与えました。多数の福井県民を含む日本人300万人もの犠牲を出したさきの戦争の過ちを繰り返させないと、戦後71年間、日本国は一人の外国人も殺さず、一人の自衛隊員も戦死させずに今日まできました。
 それでも、これまでのPKO活動で、海外に送られた福井県出身の自衛隊の方もおられます。以前その方のお母さんとお会いした際に、毎日、毎日、息子さんが派遣された国の方角に向かって手を合わせて無事を祈っているとお聞きしたことがあります。安保法制、戦争法に反対する福井市内での街頭署名活動でも、私自身が何人もの自衛隊員の御家族の方の心配の声をお聞きしてまいりました。
 11月30日には、自衛官の息子さんを持つ50代の母親が、南スーダンへの派遣差しとめと撤退を求めて札幌地裁に提訴いたしました。このお母さんは、自分が産んだ子も、誰の子も死なせたくないと訴え続けております。今、ふるさとを遠く離れた内戦状態にある南スーダンに武器、弾薬を持って乗り込ませ、殺すかもしれない、殺されるかもしれない状況に日本人を置いた安倍政権、稲田防衛大臣。私は怒りでいっぱいです。
 知事にお尋ねをいたします。
 私にすら自衛隊員の御家族の不安の声がさまざま寄せられているぐらいですから、知事にも届いていることでしょう。福井県は、自衛隊員募集業務に積極的に協力しております。県民の命と安全を守ることが最大の仕事である知事にとって、安保法制、戦争法に基づき自衛隊員の命と身体をいわば戦闘状態にある他国に送り込むことに対して、きっぱり反対すべきではありませんか。見解をお尋ねいたします。


 次に、原子力行政について質問いたします。
 11月30日に日本原電敦賀2号機で点検工事中に、放射能を含んだ一時冷却水が作業員10人にかかるという事故が起こりました。また、たび重なるトラブルが続く「もんじゅ」では、9月に起こった火災事故の原因はいまだに不明との状況です。停止中の原発でも安全に対する意識の緩みが起こることは許されません。

 さて、「もんじゅ」については、知事も参加する協議会が開かれ、続けて、高速炉開発会議が開かれました。開発方針では、「核燃料サイクルを推進し、高速炉の研究開発に取り組む」などが示されていますが、この間の「もんじゅ」の失敗についての総括も反省もない姿勢です。
 知事は、代表質問への答弁で、運営主体の整備、敦賀市において研究開発、人材育成を行っていく具体的な方策を示すように求めています。
 しかし、今、大事なことは、国も県も高速炉の研究開発ありきで進むのではなく、まともに運転できなかった「もんじゅ」について、まず反省と総括、評価を明らかにし、国民と県民の中で議論すべきと考えますが、知事の見解をお尋ねいたします。
 さて、先日、テレビで福島県飯舘村の村長選挙にかかわる番組がありました。「福島原発事故のことを忘れないでください」と、繰り返しカメラの前で話す男性、高濃度の放射能で汚染されたふるさとのキノコを干して、においを嗅ぐ女性、食べてしまう男性の映像に、かつて見たチェルノブイリ原発事故後に、ほとんどの人は避難したのに、ふるさとに戻り、生活している高齢者の映像が重なりました。
 原発事故から来年3月で6年になろうとしていますが、放射能汚染は続き、原発の廃止措置の展望も不透明です。災害関連死亡者は福島県だけがずば抜けて多く、災害そのものの死亡者を上回っています。最近では、福島の子供に対する転居先でのいじめが大きく報道されました。また、教師によるいじめも明らかになりました。福島県の子供たちは、みずからの意思で好んで転居したわけではありません。子供たちを苦しめている原因の大もとは、原発事故であります。「首都圏へ電気を送り続け、経済成長を支えてきたのは福島県の原発だったじゃないか」というようなせりふでは、事故の避難者も受け入れ先の住民の気持ちも納得できず、空虚に響くだけです。
 国民の多数が、とりわけ福井の原発の電力利用地域である関西地域で、原発再稼働反対の声がひときわ高いことを考えずに、再稼働へばく進するようでは、福井県の孤立につながりかねないのです。時代と消費者の要求が、原発から離れてきていることをしっかりと認識することが必要です。
 8月に高浜原発事故を想定した県境を越えた避難訓練も行われましたが、9月議会でも指摘しましたように、とても実効性のある訓練とはいえませんでした。そこで、内閣府に、除染作業によって発生するであろう大量の汚染水や汚染物質の処分はどうするのかと質問いたしました。日本共産党の藤野やすふみ衆議院議員と倉林明子参議院議員にも同席をいただき、その後、議員事務所を通じて届いた内閣府からの回答は、「除染作業で発生した汚染水などは、福井県内の関西電力の施設に移送し、保管する」というものでありました。
 関西の経済のために福井県の原発は貢献しているというわけですが、福島のような事故の際に発生する放射能汚染物質は、京都や滋賀など他府県で飛散、処理したものも含め、福井県内に搬送されるのであります。
 福島原発事故でも、原発立地自治体に広大な汚染ごみの処分場がつくられています。福島の現実と向き合えば、ふるさとに放射能汚染物質が押しつけられてくること、住民への保障や賠償も打ち切られ、見捨てられていくこと、事故を起こした東京電力は、破綻もせずに利益を上げる一方で、後始末の費用負担は国民負担とされること、これが、冷厳な現実です。原発はクリーンでも安価でもありません。
 西川知事は、福井県は発電は引き受けたが、ごみは引き受けないとおっしゃいますが、政府は、福井県の原発事故で発生し、他府県で処理した放射能汚染ごみ、汚染水、これらは高浜町やおおい町や美浜町など、福井県内に持ち込み、保管すると言っているんです。このような問題を県民に隠したまま原発再稼働を進めることは、論外ではありませんか。原発事故の際の福井県と県民が背負うリスクについて、福井県の責任で、県民への説明責任をなぜ果たさないのですか。
 原発事故の際に発生した県外の汚染ごみ、汚染水を福井県に押しつけられる、このような原発再稼働にはきっぱり反対すべきではありませんか、知事の見解をお尋ねします。


 次に、子供の医療費の問題で質問します。
 全国からおくれている子供の医療費の医療機関での窓口無料化についてであります。
 私もかねてから議会で要求し、県議会でも福井県医師会などからの請願もあり、全会一致で採択されました子供の医療費窓口無料化に、ぜひ新年度から踏み出していただきたいと思います。
 厚生労働省が社会保障審議会医療保険部会に示した見直し案では、何と就学前の子供に限り、国の罰則措置を見直すという極めて不十分な内容です。今、福井県内では、中学卒業までの医療費無料化が進んでいるわけですから、小学校入学前までしか対象にしないという極めて不十分な安倍政権の対応が明らかになった以上、多くの都道府県同様に、福井県独自に直ちに取り組むべきではありませんか。
 2009年から、中学3年までの窓口無料化を実施している群馬県では、その前後でぜんそく患者の受診は20%ふえ、アトピー性皮膚炎では16%ふえたそうです。つまり、それまでは、受診抑制、病院に行かないということがあったということであり、子供の健康にとって医療機関での窓口無料化が急がれます。また、東京23区では、2007年から、中学3年まで窓口無料化していますが、都民全体の救急車出動件数はふえていますが、中学生以下は窓口無料化の早期受診もあり、増加しておりません。また、救急夜間診療も減少傾向にあるそうです。効果ははっきり出ています。
 担当課のお話では、窓口無料化の準備には1年ぐらいかかるかもしれないということですから、知事の決断がおくれればおくれるほど、福井県の子供は置き去りにされます。福井県でも、全国並みの中学卒業までの窓口無料は直ちにやろうと、知事が決断すべきではありませんか。知事の決意をお尋ねいたします。


 最後に、高齢化社会に対応した歩道照明について質問いたします。
 かつて子供の通学路に対する歩道を明るくする事業を県として行い、県内各地で取り組まれ、歓迎されました。今後、高齢化に伴う免許返納者の急増とともに、歩道をより安全にしていく取り組みが必要になります。
 例えば、今ごろの時期になりますと、夕方5時ごろから薄暗くなり、6時ぐらいにはもう照明がない歩道は真っ暗と、歩きにくく、危険になります。福井市中心部でも、歩道のでこぼこが見えにくくなることによる転倒とか接触事故のヒヤリハットが報告されております。また、高齢者の交通事故増加で、福井県や県警は、高齢者に自動車や自転車の利用を控えるように呼びかけると報道されました。
 そこで、新たなスキームとして、子供もお年寄りも安心して歩けるまちづくりのために、県が管理する県道について、車道──車の道ですね、車道照明に責任を持つだけではなくて、県が管理する道路の歩道については、県が責任を持って、歩行者の利便性と安全性を高める施策が必要ではないでしょうか。今後、福井国体も含めて、観光誘客も進めるのであれば、なおさら夜に安心して歩けない暗い歩道は解消されなくてはなりません。
 特に、高齢者や子供たちが、会合とかスポーツなどで夜間に集まるのは公民館や学校であります。まずは、公民館、学校周辺の県道について、安全と要望の調査も行って、対応すべきではありませんか。子供と高齢者の安全のためにも、歩道を安心して歩けるように、歩道照明などの整備を計画的に推進すべきではありませんか。答弁を求めて、質問を終わります。

◯議長(松井拓夫君) 知事西川君。
    〔知事西川一誠君登壇〕

◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えいたします。
 安倍政権における安保法制等の課題であります。
 安保法制等に基づき、自衛隊員の命と身体をいわば戦闘状態にある他国に送り込むことに対し、反対すべきではないかとの御質問です。
 昨年9月に安全保障関連法が制定をされ、3月に施行をされています。国家の防衛、安全、国益をどう守っていくかという大きな問題にかかわる課題であり、政府は憲法に則して、この法律を運用するとともに、国民に十分わかるよう説明をしていくことが、この問題の基本であると認識をしております。
 次に、福島原子力発電所事故と福井県の関連する行政についてであります。
 国も県も高速炉の研究開発ありきで進むのではなく、十分運転できなかった「もんじゅ」について、まずは反省、総括、評価を明らかにし、国民、県民の中で議論すべきではないかとの御質問です。
 「もんじゅ」は、平成7年12月の漏えい事故以降、約20年間、ほとんど運転をされていない状況が続いており、今も原子力機構は、保守管理の不備などさまざまな課題が指摘されております。これまで多くの時間をかけながら、十分な成果があらわれず、いまだにこうした状況にあることは、立地地域にとって極めて遺憾であります。
 一方、「もんじゅ」のこれからの取り扱いを議論するに当たっては、原子力機構による管理、運営の不手際という問題が一方であると同時に、我が国のエネルギーの安全保障のための科学的、技術的な将来問題をどう考えるか、これは別の事柄として、それぞれ議論をし、結論を出す必要があると思います。
 国は、「もんじゅ」の取り扱い方針について、机上の議論ではなく、敦賀市、福井県、この現場と離れ離れにならないよう、県民や国民の目に見える形で具体的な議論を進め、地元が納得できる結論を出していただきたいと考えています。
 次に、子供も高齢者も安心して暮らせる施策についての中で、いわゆる子供たちの医療費の無料化について、全国並みの中学卒業まで、そして、病院の窓口のその段階で無料化を直ちにやるべきではないかという御質問です。
 子供の医療費の助成については、福井県は、所得制限を設けず、小学3年までを対象としており、市町が独自に中学3年生まで拡充しておりますので、全国的にも手厚い制度であります。福井県だけの部分を考えますと、小学3年まで福井県は8億円の負担をしておりますが、例えば、石川県、富山県では、3億円ないし4億円の負担でこの応援をしているという状況でありまして、福井県は余り条件とか、いろんなものをつけていないということで、手厚い制度であります。
 一方、国は窓口無料化とする市町に対しては、国民健康保険の国庫負担金を減額措置するという制度を加えており、現在、県内各市町では、この減額措置については、後日返すという方法を講じているわけであります。
 こうした国による減額措置については、全国及びブロック知事会を通し、国にその廃止を強く求めており、先週の全国知事会でも改めて緊急の決議を行ったところであります。これらを受け、国は未就学児までの窓口無料化につきましては、平成30年度から減額措置を廃止する方向で議論をしております。一方、この問題に関連し、一部負担金を残すという検討であるとか、所得制限の必要性についても検討しており、年末までに結論を出すとしておるわけであります。
 福井県といたしましては、こうした国の検討状況を十分注視するとともに、この制度改正が行われた際には速やかに対応できるよう、現在、市町とともに、あらかじめ窓口無料化の対応などについて具体的な協議、検討を進めているところであります。
 その他については、関係部長から答弁します。

◯議長(松井拓夫君) 安全環境部長清水君。
    〔安全環境部長清水英男君登壇〕

◯安全環境部長(清水英男君) 原発事故の際に発生した県外の汚染ごみも福井県に持ってこられるのではないか、そういう原発再稼働については、きっぱり反対すべきではないかというお尋ねでございます。
 住民が避難する際、いわゆるスクリーニングポイントでいろんな除染とかを行うわけですが、その際に発生をいたしました汚染水については、原子力事業者が処理するということになっております。一応決まっているのはそこまででございます。
 なお、こうした事故が起こらないようにということが当然一番大事でございまして、福井県では、福島事故直後から今日まで、福島のような事故は福井では絶対起こさせないという覚悟で、国に先駆けて事業者に安全対策の実施を求め、徹底させてきているところでございます。
 再稼働に当たりましては、県原子力安全専門委員会において、国や事業者の対応を厳格に確認するなど、今後とも、原子力発電所の安全追求に終わりはないという姿勢で、さまざまな課題に対応してまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。

◯議長(松井拓夫君) 土木部長辻君。
    〔土木部長辻 義則君登壇〕

◯土木部長(辻 義則君) 私からは1点お答えします。
 子供と高齢者の安全のためにも、歩道を安心して歩けるように、歩道照明などの整備を計画的に推進すべきではないかとのお尋ねでございます。
 歩道の照明につきましては、通学路の安全・安心を確保するため、平成16年度から18年度まで、学校周辺の県管理道路を対象に、事業費約7,900万円を支出しまして、約1,500基の防犯灯を県が設置してきたところでございます。また、今度は、平成23年度から26年度まで、通学路において市町などが実施するLED防犯灯の新規設置要望に対しまして、約5,200万円を補助し、約1,800基の防犯灯設置を支援してきております。
 これまで学校周辺における通学路の夜間の安全対策を優先的に実施してきましたが、議員御指摘の公民館周辺における歩道の照明につきましては、まずは市町の考えを聞いてから対応していきたいというふうに考えております。

◯議長(松井拓夫君) 佐藤君。

◯17番(佐藤正雄君) 知事に再質問いたします。
 「もんじゅ」に関してですが、原子力機構の問題と国のエネルギー安全保障は別の事柄だというふうにおっしゃいましたけども、「もんじゅ」の流れの中で、高速炉の会議が行われて議論されているわけですから、これは一体だと思うんです。事柄は別々とかということじゃなくて、一体の議論だと。敦賀の「もんじゅ」が今後どうなるかという動向と、それから国が核燃料サイクルを維持していくという方針ですから、その中でどうしていくかというのは一体だと思うんです。ですから、やはり「もんじゅ」そのものについて、なぜこういう失敗をしているのか。あるいは、もっと言えば、核燃料サイクルについてはなぜ行き詰まっているのか。ここの反省と総括抜きに、とにかく高速炉はつくりましょうという計画だけ進めるようではおかしいんじゃないかということを私はお尋ねしているので、それはちょっと御答弁いただきたい。
 それから、子供の医療費無料化について、知事の考えをお尋ねしたいんですが、国の議論はいろいろあります。しかし、国は、小学校に入るまでしか窓口無料化はしない方向ということも打ち出したわけですから、これは今、知事も御答弁されたように、福井県内では県と市町が協力して中学校卒業まで無料化措置をとっているわけですから、国が仮に小学校就学前までしかしなかったとしても、福井県は、市町と協力して現行の中学校卒業までの無料化制度を窓口無料化するというお考えがあるのかどうかを確認したいと思います。
 それから、安全環境部長に確認したいのは、この原子力、(「過ぎたぞ」と呼ぶ者あり)──わかりました。じゃあ、知事にだけ質問します。

◯議長(松井拓夫君) 知事西川君。

◯知事(西川一誠君) 「もんじゅ」の問題につきましては、「もんじゅ」自体のさまざまなこれまでの経過、あるいは今後の方向について、我々は地元として、今後どう40年間の総括をし、これをどう今後の方向に持って行くのかという議論を求めているところであります。
 一方で、「もんじゅ」を含めたさまざまな核燃料サイクルについて、日本としてエネルギー政策上、これをどう進めていくかというのは、国のエネルギー基本計画にもありますように、この位置づけを明確にする必要がありますので、双方を求めているということであります。
 それから、子供たちの医療費の無料化の議論につきましては、現在、国において最終的な議論を進めておりますので、そうした結果を受けて、速やかに自治体の立場で必要な対応を市町と協議をしていくと、こういうことであります。

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