月刊でいいので書こうと思いつつはや2月も半ば・・・。
「あのキージ君はどうなった?」とさぞかし命を託した方は気を揉めている事であろう。
じゃーん、元気、元気ですyo。
現在彼は、歩けないのに先住猫を(トイレ、猫の入口等で)セイウチのようにゴロンと横倒しのスタイルで待ち伏せしては襲っている。
小さなふじこ♀が猫の入り口で襲われた日には、水辺でワニが鳩を飲み込んでいる図である。
とにかく仔猫気分、若いので、歩けなくても、ちょっかいの出し方などは普通の若造と同じなのだ。
あまりに動かないので、老猫も繋がれた犬の数メートルを悠々と歩くような油断をしてしまうが、
その油断を彼は見逃さない。
期待で体全体が、特に尻尾のあたりがワクワクと揺れ、至近距離でパーッと手を広げた感じで躍り上がる。
あとは伝説のツチノコのように転がっていく。
痛くはないのか?あちこちで当たっても懲りずに繰り返す。
また、四肢をハの字に広げゆらゆらと数歩歩いてはバタン、コロンなので、足音もすごいが、老猫達も「なにこれ?、なにこれ?」で遠巻きである。
キージ君本人は老猫のご飯などの時に、自分のは療法食なのだが、いざり寄ってきてツバメの子供のように大騒ぎをして「食わせろ」とかき分けてねだる。
本当に人に慣れているし、食べさせ方も、飼い主が正座した時点で、自ら左側の脇の下からズボッと頭を滑らして膝にのってくる。
左手で餌の皿を持ち、わきの下でキージ君を固定(自からすすんで固定される、)キージ君は正座した太ももの上に前足でしっかり立ち、右手でカレースプーンで餌をすくうと、スプーンから上手く食べるのだ。
器を高さを出してみたり、変えたりしても、キージ君はこうしてスプーンで給餌してもらうのが当たり前のようである。
こうやって以前の飼い主さんはここまで育てたのではないであろうか?
この障害でここまで育てるのは大変だったと思う。
最後はセンターだったが、キージ君の人の信頼度をみると、そこまでは人に嫌なことされてなかったと思う。去勢すらしてすましてあるのだから。
その後もボラさんの目に留まって助け出され、
ある意味、彼は強運の猫さんであろう。
障害のない子でさえバンバン処分されているのだから。
さて、食餌は私の苦手な強制給餌どころか、
猫なのに手乗り文鳥を育てるようであるが、
排泄は大小横たわらねば出来ない、本人は頑張って体に排泄物が付かないように肛門をあげて努力はするのだが、どうしても最後がついてしまうし、立ち上がる時に踏んでしまう、
そして下痢が続き、なにより本人のお尻が可哀そう、
引き出してくださったボラさんの血液検査等とともに2月2日にはかかりつけの先生のとこで受診している。
体重は4・35kgであり、栄養状態は良いとのこと。
「他の先生方も散々駆虫はしてくださっているであろうので、此処は原虫がいるという仮定でいったん駆虫しましょう。」とお薬をだしていただく。
「脳の問題、様々な環境が変わったことのストレス等色々考えられるが一つずつ潰していきましょう。」というお話になった。
◆小腸性下痢止め(3剤の合剤)
①タンニン酸アルブミン
腸収斂作用と止血作用により腸粘膜を修復する。炎症反応を抑制して組織障害を防ぐ。
②パンクレアチン
消化酵素剤。消化を助ける。
③乳酸菌
生菌剤。有害菌の増殖抑制。小動物では、胃酸により破壊される可能性がある。
◆ペディオコッカス菌
小動物の強力な胃酸を通過して、腸内に届くことができる生菌剤。有害菌の抑制。免疫を刺激して健康を維持する効果があり、サプリメントとして用いられる。
◆フェンベンダゾール
抗原虫薬、消化管内広域駆虫薬輸入薬
適)ジアルジア、トリコモナスの駆虫、ウサギのエンセファリトゾーン症
用)エンセファリトゾーンに対しては、3~4週間の投与が必要
などを出していただき、またw/dの療法食を大量に注文したり。
病院から帰るとその晩は酷い下痢、
可哀そうだが拭くだけでは無理、初めて猫の腰をざーざー洗ったのだが、「あれ、洗われるのに慣れているかも?」という感じであった。
そして、大量のお薬は騙しながらの給餌、(彼は給餌にまったくの疑いを持っていないので助かったが、)ネットでの療法食が届く前に、2日でケロッと治ってしまい良かったし、病院からのお電話にもそう嬉しい報告が出来た。
届いてしまった大量の療法食も、近頃は飽きている気配も見えるが、引き続き給餌している。
ドライにパテ状のウエットフードを混ぜてまとめるとスプーンですくいやすい。
彼は飽きているようだが、きちんと最低でも自分の体重分4kgの猫が必要とする熱量は要求し、腹に収めるのでわかりやすい。
一つの動作がスムースにはいかない、多動になるので、どちらかというとカロリーは必要だろう、一歩進んで2歩下がる、もしくは七転び八起きの日常なのだから。
今後の課題はどこでも本人が自由に動いていきたい事。
避難するお兄ちゃん、お姉ちゃんたちと
執念深く待ち受けるキージ君の図。笑。
痛いだろうに、遠ざけてもあらゆるものに上っては落ち、何もなくても、壁に、床に頭を打ちの事などの課題である。
何も置かない平面でも転ぶ、敷物の上でも転ぶ、だけど上下運動をしたいのだろう、懲りずにやっている。
キャッツトンネル等あげたけれど、トイレになってしまった。
シャカシャカした素材でシャワーで流せばいいだけの話だけど、吸水しないので本人が尿まみれでびしょびしょで困ってしまうのだ。
またお尻を拭かれるのは当たり前だが嫌なのだ。
外国の動画や「ch cat」で検索するとこの障害猫の倶楽部もあり、結構その姿、飼い方に励まされている。
歩行器等の検討もしているが、今の所は何がいいのかわからない。かぶりものがいいのかもしれない。
近頃はようやく午前中は炬燵で落ち着いてくれているので、私も休めるし、
夜も私にしがみついていたが、少しぶらぶら好きな場所で香箱を組んでくれている時もある。
かといって、「落ち着いているな。」と風呂に入ると必死でどってん、ばってん、這って探していたり、とにかく老猫だらけで静かな暮らしが一転にぎやかになった。
そして、私たちも、まだ一月もたっていないけど、彼がこの家に居る事に慣れてきており、
事あるごとに首をあげて、その場から来ようとジタバタ立ち上がろうとしている彼をいい子いい子しているのだ。
でも 脳は 難しい部位なので、日々の給餌は勿論・・観察も大変だと思います。
でも 4.35㎏と スクスク育ち、お兄ちゃん達ともコミニュケーションをとろうとする子猫らしい行動をお聞きすると、ホノボノとしますね。
私なんぞは、過去の猫への思いを断ち切れず、新しい猫を迎える気持ちになれないのに、ただただ 素晴らしいお方★だと思うことしかできません。すいません・・。
我家のぽぽと同じくまだまだ若く、シニア世代の猫との暮らしでは、体力も興味も
もてあまし気味なんですよね(苦笑)
先天的な疾患と障害ゆえ、限界はあるでしょうが、みゃー大工さんのケアの後押しを受けて
キージ君のQOLののびしろはさらに大きくなっていくだろうと思っています。
飼育放棄という表現は本当に難しいですね。センターへ持ち込んだという事実だけを
切り取ってみれば、間違いなく飼育放棄でしょうが、おそらくその日の朝までキージ君は
その方の腋の下に潜り込んでゴハンを食べさせてもらっていたのだろう…と想像できるだけに、
なにか割り切れない思いがしてなりません。
健康な猫でさえ新しい家族として迎えられるチャンスは決して多くない。ましてやヒトの手を借りなくては
生きていけない猫なら尚更。
かつてセンターは絶望の場所でした。でも今はたくさんのボラさんや関わる行政サイドの努力があり、
相葉君が言うところの?ラストホープな場所としても力を発揮しつつあります。
元保護主さんは、そこにキージ君の強運を賭けたのかもしれないなぁ…なんて思ってしまうのです。
…だとしたらキージ君はその強運をフルに使って最良最高の家族と未来を手にしたってわけですね(笑)
これからまだまだ新たな問題に直面することになるのでしょうが、障害があってもなくても
「猫が楽しい」のが一番ですもんね。
苦労はあるでしょうが、工夫満載のきっと楽しいキージ君ワールドが出来上がることと思います。
が!くれぐれもご自身の体調管理も忘れずにお願いしますね!
次回は魚河岸丸天のかき揚げ丼ということで(笑)
いやいや盲目の猫ちゃんはまぐろ様に守られてこその18年半のご長寿だったのです。
お外で飼い主がいなければ、支障だらけ、命に係わることだらけですから、良い飼い主様に出会えた幸せな猫ちゃんです。
自分は「同じ猫で生まれたのに」と、お外の仔と家猫の格差の矛盾のようなものが燃料になり奮起しているだけで、たいして猫好きでもないかもしれません。
猫を擬人化して一人とか呼ばないし。
猫とおしゃべりもしないし。
そういう、うわっつらの事なんかより、
ただこの科の生き物と生きていくうえで、猫側にはどういう事が良いのかとかは常に考えています。
だから、ペットと暮らして血圧が下がる、癒されるという説は「うーん?」なんですよ。笑。
実際、猫を救う友をみて、血圧高い人って多いです。
主治医の先生も「あんまり動物が好きすぎると獣医になれないんですよね」と。
私は「飼わざる愛猫家」もありだとおもっていますし、そういう人達も不幸な猫についてアクションを起こしてくださるわけですから、キージ君を迎えたからって大したことなんかないのです。
ありがとうございます。
■しろりん様、コメントありがとうございます!
イタリアの大脳だけの少年が自転車にも乗れるようになったそうですが、
キージ君、ぽぽたんなみに本格的に喧嘩が出来る様になるかもー、汗=のびしろ分
キージ君の元の飼い主さんは野良猫やセンター事情に結構詳しい人でないか?って思います、伊達につけている耳カットといい、脳障害にも迷わず去勢したところといい。
ボラさんに託した命、カケだったのかもしれませんね。
エジプトの女王の水浴び場所に、モーゼを入れた籠を流した親心かっ!
ただ、出入りのボラさんは、あてにされちゃあ、たまったもんではないですがー。
ふむふむ、かき揚、検索しただけで胃もたれがする大きさ。なんじゃありゃー、校庭に埋めるタイムカプセルですかー。
けれども、大きいのに激安、美味しそうなので、タッパーを持参してチャレンジしてみたいです。
ですから 生きていくうえで支障がない。とご理解くださいませ。
政宗の事を思うと、今でも会いたくてたまりません。
あんな素晴らしい猫にはもう再び会えることはないでしょう。