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伊予鉄道 3000系電車

2011-09-05 22:50:24 | 電車図鑑・ローカル私鉄&第三セクター
老朽化の進んだ800系電車全車と700系電車の一部を置き換えるため、京王電鉄の
3000系電車を譲り受けたものである。
平成21年~平成23年度にかけて3両編成×10本=30両が導入される予定で、
平成22年までに3両編成×6本=18両が入線している。
製造を担当したメーカーは東急車輛で入線に当たっての改造は京王重機が行った。
なお、製造年度は昭和58年~昭和63年で、クハ3303号車は京王電鉄時代の踏切事故で
車体を作り直しており、平成2年製造となっている。
編成の組み方は高浜側から順に以下の通り。

クハ3300形+モハ3100形+クハ3500形

クハ3300形:高浜側に運転台を持つ制御車。集電装置・補助電源装置(SIV)装備。
モハ3100形:中間電動車。集電装置・主制御装置装備。
クハ3500形:郡中港・横河原側に運転台を持つ制御車。エアコンプレッサ装備。

新旧車番の対比は以下の通り(※は平成23年度導入予定)。

クハ3301+モハ3101+クハ3501←クハ3770+デハ3020+クハ3720
クハ3302+モハ3102+クハ3502←クハ3771+デハ3021+クハ3721
クハ3303+モハ3103+クハ3503←クハ3772+デハ3022+クハ3722
クハ3304+モハ3104+クハ3504←クハ3773+デハ3023+クハ3723
クハ3305+モハ3105+クハ3505←クハ3774+デハ3024+クハ3724
クハ3306+モハ3106+クハ3506←クハ3775+デハ3025+クハ3725
※クハ3307+モハ3107+クハ3507←クハ3776+デハ3026+クハ3726
※クハ3308+モハ3108+クハ3508←クハ3777+デハ3027+クハ3727
※クハ3309+モハ3109+クハ3509←クハ3778+デハ3028+クハ3728
※クハ3310+モハ3110+クハ3510←クハ3779+デハ3029+クハ3729

車体はオールステンレス製で(正面窓周りは普通鋼鉄製)京王時代から基本的に
変更はない。
正面は2枚窓非貫通で窓周りは京王時代には各編成で色を変えていたが、
伊予鉄道では全車がアイボリーで統合された。
京王時代のリニューアル改造で、正面窓は側面まで回りこんだパノラミック
ウィンドウとなっているほか、下部にはスカートを設置している。
塗装は既述の通り、正面窓周りがアイボリーで側面にアイボリーとオレンジの帯が
入れられている。
行き先表示は正面中央下部と側面にあり、いずれも字幕式である。

車内はオールロングシートで既述の通りに京王時代にリニューアル改造を
受けている。
優先座席は各車両車端部にあり「おもいやりゾーン」を伊予鉄道で初めて設けた。
一見、京王時代と変わらない様に見えるが、京王時代の表記は「おもいやりぞ~ん」
である。
車椅子スペースはクハ3500形乗務員室後方の座席を撤去して設けている。
ドアは片側3箇所、両引き戸で変更はない。
各車両2箇所のドア上部にLED式旅客案内装置を設置した。
この案内装置は停車駅を案内するものではなく文字情報によるニュースや広告を
流すものである。

主制御装置や各種電装品は電圧の相違から、そのまま使用することが出来なかった
ため、総取り替えとなった。
主制御装置は界磁チョッパからIGBT式VVVFインバータ制御とされた。
これは伊予鉄の郊外電車で初めての採用である(軌道線ではモハ2100形が伊予鉄で
初めて採用)。
ブレーキは回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキである。
台車は軸箱支持をペデスタル式としたダイレクトマウント式空気バネ台車で、
モーターの駆動方式は中空軸平行カルダン駆動方式である。
運転台はツーハンドル式のままで変更はない。

平成21年の夏より営業運転を開始し、順次800系を置き換えて、平成22年度までに
これを完了した。
伊予鉄道郊外電車ではラッシュ時3両、日中などを2両で運行しているが、本形式
充当の列車は終日3両編成で運行され、日中列車の輸送力増強が図られている。


○導入間もなく大手町駅で並ぶ3000系第1・2編成。新車導入記念の
 ヘッドマークが付けられている。


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