この道の果てまで・・・

ただ純粋に ただ一途に歩む時
突如として それまでとは まったく違う
次元の異なる大地が あなたの目の前に姿を現す。

もう1つの心情へのアプローチ その2

2009-11-16 09:27:40 | Weblog




昨日からの続きです。

此処からは彼の話しを 

そのまま引用します。




私は 妻に成り 

妻の1日の生活の中を 

出来るだけ正確に生きてみました。

妻は 随分と離れた他県の出身であり 

都内で生活をしていた私達の近所には

妻が頼れる人や 妻の知り合いは

誰1人居ませんでした。




これを 私は知っているつもりで
 
まったく忘れていました。

職場で気楽に友人を作れる私とは違うのに。

明け方近くになって 馬鹿な私は 

まるで当たり前の様な顔をして帰って来ます。

いつも自分の仕事の事しか考えていないから 

妻の気持などと言う物は 

まるで考えた事が有りません。




そして朝7時 妻は 昨夜も遅く帰り 

毎日2・3時間しか寝てない身体を気遣って

私を起こします。 ためらいながらも

起こしていたのです。




妻の そんな気持も姿も

見えていない私は 

さも俺は疲れているんだと

言わんばかりの顔して起きてきます。

朝食のテーブルに着いてからも 

妻は盛んに話しかけて来ます。

あそこの桜が綺麗に咲いたとか 

隣の○○ちゃんが大きく成ったの だとか

一生懸命に話しかけて来ます。 




けれども この頃の私は
 
瞬間的に自分にプラスになる話し以外は 

聞かないように出来ていたし、

自分でも気づかない内に 

自分が見下してしまった相手の話しは 

こちらの耳から あちらの耳へと 

自然に通り過ぎるような聞き方をしていたのです。

だから妻の話しも プラスに成らない話しと

瞬時に判断して まったく聞かずに

「うるさいから 少し黙っていてくれ!

俺は仕事で疲れているんだ!」と 

冷たい言葉を吐き捨ててしまっていたのです。




当然 妻は 

とても寂しそうな表情を見せるのですが。

妻が 寂しそうな顔をするのが 

何故なのかを 解かろうとしなかったばかりでは無く、

何故こんなに 夢中になって朝から話しを 

してくるのかさえも解からなかったのです。 




それどころか 「こいつは 

わがままで何も解かっちゃいない。

人が こんなに疲れているのが

目に入らない訳は無いのに
 
くだらない話しをして

朝から俺を疲れさせる。 

少しは 相手の気持ちが

解からないのだろうか・・・」と

真面目に思ってしまって いましたし

言葉にも出していました。




それほどまでに 

私は馬鹿な男でしかなかったのです。

ところが 妻にとっては 

この時間は 1日の中で1番大切な時間でした。

この朝の会話は 私と話すことの出来る 

唯一の時間で有り この時間を逃したら

1日中 誰とも話せないどころか 

夕食だって別々 休みは無いというので 

一生懸命だったし それほど 妻にとっては

貴重な時間だったのです。




そして夕方から夜になると
 
近所の家から笑い声が聴こえてきます・・・・




その笑い声を聴きながら 

自分の寂しさを 誰にも話せず 

1番 自分の気持を解かって欲しい夫にさえ 

解かって貰えない淋しさを

独りで我慢をし続けながら

たった独りでポツンと夕食をとる
 
妻の姿が浮かんで来た時に 

私は 初めて 妻に対して

何ひとつとして して上げて

いなかったどころか 私の この手で

妻を 精神的に踏みつけにしていた

自分に気づいたのです。




小さい頃から 何が有っても
 
泣かずに育って来た私も 

この時ばかりは 泣くのを堪える事が出来ずに 

人目もはばからずに 大声を出して泣きました。




自分は幸せにしていると思って

していた行動の全てが 自分の1番大切な人を

これ程までに 苦しめていた事実を知った時に 

泣かずにはいられなかったのです。

ただ ただ情けなくて 自分に悔しくて。




彼の中で妻だけには

皺寄せをしていないと

思い込んでいた理由のひとつに

彼が夜中に帰宅すると 何時であろうと 

いつも妻は起きて待っていたのですが

その妻に早く休んでいるように

伝えてからと言うもの 妻は起きて待っていると

彼に 叱られるので ベッドに入り

寝た振りをして待つ事にしたそうです。




それに気づかない彼は 妻は自分に

付き合わせること無く 早く休ませていると

思い込んでいたのですが 実際には 

彼の帰るまで 妻は休めずにいました。

そして救急車やパトカーのサイレンの

鳴る度に気がきでなく休める筈など無かったと

言います 休みを取れずに働いている彼の身体を

考えると自分だけが先に休む事など 

到底出来なかったのです。




彼が気づいていない重大な事が 

もうひとつ有ります。

それは・・・彼が 無理をし続けている限り
 
奥さんも 無理を し続けなければ

いけないのだと言う事実です。




それは 彼がさせていることなのです。

彼が背伸びをし続けている限り 

周りの皆も 彼に合わせて 

背伸びをし続けなければ

ならなくなるのです。




皆を楽にさせたいのなら 

まずは あなたの背伸びを
 
やめなければいけません。




逆に皆に無理をさせたければ
 
あなたが無理をし続ければいいのです。




彼は最初の頃 本当に妻の身体が心配で 

先に休んでいる様に言っていたそうです。




と言うのは 彼の奥さんは 

余り健康では無く 働いてはいませんでしたから。

ところが 正直に言うと 

だんだんと そんな純粋な気持だけでは

無くなっていったと彼は言います。 




その気持の中に
 
妻が自分に付き合って 無理をして
 
身体を壊し 病気になど なってしまったら、

その妻の看病で会社を休まなければ

いけなくなる事が それまで 自分の姿勢を

見せることで 会社の部下達を引っ張ってきた

彼には出来ないことでした。 




彼は そんな自分の甘えを
 
周囲に見せることなど出来ないという思いから
 
妻に早く休めと言っていたと 

正直に話してくれました。

愛情や優しさからでは無かったと。

「その頃の 僕の 妻に対する愛情は

見せ掛けばかりの物の寄せ集めで
 
本当の愛情など これっぽっちも無かった」と




ただ これらは 

此処まで気づいた彼だからこそ
 
そう言えたり話せたりするので有って、

彼も此処までの事実に 気づけるまでは 

自分の愛情に疑いなど少しも

持ってはいませんでしたし

感じてもいなかったのです。

そして 此処までの事に気付けた彼は

此処までの事を 奥さんに言わずには

居られませんでした。




自分のしてきた全てに 

気づいてしまった訳ですから
 
当然と言えば 当然ですけれど。




講座の終った3日目の夜に
 
彼は普段は買ったことの無い 

おみやげを買って 帰り 

奥さんに「どうしたの?」と

驚かれたそうです。




そして今日まで 有る場所で 

お前の事を勉強していたんだと話したそうです。

台所仕事をしていた奥さんに
 
今まで 君は こんな思いでいたのだろうと?

自分の気づけた事の ひとつひとつを話した時に 

それまで 後姿のままで黙って聞いていた奥さんが
 
肩を震わせて泣き出し「やっと気づいてくれた・・」

「多分 一生気づいては貰えないのだろうと

思っていたし それでも仕方が無いと

諦めていた・・・でも気づいてくれて嬉しい」と

泣きじゃくっていたそうです。

まるで子供の様に・・・




それを見て 余計に 

こんなにまで 自分の大切な人を 

それも自分の手で苦しめて来ていたのかと

彼の中に僅かに残っていた 

今日まで背伸びしていた 彼の生き方など 

木っ端微塵に砕け散ってしまったそうです。




妻が欲しがっていたものは 

役職でも金銭でもなく
 
今直ぐにでも 私に出来る

「あたしの話しを 昔の様な 

あなたで聞いて欲しい。月に1度で良いから 2人で

一緒に夕食を食べたい」と たったのこれだけだった。

私は なんと馬鹿な男で有っただろう・・。




確かに今迄に頑張って来て
 
役職も金銭も得てきていたが 

失ってしまったものが余りにも大きかった。

かっては 多少なりとも有った筈の
 
優しさや いたわりといった 

精神的な愛情がゼロに等しかった。

 


自分に最も身近な妻の 

本当の本心からの願いや気持が
 
全くと言っていいほど解かっていなかった。

そんな人間に他の人達の気持など 

理解できている訳がない。

今迄の私は 人を理想を掲げて 

ついてこさせ 本当には 自分の評価を

上げる為の道具にしか使っていなかった 

腐りきった人間で有ったこと。




そんな人間には 本当の意味で
 
ついてきてくれる人など 

いなくて当然にも拘らず 私 独りだけが
 
それに気づいていないだけで
 
周囲の人達には それが筒抜けに

見えていて我慢をしてくれていたのに、

それらを独りで隠し続けられていると

思っていた悲しいピエロが私だった事に 

妻の事を通して初めて気づくことが出来た。




この時に 妻の言ってくれた言葉は
 
今でも私の耳に鮮やかに残っています。

「偉くなんてならないで欲しい 毎日 

生活出来る程度の お金が有れば

他には何も要らない・・・」と言って
 
生き返った様な顔になったのです。






人は心情を口に出してくれません。

こちらが水を向けたときに

初めて話してくれるものなのです。

心情とは・・・心を開いた人から

水を向けて貰えた時に 初めて話すことの出来る
 
柔らかくて 繊細で か弱い 

ほんの一瞬で掻き消されてしまいそうな 

正直な気持なのです。




日常生活の中においても
 
心情は殆ど言ってくれていません。

何気なくホンの ひとこと
 
呟くことは有っても
 
例え 言ってくれたとしても 

何処か他の所ばかり見ている

私達のアンテナには 

まったく届かないのです。

聴こえていないのです。




だからこそ あなたの力で

掘り起こさなければならない

大切なものなのです。




それが自分と身近な相手を

救い出すことの出来る
 
唯一の道なのです。



















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