雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

平安の装束

2014-09-26 11:00:34 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
     枕草子  ちょっと一息


平安の装束

平安時代の人々は、どのような服装をしていたのでしょうか。
私などは、平安時代の装束といえば、まず十二単が浮かんでくるのですが、実際は実に多彩な着物が用いられていたようです。
その実態についても、一般庶民、特に地方の一般庶民の場合は難しい面も多いのでしょうが、宮中を中心とした貴族社会の服装については、文献や、実際に残されたり伝えられているものから相当正確に分かっているようです。

枕草子の中にも、装束に関する記事が数多く登場してきます。
その中で特に感じられることは、いったい何枚着ているのか、と思われるほど何枚も重ね着をしていて、しかもそれらが透けて見える色合いをとても大切にしていることです。
また、用いられている色の数は極めて多彩で、しかも微妙な表現がされています。
そして何より驚くことは、男性の装束に関する配慮です。上級貴族の服装は、それこそ十二単を上回るほど華やかなものであったようなのです。
王朝文化華やかし頃、当時の貴族はどのくらいの衣装代を使っていたのか、計算してみたいような誘惑にかられます。

枕草子をより楽しく読むためには、当時の装束をよく知ることがとても大切だと思います。
しかし、これはなかなか難しいことです。
枕草子に登場してくる着物や色の種類だけでもかなりあり、それらを参考書などで確かめてみるのですが、なかなか十分に理解することができません。何せ、漢字をパソコンから見つけ出すだけでも苦労しているような状態なのですから。
まことに申し訳ないことなのですが、装束などの描写に関しましては、一生懸命伝えられるよう頑張りますが、私の力はこの程度ですので、「ああ、そんな感じの装束なんだな」という程度で、読んでいただきたいと思います。
無責任なことですが、装束などに興味があるお方は、古典からだけでは無理ですので、その方面の専門書を見つけて勉強されるのも、きっと楽しいと思います。
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