雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

十大ニュースの行方 ・ 小さな小さな物語 ( 1381 )

2021-07-06 13:44:17 | 小さな小さな物語 第二十四部

年の瀬となり、本来ならば「今年の十大ニュース」とやらがテレビなどで話題を集める頃です。十二月に入ってから、それらしい話題が取り上げられている場面もあったようですが、当然のことながら盛り上がるはずもなく、テレビではほとんど見られなかったような気がします。
さて、後は、この数日の内の新聞は、この定番というべき話題を取り上げるのかどうか、少々興味を抱いています。

しかし、この一年を振り返ってみた場合、わが国にとって少なからぬ影響があると思われるニュースは、むしろたくさんあったと思われます。
なにも私が「今年の十大ニュース」を選ぼうというわけではないのですが、本来なら、とてつもないほど大きなニュースが埋もれかかっているように思うのです。
幾つか挙げてみますと、「安倍首相の突然の辞任」「菅首相誕生」「東京五輪延期(あるいは開催)」「米大統領選挙」などは、相当の大ニュースですし、国際関係では、イスラエルとアラブ諸国の内の幾つかと国交を開いたこと、米中関係、日韓関係、北朝鮮を巡る問題、などから幾つかが有力候補になるでしょうし、スケールは小さくなりますが、国内から二つや三つ選ぶのは難しくないように思われます。
しかし、それらのどれもこれもが、『新型コロナウイルス』に飲み込まれてしまった状況で、年末を迎えようとしています。

確かに、今年の場合、何を話題にしても『新型コロナウイルス』に叶うまでもなく、もし選ぶ場合には、「新型コロナウイルスを別にすれば・・・」という冠をつける必要がありそうです。
「今年の十大ニュース」という話題は、今年に限っては意味づけるのは難しいですが、「重大なニュース」は存在しています。個人個人にとっては、それぞれの出来事から受ける影響には差があるでしょうし、個人にとっては、社会的な出来事をすべて消し去ってしまうような事もあるかもしれません。
ただ、私たちの国全体にとっては、「長年続いた安倍首相が突然辞任し、直前まで有力候補とされていなかった菅首相が誕生したこと」は、実は国家にとって大変な出来事といえると思うのです。
しかし、この重大な事件さえもが、コロナの後塵を拝することをどう考えるべきなのでしょぅか。
今回の『新型コロナウイルスによる感染症の拡大』は、政権交代を越えるほどの事件だといえますが、同時に、わが国家は、例え自民党内での首相交代だとしても、その移行で国家は何の揺らぎも見せず、国家体制の不安定化の心配よりも、コロナ問題の方が心配だということは、実は、大変ありがたいことだと思うのです。

今年もあと数日となっています。
残念ながら、ことコロナに関しては、まだ拡大途上のままでの年越しとなってしまいましたが、考えようによっては、私たちに幾つかの問題を提起してくれているように思います。私たちが何気なくやり過ごしてきた問題点が、しっかりと見直しなさいと示してくれているような気もするのです。どれもこれも、簡単に解決できるわけではないでしょうが、新しい年は、私たちの社会力が試される年になりそうな気がしています。
この一年、当ブログをご支援いただきありがとうございました。
皆様にとりまして、新年が良いお年でありますよう祈念申し上げます。

( 2020.12.29 )

 

 


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