風のように

ゆらり 気ままに 過ごすとき
頭の中は妄想がいっぱい
錯覚の中で生きるのが楽しみ

辿る旅Ⅲ

2015-01-05 10:36:10 | 日記
              復元された斎宮


斎宮から鳥羽へ
予約したホテルは鳥羽駅前の皇族も宿泊した老舗

昔だったら私なんぞが泊れるようなホテルではないのだろうが
今はリーズナブルなお値段で気軽に泊れる

何よりなことにホテルのあちこちに
たくさんのの美術品など飾られていた

その絵画などの前で立ち止まり見入ってしまう私に
妹は閉口したようだったけれど・・・

島の海に浮かぶ小島の向こうから昇る朝日を部屋から眺め
妹と二人きりのゆったりした朝を迎えるのははじめてだった

また美術品を巡り朝食バイキングを摂りホテルを出たのは
予定の時間をとっくに過ぎていた

この旅の大きな目的は祖母の実家を探すことと
円空さんの木仏に会うことだった

私の母方の祖母は母が幼いころに亡くなり
祖父は私の生まれる以前に亡くなっている

私に祖母を思い出すものは1枚の写真も無く
誰にでもいるはずの祖母の存在なんて何もなかった

叔父の誕生からの戸籍謄本が必要だったことで
その戸籍に載る祖母の存在を意識したことからであった

もしかしたら私の先祖は海女さんであったかも知れない
なんて勝手な想像は膨らみそれから8年が過ぎていた

志摩スペイン村への途中の近鉄電車志摩線の沿う道を走り
五知駅を右手に入った付近が祖母の里であるはず

だけど謄本がさす地番は旧表示で場所は特定できないでいた
いきなり同姓のお家を訪ねるのもと思い

円空さんの木仏を探した
農業倉庫の前で作業している方に尋ねると

お堂は鍵がかかっていて木仏は外からは見えないという
覗いても見えないという

そのお堂の鍵を持ってる人を知ってるからあの柿の木の所で待つように言われた
お堂まで車で行けるか不安だったがとにかく登った

しばらくしてその方は軽トラでかなり年輩の方を連れてきてくださり
バックで坂道を降って行きお礼さえ言えなかった


   このお堂の中に                             
      円空仏                                                                                

そしてお堂を開けていただき円空上人の立派な木仏に会うことができ
祖母の生家を探していることを伝え

円空仏近くのお墓地へ案内してくださったけれど
朽ちた墓石の中から祖母の父の名を探すことは出来なかった

そのあともお堂を守っておられるその方は
祖母の実家探しに友人宅を訪ねて御親切にしていただいた


そのお話の中で心に残ったこと


昨今、この木仏が有名になり訪れる方が増えたことは嬉しい
各地での展覧会へ出品のお誘いがあるけれど

そうすることによってどうしても傷むと
ささくれた個所を指しておっしゃった

そこは新しい木のような白い肌が見えていた
だから今度も円空仏の大きな展覧会の誘いを断ったと

火事など様々な用心に心を砕いておられる

その方に大変お世話になったこと感謝しています







コメント
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