風のように

ゆらり 気ままに 過ごすとき
頭の中は妄想がいっぱい
錯覚の中で生きるのが楽しみ

花咲き山

2020-10-21 01:04:29 | 
花咲き山に一人で住んでる婆(ババ)
山ンばという者もおる

山ンばは悪さをするというがうそだ
山ン中で白髪の婆を見て

勝手にあわてて弁当を忘れたり
あわてて谷から落ちたりして

みんな山ンばのせいにする
ある日

あやという10の女の子が祭りの
ごちそうの煮しめの山菜を採りにきて

奥へ奥へと来すぎて道に迷って
山ンばの住む山に入ってしまった

したらば一面に咲く見たこともない
きれいな花にびっくりしていると

山ンばはなぜここにこんなに多くの
きれいな花が咲くのか教えてくれた

この花はふもとの人間がやさしいことを
一つすると一つ咲く

あや、お前の足元に咲いている赤い花
それは昨日お前が咲かせた花

妹のそよが[おらサもみんなのように
祭りの赤いべべ買ってけれ]と

足をドデバダして泣いて
おっ母を困らせたときお前は言った

[おっ母、おらはいらねえから、そよサ
買ってやれ]といった時

その赤い花が咲いた
この赤い花はどんな祭り着よりきれいだ

花ばかりでなくこの山だって
向こうの峰続きの山だって

一人ずつの男が、命を捨てて
やさしいことをしたときに生まれたんだ

この山は八郎という山男が、、、、、、
あっちの山は三コという大男が、、、、、、

山から帰ってあやはお父やおっ母や
みんなに山ンばから聞いた話をしたけれど

誰も笑って本当にしなかった
そこであやはまた一人で山へ行ったけれど

山ンばに逢わなかったし
あの花も花咲き山も見つからなかった

けれどもあやは、そのあと時々
[あっ!今花咲き山で、おらの花が咲いているな]

と思うことがあった
(童話ベロ出しチョンマのブロローグからでした)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ちょっといいお話し | トップ | 一人を生きる »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事