雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

恐ろしげなるもの

2014-09-27 11:00:59 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第百四十段  恐ろしげなるもの

恐ろしげなるもの。
橡の梂(ツルバミノカサ)。
焼けたる野老(トコロ・山芋)。
水茨(ミズフブキ・鬼蓮)。
菱。
髪多かる男の、洗ひて乾すほど。

                                    
見た目に恐ろしいもの。
つるばみのかさ(クヌギの実のかさ、即ち大型のドングリか)。
焼けた山芋。
みずふぶき。
菱の実。
髪の多い男が、洗って乾かす間。



この章段を見る限り「恐ろしげ」というのは、深刻な恐ろしさというほどのものではないみたいです。
全部で五つ列記されていますが、いずれもとげとげしいもののようです。前の四つは食用にされるもので、最後に髪の多い男を加えているあたりが少納言さまらしいといえばいえるのですが、少々ブリッコの感じがしないでもありません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする