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かーちゃんはつらいよ

施設入所した19歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

久々の110番

2019年10月09日 23時16分33秒 | みゆみゆとの生活
久々に110番した。

晩ごはん中の6時半、突然冷蔵庫に突進して「りんご ください」と言うそうちゃんに、「りんごはご飯全部食べてからだよ。」と伝えた。
ただそれだけで。
大大パニック突入。
「けるよー!」と叫んでふすまを蹴り、それがふっ飛んでったのを皮切りに、
クローゼットを、壁を、蹴る蹴る。
大声あげながら。
家具がバキッとすごい音を立てて割れた辺りで、これは私の手に負えないと判断。
110番して、「自閉症の子どもが暴れているので、来てもらえませんか?」と叫ぶ間にも、ドコンドコン、バンバンと音が響いてたはず。
私の「そうちゃん!やめて。」と言う声も。

電話を切った頃、今度はそうちゃんが玄関に向かった。
外に出られたら大変なので、馬乗りになって押さえ込む。
けどガリガリとはいえ中学生男子。
バネの力で私をはねのけ、裸足のまま飛び出して行ってしまった。
もうね、この状態までくると、「あーっ!」としか声が出ない。
私も必死で裸足のまま追いかけたけど、全速力で畑を抜けていくそうちゃんには追い付けず。
あっという間に見失ってしまった。

ともかく、行った方角へ走る。
角を曲がるとき、犬を散歩中の方に「男の子が走って行きませんでしたか?」と聞いたら、
「そうちゃん?さっきの、そうちゃんだったんだ。」と聞き覚えのある声。
なんとそうちゃんが児童館の学童保育に通ってた頃お世話になった保育士さんだった。
「せんせいー!」とワントーンあがる。
先生、電話持ってない?と借りて、再び110番。
「さっき暴れてますと通報しましたが、今パニックで家を飛び出して行方不明です。」と報告。
保育士さんに電話を返し、近くのコンビニへ。

コンビニの店員さんは、「来ました。でもすぐ出ていきました。」と。
商品に触ったり何かを食べたり壊したりはしなかったみたい。
よかった。
いや。よくはない。
どこ行ったんだ?

この方角だとビデオ屋さんかも、ということで、一旦自転車を取りに帰った。
お。みゆみゆが帰ってる。
「何があったの?事件性しか感じないんだけど。」と言う。
まあ、ふすま飛んでるし、テレビ付けっぱなしで誰もいないしね。
手短に事情を説明し、警察が来たら私の携帯に電話してもらうように言う。

そして、自転車飛ばしてビデオ屋さんへ爆走。
信号待ちで、「ビデオ屋行くの?」と声をかけられ、振り向いたらさっきの保育士さんだった。
犬を家に置いて、自転車で探しに来てくれたらしい。
私がビデオ屋に行くことを伝えると、「じゃ、私はスーパー行ってみるわ。」と言ってくれた。

お礼を言って、私はビデオ屋さんへ。
でも、いなかった。
他の可能性は?かっぱ寿司か。
友人に電話し、車で見に行ってもらうことに。
二つ返事で引き受けてくれた友人に感謝。

私は警察が家に来るかもしれないので一旦帰ることに。
その途中、みゆみゆから電話が。
「母さん?警察の人来たよ。電話代わるね。」

女性警察官が、
「息子さんと思われる子を保護したと署から連絡がありました。」

ああ、
よかった。
生きてた。

思わず自転車を止めたら、すぐ目の前にパトカーが目に入った。
まさか、と思いつつ覗いたら、
そうちゃんがいたよ。
警察官の横に、ニコニコ笑って座ってた。
もうほんとに、涙が出そう。

電話を切り、パトカーの人に、
「すみません、この子の母親です。ありがとうございました。」と言った。
どうやら、病院(クリニック)に入って行ったらしく、そこのスタッフさんが110番してくれたようです。
鼻血が出たようで、病院の方がティッシュとビニール袋を警察の方に渡してくれていました。
親切だ。
いい人ばっかじゃないか。

事情聴取を、ということで家に帰り、そうちゃんはパトカーに乗せたまま警察官と話した。
警察としては、ただの迷子なら引き渡して終わりだけど、今回は「暴れてる」から始まっているので、安全を確認してからしか帰れないとのこと。
そうちゃんの主治医(大学病院)と、先月入院していた病院に私が電話し、緊急入院が頼めないか聞くことになった。
結論的には、どちらも引き受けてくれず。
警察が紹介できるのは輪番の精神科。
でも、病院に着いた時点でも暴れ続けてるなど、よっぽどじゃないと入院はさせてもらえずすぐ帰される、とのこと。

結局、警察の上の人とも話した結果、お父さんが帰ってくるのを待って今日は警察はひきあげる、ということになった。
「身柄引き受け」のことを警察用語で「ガラ受け」と言うらしく、「お父さんのガラ受け待ちです」と無線で言ってるのが聞こえる。

こんな日に限って仕事の飲み会だった夫。
迷子の一報を入れてからすぐに自宅に向かってくれていた。
飲み会は乾杯だけ。申し訳ない。しゃーないけど。

行方不明になってから1時間半。
私が警察と話したり病院に電話している間、ずっとそうちゃんはおとなしくパトカーに座っていた。
途中、パトカーに気付いた隣人が来てくれて、みゆみゆと一緒に外れたふすまを直してくれた。
ありがたい。ありがたすぎる。

警察官に、「こういう、思春期で暴れる子はどこが見てくれるんですか?」と聞いてみたら、
「思春期を診られる病院はほとんどないし、入所施設も満杯で簡単には入れません。皆さん、おうちで親御さんが見てるのが現状です。」と言われた。
そうですよね。知ってました。
3月に大荒れした時、市役所や児相が必死で探しても一箇所もなかったので。

家で頑張るしかないのかー。
もっとすごい家もある話を警察官から聞きながら、うなる。
警察と市役所や児相は、虐待や「ガラ受け人不在」ケースなどの事情がないと連携はしないんだって。
「僕らは仕事ですからすぐに駆けつけますけど、根本的な解決にはならないんですよねー。」と言われた警察官。
自閉症で行動障害がある子(人)を抱える家庭に、心を寄せてくれている。
いい人だ。

そんな中、夫が帰宅。
飲酒運転になるから、ちゃんと自転車引いて歩いてきた。えらい。
夫が書類にサインし、優しい二人の警察官にお礼を言って、ようやく8時半に収束しました。
ああしんどい。
全速力で走ったから足がパンパンだ。
明日、主治医に緊急で診察してもらえるか聞いてみなきゃ。

救いは、めちゃめちゃハイテンションだったそうちゃんが、10時半にドライブですんなり寝てくれたこと。
リスパ(液)2ミリが効いてよかったー。
 
ああ、長い記録になってしまった。
読んでくれた方、ありがとう。
書くことで、頭と心の整理ができたよ。