水の丘交通公園

鉄道メインの乗り物図鑑です。
※禁無断転載!使用に際してはコメント欄にて
用途を申告してください。

京福電気鉄道福井支社 モハ3001形電車(許可を得て撮影)

2012-05-05 17:56:12 | 電車図鑑・ローカル私鉄&第三セクター
老朽化した在来車両の置き換えのため、南海電鉄で架線電圧の1500V化で不要となった同社の
11001形(昭和29年~昭和37年製造。南海で初めてのカルダン車で南海本線で特急車として
運用された。全車帝国車輛製)を譲り受けたものである。
昭和48年~49年にかけて先頭車ばかり9両を譲り受け、このうち2両編成×4本=8両が在籍し、
1両は部品供給車となった。
編成の組み方と南海時代からの車番対比は以下の通りとなる。

←福井:モハ3001形+モハ3002形

・モハ3001+モハ3002=南海モハ11009+モハ11010 ・モハ3003+モハ3004=南海モハ11011+11012
・モハ3005+モハ3006=南海モハ11013+モハ11013 ・モハ3007+モハ3008=南海モハ11001+11008

部品供給車:南海モハ11004

車体は京福福井で初めての20m級で高抗張力鋼鉄を用いた普通鋼鉄製となっている。
元となった車両の関係から、モハ3001~3006号までとモハ3007・モハ3008で先頭形状が異なる。
前者は流線型・2枚窓のいわゆる南海式「湘南スタイル」、後者は切り妻・貫通型で後に非貫通・
2枚窓に改造され独自の形状となった。
塗装はアイボリーにエンジの帯の京福カラーに変更されている。
行先・種別表示は行先板を掲出するタイプである。

車内は車端部をロングシート、ドア間を転換クロスシート(左右2列配置)としたもので
南海のクロスシート車の特徴でもある網棚照明もそのまま残されていた。
ドアは片側2か所でいずれも片引き戸で窓は一段下降窓である。

主制御装置は抵抗制御でブレーキは発電ブレーキ連動の空気自動ブレーキである。
台車は軸箱支持をウイングばね式としたコイルばね台車でモーターの駆動方式は
中空軸平行カルダン方式で大手私鉄から地方私鉄向けの譲受車としては
初めてのカルダン駆動車(自社製造は昭和30年代に富士急行、秩父鉄道、長野電鉄、
北陸鉄道などに例有り。また本形式より少し前に大井川鐵道に北陸鉄道のカルダン車
6050系「くたに」号があったが譲渡にあたり、電装解除されトレーラーになっている)となった。

本形式の導入を検討し始めた頃は越前本線(現・えちぜん鉄道勝山永平寺線)勝山~京福大野間が
存在しており、途中に存在した下荒井トンネルの通過が不可能で京福大野までの乗り入れができない
恐れがあったが、同区間の廃止が決定すると共に導入が決定した。
入線当初からクロスシートの車内と優美なスタイルが好評を博し、三国芦原線で海水浴シーズンに
運行されていた福井から三国港への臨時直通急行「イルカ」・「かもめ」などに投入され、京福福井の
看板車両として活躍した。
昭和56年に貫通型だったモハ3007・モハ3008の非貫通2枚窓化改造を実施し、全車に対して
ヘッドライトのシールドビーム2灯化も施工されている。
平成2年にワンマン運転開始に伴い、側面運転室寄りの客用扉を運転席のすぐ後方に移動させる
改造を実施した。
その後、平成6年にモハ3003+モハ3004が機器不調により廃車となり、以降は部品取り兼
倉庫として福井口車庫の奥に留置された。
残りの3本は引き続き、運用されたが老朽化が進行してきたことやワンマン車とはいえ、
2連でしか運用できず、日中は輸送力過剰となりやすいことから、徐々に予備車になっていった。
平成12年と平成13年に相次いで列車衝突事故を起こして京福福井が運行停止処分となると
他の車両と共に全車が休車となる。
京福福井からえちぜん鉄道に経営譲渡がされた後、同社に本形式も引き継がれたが、
老朽化が大きく進行していたことから一度も使われることがないまま廃車となり、
永平寺線の廃線跡を利用した永平寺口駅構内に留置された後、平成16年ごろまでに解体された。
福井口車庫の3003号と3004号は3004号が先に解体処分された後も3003号が長く残され、
平成17年に解体されるまで存在した。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
えび茶色ラインから紺色へ (北陸専門バード)
2012-05-06 00:24:56
画像後ろに現えち鉄車両が見えます。福井口駅から線路右側を少し歩くと鉄道会社の倉庫。線路左側はJRのコンクリートの高架。もうしばらくやや右正面のNTTのオレンジ色と白色の鉄搭を目指してあるくとJRの高架が終わるのと逆にえち鉄線路が左に曲がりながら上がって行き、上下でクロス。個人的にはここが一番オススメのポイントです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。