TIME IS ON MY SIDE

シンガポールは今日も暑いなあ。

ポートレイト・イン・ジャズ。

2009-07-20 | 本、映画、音楽
真夜中にジャズを聴くのが好きです。
インド音楽から飛びすぎや…(笑)

夜、シーンと研ぎ澄まされた
静けさの中でジャズを聴いてると

演奏されているその場の空気感や、
プレーヤーの息づかいまでが、

手にとって掴めそうな親密さを感じ
られるのがいい。

オットが出張で留守の折は、気がね
しなくていいので、ここぞとばかりに
夜更けまでジャズをかけまくる。(笑)



きょうはジャジーな本をひとつ。
私の好きなプレーヤーたちが、
たくさん出てくるこの本

「ポートレイト・イン・ジャズ」
(和田誠・村上春樹/新潮文庫)

和田誠さんの描く26人の選りすぐりの
ジャズメンの肖像画に

それぞれのプレーヤーと印象的な
レコードについての、春樹さんの私的
レビューが添えられた素敵な1冊。

春樹さんのジャズへの造詣の深さと
感性の鋭さは、

もちろんご自分でジャズバーを経営
されていたほどの方なので、当然とも
いえるんですけど

「ジャズを聴く楽しさ」「ジャズのかっこ
よさ」という形のないもののことを、

通を気取ることなく、あくまでやさしく
わかりやすく…でもこれだけ鮮やかに
文章にされるところはさすが。

何よりひとつひとつのエッセイに、今は
もうその殆どがこの世を去ってしまった
ジャズメンと

彼らの残した音楽への深い愛情や慈しみ
のようなものが感じられて

春樹さんが、大切にしている宝箱を
そっと開けて見せてくれているような
雰囲気があって

なんとも心が温まるのですよ。

和田さんの描かれるカラフルな肖像画も、
上手さに思わずニヤリとなる。

これから古いジャズを聴いてみたいな、
という方にもオススメです。