【 相模鈴門 】 その５

　【 相模鈴門 】

　

　

　

　

　

　頼りのお供・紅三郎とまー之進を従え、相模国を後にした小鈴様…。

　道中、ハリ兵衛・おチェリを加え、あっちへブラブラ こっちへブラブラ、思い付くままに諸国漫遊致しております。

　それにしても…。

　

　ご一行の窮地を

　幾度も救った

　 この赤い風車…。

　

　

　

　「 あの風車は

　　オイラの時も…。」

　

　

　

　

　「 アタイの時も…。」

　

　

　

　

　

　「 いったい何処の？」

　「 誰なのかしら？」

　

　「 …。」

　「 …。」

　

　

　

　

　何故だか無言の紅三郎とまー之進…。

　チラリと見交わすその様子は、何やら 知っている様な、知らない様な…。

　

　「 ♪♪♪ 」

　

　

　

　

　

　そんなご一同を余所に、小鈴様はウキウキワクワク、いつもと変わらぬ浮かれ足でございます。

　

　「 あぁ…お腹

　　空いちゃったぁ…。」

　

　

　

　

　「 ご閑居様、

　　あちらに茶屋が

　　ございます。」

　「 ひと休み

　　致しましょう。」

　

　「 うん！」

　「 わぁい！」

　

　

　

　

　「 おいでなさいませ。」

　

　

　

　

　

　「 わぁ～い♪」

　

　

　

　

　

　「 ひぃふぅみぃ…

　　ひとつ余りますね。」

　

　

　

　

　「 ご閑居、オイラ

　　ふたつ食べても

　　いいですかい？」

　

　

　

　「 だめだよ。」

　

　

　

　

　

　「 え～っ？」

　

　

　

　

　

　「 それは、この者の

　　分だから。」　

　

　

　

　

　「 ！？ 」

　

　

　

　

　

　「 えいっ！」

　

　

　

　

　

　ヘロヘロロ～ッ

　

　

　

　

　

　「 ご閑居様？」

　

　

　

　

　

　ポトッ

　

　

　

　

　

　「 風車、返したよ。」

　

　

　

　

　

　「 ……。」

　

　

　

　

　

　「 ！ 」

　

　

　

　

　

　「 ご存知で

　　ございやしたか。」

　

　

　

　

　「 皆、この者は

　　風車のた七だよ。」

　

　

　

　

　「 た七と申しやす。」

　

　

　

　

　

　「 た七はね、風車をシュルシュルル～ッて投げるんだよ。」

　「 うわぁ～格好良いや！オイラを子分にして下さい！」

　

　「 親分！」

　「 …。」

　

　

　

　

　こうして、陰ながら小鈴様を守ってきた風車のた七も供に加え、ご一行は再び旅路に着くのでした。

　…という訳で、いよいよキャスト勢揃いの運びとなりました。

　

　

　この後も、足の向くまま気の向くまま、のんびり諸国を巡ることと致します。

　さて、まず何処のお国へ向かいますことやら…。

　　　≪ つづく ≫

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　　これまでのお話は、コチラ。

　　　◆ 『 相模鈴門 』　その１

　　　◆ 『 相模鈴門 』　その２

　　　◆ 『 相模鈴門 』　その３

　　　◆ 『 相模鈴門 』　その４