枕草子 第百十八段 暑げなるもの
暑げなるもの。
随身の長の狩衣。
衲の袈裟。
出居の少将。
いみじう肥えたる人の、髪多かる。
六、七月の修法の、日中の時おこなふ阿闍梨。
暑苦しそうなもの。
随身の長の狩衣。
衲(ノウ・種々の布を厚く縫い綴って作ったもの)の袈裟。
出居(イデイ・射撃や相撲の儀なので、臨時に設ける座)の近衛の少将。
ひどく太った人で、おまけに髪の毛まで多い人。
六、七月の加持祈祷で、正午の勤行を務める阿闍梨。
「随身の長」とは、近衛府の舎人から選抜されて、貴人の護衛につく者が随身で、その班長のような立場の人です。どうやら、その制服には細かな規則があって、豪華な装束だったのでしょうが、暑苦しくも見えるのでしょう。
「衲の袈裟」とは、本来は、ぼろ布を縫い合わせて作った袈裟のことらしいのですが、ここでは、立派な布を色々と縫い合わせた大袈裟なものを指しているみたいです。
風俗などで理解しきれないものもありますが、「暑げなるもの」に対する感性は、少納言さまも私たちもあまり変わらないようです。
暑げなるもの。
随身の長の狩衣。
衲の袈裟。
出居の少将。
いみじう肥えたる人の、髪多かる。
六、七月の修法の、日中の時おこなふ阿闍梨。
暑苦しそうなもの。
随身の長の狩衣。
衲(ノウ・種々の布を厚く縫い綴って作ったもの)の袈裟。
出居(イデイ・射撃や相撲の儀なので、臨時に設ける座)の近衛の少将。
ひどく太った人で、おまけに髪の毛まで多い人。
六、七月の加持祈祷で、正午の勤行を務める阿闍梨。
「随身の長」とは、近衛府の舎人から選抜されて、貴人の護衛につく者が随身で、その班長のような立場の人です。どうやら、その制服には細かな規則があって、豪華な装束だったのでしょうが、暑苦しくも見えるのでしょう。
「衲の袈裟」とは、本来は、ぼろ布を縫い合わせて作った袈裟のことらしいのですが、ここでは、立派な布を色々と縫い合わせた大袈裟なものを指しているみたいです。
風俗などで理解しきれないものもありますが、「暑げなるもの」に対する感性は、少納言さまも私たちもあまり変わらないようです。