♪ ご機嫌おぢさん ♪

　お家の近くの商店街に、銭湯があります。

　銭湯の裏の小路には、スナックや小料理屋などが軒を連ねています。

　私はスーパーからお家に帰る際、時々その小路を通ります。

　たいていのお店は 夕方以降の開店ですので、昼間は とても静かです。

　昨日の２時頃 通りかかった時も、ほとんどのお店が まだ開店前でした。

　その小路の終わりにさしかかった時…。

　一軒のスナックから 歌声が聴こえてきました。

　

　「 ？ 」

　

　

　

　

　

　

　雄大な音楽と共に、年輩と思しき男性の歌声が、マイクを通して響き渡っています。

　

　　♪ 千のかぁ～ぜぁ～にぃ～

　　　　千の風になあぁ～ってぇ～

　

　朗々と歌い上げています。

　テノール歌手の様に…。

　秋川雅史さんの様に…。

　

　「 気持ち良さそう…。」

　

　

　

　

　

　

　このスナックは、この時間に営業しているのでしょうか？

　常連さんが、特別に お店を空けてもらっているのでしょうか？

　それとも お店のマスターが、一生懸命練習しているのでしょうか？

　詳しいことは 判りませんけれども…。

　私の頭には、ある姿が浮んでしまいました。

　銭湯で身体を温めた後、スナックにちょっと寄って、一杯呑んで、楽しそうに歌う、おじ様の姿が…。

　

　♪ ご機嫌おぢさん ♪

　

　

　

　

　

　

　何だかちょっと楽しい気持ちになって、お家への足取りも軽くなりました。

　そんな私の背中に、しばらく歌声が降りかかっていました…。

　

♪ あのぉ～

　　大きなそ～らを～

　　吹きわたぁっています～

　

　

　

　

　大ヒット曲 『 千の風になって 』 をレパートリーに加えたおじ様は、全国にきっと大勢いらっしゃるのでしょうね…。

　

♪ 千のか～ぜ～にぃ～

　千の風になあぁって～