2019年12月20日 県議会本会議での佐藤正雄議員の反対討論です。
◯議長(田中宏典君) これより、討論に入ります。
佐藤君及び細川君より反対討論の通告がありますので、許可することといたします。
佐藤君。
〔佐藤正雄君登壇〕
◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
第85号議案福井県一般職の職員等の給与に関する条例等の一部改正については、住居手当の改定により県職員、教職員、警察官などに3,400万円もの手当削減となるものです。3分の2の職員が住居手当を減らされることになり、多い方は年間7万円を超える削減となるひどいものであります。その一方で、知事などの特別職の手当引き上げは本末転倒ではありませんか。よって、知事、議員など特別職の手当引き上げを含む第75号議案一般会計補正予算にも反対です。
第82号議案手数料条例の一部改正は、2級建築士試験などの受験手数料、免許手数料の引き上げであり反対です。
次に、請願についての委員長報告に反対の討論を行います。
請願第6号消費税率5%に引き下げを求める請願についてです。福井商工会議所の調査でも、消費税増税後に売り上げが減少した事業所は44%にもなっています。飲食業では56%、小売業で52%が売り上げ減少です。まさに消費税増税が家計とともに地域経済に大きなダメージを与えていることは、この1カ月だけでも明らかではありませんか。安倍政権は、さらに愚策と言われるマイナンバーカードポイントなど増税の影響緩和に躍起ですが、大きな痛手を負った人に輸血するだけではなく、まずやるべきは止血であります。
大企業の内部留保は456.1兆円と過去最高を更新しました。一方、第二次安倍政権発足後、実質賃金は年間18万円も低下し、貧困と格差が広がり続けています。福井県庁の資料でも、10年間で福井県内の世帯当たり収入は100万円近くも減っているのです。県民の暮らしと営業を痛めつける消費税は5%に戻すことが一番の景気対策であり、採択すべきであります。
次に、請願第7号老朽原発再稼働中止の意見書提出などを求める請願は採択すべきです。私は、毎日新聞に1990年から連載された「証言 原発20年 福井からの報告」のコピーを改めて読み直しました。1990年6月に敦賀市役所で開催された福井県原電所在地議会特別委員会連絡協議会で、委員が「建設前に原発の寿命は20年、とある推進の立場の学者さんが言っていたが、今では30年とか40年とかいう。一体どうなっているのか」と、日本原子力研究所の特別研究員に詰め寄ったとのくだりがありました。私自身も、今は亡き元敦賀市会議員上野寿雄さんから、原発をつくるときには寿命は20年から30年との説明を受けたとお聞きしたことがあります。そして、今度は60年間運転への延長であります。しかも、一般質問で紹介しましたが、関西電力の豊松前原子力事業本部長は、講演の中で80年間運転についても語っていたのです。
この毎日新聞の連載の中では、関西電力の当時の飯田孝三副社長が、国民の総意があれば難しい原子力をやめて太陽エネルギーなどほかのことをやりたいくらいだと発言したことも紹介されています。福島原発事故のような事故が起これば地域はなくなります。そのような事故がなくても行き場のない使用済核燃料がたまり続け、子々孫々に放射能のツケを残します。原発に頼らない日本は今国民の総意になりつつあります。私たちの時代に始まった原発です。私たちの時代に区切りをつけることが、後から来る人たちへの責任ではありませんか。採択を求めます。
次に、請願第8-1から8-3号は、関電原発にかかわる不正資金還流の真相究明を求める請願であります。第一に、県の調査の不十分さは、西川前知事の森山元助役からの金品授受はないとの証言内容について、ほかの聴取者からはとっている本人確認のサインをもらっていないことでも明らかです。また、杉本知事は、金品のやりとりは森山元助役と県職員の個人的なやりとりと説明されましたが、このような説明は職務で森山氏との関係を持たざるを得なかった当該県職員の個人責任として切り捨てる態度ではありませんか。金品提供はその職務と一体に行われたのであり、改めて第三者委員会による調査で全容解明を行うべきです。
警察幹部への金品提供についても、マスコミ取材に元幹部が認めている以上、いつごろからどの範囲で森山元助役との関係と金品授受があったのか、警察行政への働きかけの有無を含めて調査すべきであります。
議会については私たちが当事者であり、みずからの責任で解明すべきです。歴代県議会は、メルトダウンにつながりかねなかった美浜2号機での蒸気発生器細管破断事故、11名が死傷した美浜3号機配管破断事故など相次ぐ重大事故がありながら、そして3.11福島原発事故での取り返しのつかない重大な被害を見てもなお、全国に先駆けて関西電力原発再稼働を認めてきた経緯があります。本州で原発再稼働を認めているのは福井県庁と福井県議会しかありません。そして今回、関西電力原発の巨額闇マネーの流れの一端が世の中に明らかになりました。理事者ですら不十分ながら調査を行ったのですから、もう一方の原発推進の当事者である県議会もみずから調査すべきです。これすら不採択にするようでは、県議会が関電森山マネーの疑惑隠しとの県民の批判を免れません。
請願第9号から11号の3本は、通学路の安全確保や虐待の問題を抱えている子どもたちや家庭への支援充実などを求めるものであり、採択すべきです。
以上申し上げまして、反対討論といたします。御賛同をよろしくお願いいたします。