緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

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さんまさんのボケ? ワクチンは任意だけど

2021年06月19日 | 日記
明石家さんまさんがラジオ番組内で今回の新型コロナウィルスのワクチンを打たないと話されたそうです。
理由は、これまで一回も菌にかかったことがないからとか、ワクチンも66年間打ったことがないからとか、病気になったことがないからとか、それでワクチンを打ったら体が変わってしまうからとか。

さんまさんはお笑い芸能人だからデタラメを言ってもお笑いで許されるのかもしれません。
普通に常識的な知識を持った人なら、生涯で一回も菌にかかったことがない人なんていないと分かっているし、むしろ人が健康にいる為には常在菌の助けなしにはいられないことくらい分かっています。

ワクチンも、さんまさんの年齢なら幼児期に結核予防のワクチンを打たれているし、その後もツベルクリン反応の結果次第ではBCGを打たれている筈。
種痘ももちろんされている筈だし、ポリオ(小児麻痺)の生ワクチンも飲んだ筈。
さんまさんと同年齢の私は、ポリオの生ワクチンはスプーン一杯の甘くて白い液体だったのを覚えてます。
高校の同級生には幼い頃にポリオに罹り、足の不自由な子もいました。
当時の子供にとってポリオは脅威だったのです。

当時はワクチンは義務だったので、接種しない選択肢はなかったんです。
何か特別な持病があって接種しなかったのなら、病気になったことがないと言っているのと矛盾します。

さんまさんの言っていることはお笑い芸人のボケみたいなものだから、いちいち反応するのもおかしいのかもしれません。
でも誰もさんまさんが言っていることにツッコまないのは不思議です。
お笑いなら誰かがツッコんでやらないと。「そんな奴はおらーん」とか言って。
だって、若い人の中には信じてしまう人もいるかもしれません。
実際、ワクチンに関してフェイクニュースが溢れかえっていて信じている人もたくさんいます。

ワクチン打つのは任意だから打ちたくない人は打たないで良いと私は思うのですが、反ワクチンを唱える人の中には見え透いた嘘を吐く人や、他人がワクチンを打つことまで阻止しようとしているのが分かりません。
「殺す」とか「訴追する。死刑になる」とか、脅す人がいたり。

日本は同調圧力が強いから、職域での接種だと、ほとんど強制的に打たれてしまうというのもあるのかもしれません。
ただ、その例として挙げられている看護師や看護学生、介護関係者の場合、ちょっと問題が違うのではと思います。
こうした職業の人がワクチンを打たない場合、知らずに感染していて自分が接する患者や高齢者にリスクを負わせることになるからです。
職業上の条件としてワクチン接種が必要なのではないでしょうか。

もちろん、ワクチンが打てない体質とか、色々とあるでしょうから、コロナ禍が収まるまで患者と接しない部署へ配置転換させてもらうとか、実習を伴う看護学生なら1年くらいの休学もありかもしれません。
そういった相談に柔軟に応じる職場や学校であることも重要でしょう。
でも何より優先されるのは患者やケアされる高齢者です。

私の父は外国航路の船員でした。
その時々の行き先によっては随時、現地に存在している疫病の予防接種を受けてから船に乗っていました。
現地でその病気に感染するかもしれませんし、場合によっては日本では存在しない感染性の病気を日本に持って帰ってしまうこともあるからです。
自分の意思とは関係なく、職業上必要なことというのはあり得るのです。