秋の香りのひとつ、金木犀…。
私は、金木犀の香りに ちょっぴりトラウマがあります…。
「 あれは…そう、
中2の秋… 」
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みすず 13歳、
中学2年生。
テニス部に所属して、音羽先輩のいぢわるに辟易する日々…。
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文化祭・体育祭が近付く、10月のある日…。
いつもの様に(?)遅刻スレスレで教室に入り、席に着いた私は、甘い香りが漂っているのに気付きました。
「 ん?
トイレの香り…。」
……その当時、実家のトイレの芳香剤が金木犀の香りでしたので…。
「 何でかな?」
香りの出処が何処か分からぬまま、チャイムが鳴り、担任のT先生が教室へ入って来ました。
私の席は、一番廊下側の、前から2番目。
すぐ前の席は、
おとなしくて
優しい A野ちゃん。
「 あらッ?」
「 いい香り…金木犀ね。」
T先生は、A野ちゃんの机の前で立ち止まっています。
「 どうしたの?」
「 庭の金木犀が
咲いていたので、
摘んできました。」
「 まぁ、素敵ね♪」
なるほど…金木犀の香りは、A野ちゃんの机の端に広げられたハンカチの上から漂っていたのです。
「 季節を愛でる心、とっても良いですね。」
「 ありがとう
ございます。」
嬉しそうに、恥ずかしそうに、俯きがちに微笑むA野ちゃん。
頬がポッと紅く
染まっています。
耳までほんのり
染まっているのが、
私からも見えます。
( A野ちゃん、
可愛い…。 )
なんて女の子らしくて、可愛いのでしょう。
女子校なのが残念です。
共学だったなら、キュンとなった男子が多かったはず…。
さて…HRが終わり、1時間目の授業が始まりました。
みすず 13歳、
中学2年生。
「 やれば出来る子 」 と成績表に書かれ続けて、早7年…。
ボ~~~~ッ
…未だ、全く
やる気なし…。
授業の内容が頭に入ってこない毎日ですけれども、この日は特にボ~ッとしています。
「 何か…
「 気持ち…
「 悪く…
「 なって…
「 きた…。」
そう…前から漂う金木犀の香りが強烈過ぎて、気持ちが悪くなってしまったのでした…。
優しいA野ちゃんに申し訳なくて 「 金木犀、しまって。」 とも言えず、そのまま一日中過ごしました。
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そんな訳で…金木犀の香りを嗅ぐと、あの日のことを想い出します。
可愛らしいA野ちゃんの微笑を想い出して心がほんわかし、同時に申し訳なさと気持ち悪さも想い出してしまい、何とも複雑な気持ちになります。
仄かに…仄かに香ってくれたら良かったのに…。
これが、私の金木犀に纏わる ぷちトラウマです。
香りは仄かに、
ね…。